「水資源開発促進法 立法と公共事業」とその後

2013年2月 9日 (土)

167.焼け太りを狙う水資源機構(4)

続きです。
 
太田昭宏 国土交通大臣定例会見
 
15日 の続きを聞きにいった。
 
 (問)先週伺いました丹生ダムに関してですが、
  橋下元大阪府知事が事業の撤退を申し入れていたと思いますが、
  それについては実態を聞いて頂けましたでしょうか。
 
 (答)聞きました。先日言われましたので、4つのダムについて調べさせて頂きました。
   撤退ということでしょうから、それはそういう方向という認識をしているところです。
  
 (問)今後、法律的な手続きをするよう指導されるということでしょうか。
 
 (答)まだそこまで至っておりませんが、
   中止の方向というかたちで進んでいくというふうに思います。
 
近畿地方では「淀川水系流域委員会」の試みから生まれた住民意識の高まりで、
関係住民のみならず、その結果として関係知事達の意識も高まり、
省益とぶつかりながらも、
省益維持のための無駄な事業が一つひとつ、止まり始めている。
 
しかし、抵抗もそれに比例して激しい。
前・大阪府知事から撤退(清算)手続き要請が、3年間放置されたのは抵抗の例だ。
 
こんな例もある。川上ダム事業だ。拙著にも書いたが、
この事業を止めたくない水資源機構を所管する近畿地勢は
2008年3月11日に「水需要の抑制に向けての考え方」を
http://www.yodoriver.org/kaigi/iin/74th/pdf/iin74th_ss01.pdf (の最終ページ)
淀川水系流域委員会に提出した。
 
水需要を抑制する考えかと思いきや、
  「河川管理者として直ちに利水者に転用を
  強く求めることは適切でないと考えている」と
融通によってダム事業が不要となることを避けるための通知である。
 
川上ダムの受益者(自治体)は次々と撤退し、唯一残った三重県伊賀市では
自治体の水需要分は他の自治体から融通できる可能性があったが、
その事態を避けるための通知である。
 
しかし、新しく就任した伊賀市長は
当然のことながら、見直しをはじめ、やがて川上ダム事業も止まる方向へ行くだろう。
と伝えている。
 
そして、淀川水系流域委員会で鍛えられた考える市民は、
その先を見据えている。
以下の要請書をここはまず、解説抜きで共有させていただこう。
Photo_5クリックで拡大。
 
↑「関西のダムと水道を考える会」代表の野村東洋夫さんに許可を得て転載。
 
この丹生ダムも川上ダムも、水資源開発促進法に基づく
水資源機構事業である。

167.焼け太りを狙う水資源機構(3)

(続きです)
 
独法改革について「新たに見直しをされますか」との質問への
大臣の答えには続きがある。
 
太田 昭宏 国土交通大臣定例記者会見 
 
 (答)見直しかどうかも含めて、大枠ということについて出て、
  その下で対応していくと思っています。 
 
  もともと私は、個人的なことを申し上げますと今から15年位になりますが、
  公共事業、例えば今ダムとおっしゃいましたが、
  細川内ダムとかあるいは徳山ダムというものがございまして、
  それをやるのかやらないのかということで止まっている段階にありまして、
  そうしたことをしっかり精査してやりなさいと、
  かなりイデオロギー的ではなくて具体的な事例を挙げながら国会等で質問をし、
  具体的に、徳島にある細川内ダムがそこで中止を決定したという事例もございます。
 
  私は公共事業については無駄な物は削る、必要な物はやる
  そうした信念をずっと持っていますが、
  行革のそうした具体的な方向そして対処、そういうことについては、
  まだ内閣としての大方針が出ていませんので、
  これからそれらを見て判断したいと思っております。
 
太田 昭宏 国土交通大臣定例会見
 
この日は、別の記者によって次のような質疑が行われた。
「無駄」の定義がさらに見えてきた。
 
 (問)公共事業が増えると、バラマキだとか批判的な声があがることが多い
 かと思いますが、大臣としては、なぜ公共事業が増えるとバラマキという
 声があがるというふうにお考えですか。
 
 (答)・・・(略)・・・ 何を無駄かということを
 当時私自身が国会等でも言ったかと言いますと、
 例えば、あるダムならダムの仕掛り中の物がある、
 しかし地元が反対をしたりしていて、そして多くの意見があったりして
 そのまま止まってきているいうようなことについては、
 結論を早く出すというようなことが非常に必要だと、
 一番の無駄は作ろうとして止まったままおいてあることではないか
 というようなこともあったり、
 あるいは当時はB/Cというものは厳密にやられていないということもありまして、
 誰から見てもムダだという事案がいくつか出てきたということがあったと思います。 
 
 しかし、(略)まさに今度の緊急経済対策にありますように、
 インフラの基盤を作る中で経済活動が行われていくというようなことの中で、
 もう少し幅広いそうした経済活性化の乗数効果というものを判断すべき
 というものは私個人は持っているところでありますが、
 今から10年前位から特にそうした
 いくつかの確かにそれは無駄だなと思えるような事例があったことが
 そのまま引きずられて今日に至っているのではないかと思いますが、
 それ故に、今回公共事業ということを防災・減災ということで、
 そして現場から積み上げていくことが必要で、
 国民の理解が得られないような物はあってはならない
 というような中身を吟味するべきだと私が言って、
 そこに注力しているというのは、そういう経過をなんとか振り払いたい、
 振り払いたいというのは無駄な公共事業は必要無いが、
 必要な公共事業は行うという当たり前のことでありますけれども、
 そうしたところに、ものの判断を出来るようにしていかなくてはならない
 と思っているからであります。
 
継続も断続も力。早く後ろ扉を閉じて新しい時代に生きたい。さらなる質問に行った。
 
太田 昭宏 国土交通大臣定例会見
 
 (問)先程の予算の早期成立、迅速な執行ということに絡めてお伺いします。
 先日も大臣は徳山ダムのことを少しお話されましたが、
 この根拠法である水資源開発促進法、そしてその法律を根拠に持っている水資源機構、
 ここが2002年の扇大臣の時代に独法改革をした時に、新規の事業として
 
  栃木県の南摩ダム、
  滋賀県にあります丹生ダム、
  三重県にあります川上ダム、
  そして岐阜県にあります木曽川導水事業の4つ
 
 これがその当時新規であるということで継続になっております。
 ところが2002年から今11年過ぎて、もうすぐ12年になりますが、
 未だに全く手つかず状態と言いますか、水需要のために、
 まさに先程大臣が仰いました一番最初のタイプの公共事業、
 産業整備という意味で水需要のために計画されたものですが、
 これらがまだあります。この迅速という意味からすれば、
 これから作る意味がないものではないかと思います。
 
 このような事業について、長期的に動いていない事業についてはどうなさるのか、
 そしてそうした無駄を延々と続けてきた水資源機構自体を
 廃止されるお考えはないかどうか、お願いします。
 
 (答)まず、私が迅速という言葉を使いましたのは、
 今回の補正予算はあくまで補正予算なので、
 年度を越しますと繰越という形になります。
 来年の3月を越えますと通常は事故繰越ということで、
 非常に使いづらいということで制約が掛かってきます。 
 
 従いまして、今回の予算が、通常このような時期に
 これだけの予算が組まれるということはなかなかありませんが、
 早く契約が成立をして、その意味では手続きの簡素化ということも必要でしょう。
 具体的にそれが進んでいくということが大事だというような、
 いろいろな隘路を突破しようというような工夫が必要であるとともに、
 執行しようとしましても、なかなか人の問題がありまして、
 職人さんがいない、あるいは技能者と技術者と、
 技術士のお金の基準ではこれを置きなさいなど、いろいろなことがありますので、
 その辺りで迅速ということが極めて重要であるということを
 お話をさせて頂いたところです。
 
 今仰った4つのダムについては、ダムについては
 一つ一つを今検証しているということが基本になっております。
 私としては従来から、いつかの時の記者会見でも申し上げましたが、
 無駄ということは一体どのようなことが無駄なのかという中に、
 やるのかやらないのかよく分からなくて、ズルズルといっているというのは、
 これは時間も含めた無駄であろうということを発言させて頂いたことがあったと
 記憶しております。
 
 そのような意味では、今御指摘の4つのダムについて、
 一体どのようになっているのかを私自身がまだ十分承知しておりませんので、
 それについてはズルズルいって、
 やるのかやならないのか分からないのは無駄であるという私の考え方に
 変わりはありませんが、どのような事情で、それが今どのようになっているのか
 ということの詳細を存じておりませんので、一遍調べさせて頂きたいと思っています
 
 (問)丹生ダムに関しては橋下大阪府知事の時代に全て撤退をしたいという
 手続きをやってほしいと大臣と機構の理事長に申し入れをされていますが、
 放置されて3年が経っておりますのでそれも含めて調べて頂ければと思います。
 
 (答)はい。
 
そしてこの大臣は誠実に調べてくれたのである。

166.焼け太りを狙う水資源機構(2)

(続きです)
太田 昭宏 国土交通大臣定例記者会見 
 
 (問)民主党政権下で独立行政法人改革について、
  あまり知られていませんが、(改革が)進んでいたようなのですが、
  やり方に少し問題があるのではないかという指摘もあります。 
 
  例えば水資源機構ですが、扇千景さんが国土交通大臣をされていた時に
  ダムは作らない組織に改革されたわけですが、
  今回、今まで7水系のみのダム開発をしていた組織が、
  この独法改革という名の下で、海外事業なども受注できるように
  法律案をいじっているというような話が聞こえてきたのですが、
  改革の名で焼け太りしてしまうというようなところに、
  今後どのような観点から大臣としては取り組みをされますでしょうか。  
 
 (答)いわゆる行政改革ということについては、稲田さんが大臣になりまして、
  政府全体の方針として何らかの新たな方針が出てくる段階にございません。
  したがって大枠としてのそうした方針というものを見ながらものを
  考えていくべきだろうと思います。 
 
 (問)新たに見直しをされますか。 
 
 (答)見直しかどうかも含めて、大枠ということについて出て、
  その下で対応していくと思っています。 
 
その後、気になる情報が公表された。  
アベノミクスに悪乗りした行政の肥大化だ。 
 
   「国土」交通省であるにも関わらず、
  「(4)産業競争力強化等の取組の推進体制の強化」の名で
    水管理・国土保全局河川計画課「国際室」を設けてしまった。 
 
国内で頭打ちとなった「河川開発」を「海外」で行おうと民間企業が思ったとしよう。 
 
しかし、実際にそのノウハウや開発技術を持っているのは「民間企業」であり
国土交通省ではない。海外進出のもくろみを支援したいとしても
「外務省」で十分だ。大使館にアタッシェ―を送り込むことで十分だ。 
 
国土交通省に「国際室」を設けることは行革には反する。悪乗りだ。
これがもしも「天下りポスト狙い」ではないと言うなら、
ゼネコンへの天下りを全廃するべきだ。 
 
  こういう足がかりを許せば、
  次は、水資源機構にもその仕事をやらせようということになる。
  行政組織の肥大化は、毎日、防がなければ
  情けない深さと執拗さで暴走する。 
 
Photo_2
(余談:国土交通省の記者クラブについて)
自公政権となり、フリーは会見室から追い出されるかしら・・・と心配していたが、
少し安心材料がある。海外メディア、外国人記者が参加するようになったのだ。
以前は「○○○に対する受け止めを」と、単なる感想を求める記者質問が目立ったが、
最近はそんな「受け身」の会見が変わってきた。
 

165.焼け太りを狙う水資源機構(1)

新しい時代の扉に手をかけるには、
後ろ手にもう一方の手で古い時代の扉を閉める必要がある。
 
一人の人間なら区切りやケジメを、たとえつけなくても
(人生も常に選択で、整理整頓は大事だが)、
新しいことに取りかかれば、否が応にも古いことはフェードアウトする。
 
しかし組織の場合は、キチン、キチンと古い組織を閉めていかねば
組織は肥大化し、無駄な人件費が使われ、人材が浪費されるばかりだ。
 
浪費を止めるには根拠法やその省庁の設置法に遡って根っこから廃止する必要がある。
 
民間企業ならリストラしないとつぶれるが、
国民がお金を出し合って成り立つ行政組織は、国民の監視はもちろん、
立法府や司法府がさぼっていると、リストラをしない。
 
それどころか、組織内で古い仕事を閉めないうちに
脱法行為、つまり法律に書いていない仕事をこっそり増やしながら、
バレていないと見ると、その脱法行為をいつのまにか合法化してしまう。
 
新しい仕事をフェードインさせて、古い仕事もダラダラ続けて
自治体にその負担を付け回すことになる。なぜか。
 
拙著「水資源開発促進法 立法と公共事業」で、
役割を終えたこの法律と、それに基づく組織が廃止されるべきだと書いた。
書いたことを実現する作業に入った。(続く)

http://www.tsukiji-shokan.co.jp/mokuroku/ISBN978-4-8067-1450-7.html

2012年12月20日 (木)

134.記者へのレクチャーと独り言

どれも重要。ひと波越えるとやならなければならない無数の波が目に入る。
どの波を最初に乗り越えるべきか見極める前に溺れる。
今日はまず関係ないことを書いて緊張をほぐす。

「水資源開発促進法 立法と公共事業」筋経由で
記者の方から最近のダム問題についてレクチャーをして欲しいという。

ダム問題に強い記者は増えて欲しい。快諾する。
週刊金曜日11月30日号月刊世界1月号を読んできていただけると
話が早いですと携帯メールを打った。

本と合わせて3つをしっかり読んでいただければ、そうした事実を直視しない
「今後の治水のあり方に関する有識者会議」に象徴される
「官僚支配」の状況に話を集中することができる。

きちんと書いてくれるなら記者さん向け講座いつでもお受けします。

実は、私がジャーナリストになったのは、
他の職業を持ちながらパソコン通信やネットで個人的にダム日記なるものを書き
木頭村という村を応援していたとき、
日本中のダム問題にたまたま詳しくなってしまったことがきっかけだ。

なぜか多くの記者に情報を整理してお話する(レクチャーする)ようになり
しかし、話した内容そのままが記事になってもクレジットもでない、
話した内容の10分の1も書かれないということに気づいて
これなら自分がジャーナリストになった方が早いじゃないかと思った。

同様に、御用学者に文句を言っている間に
自分が学者になった方が早いんじゃないかと思ったのでまずは学位を取得した。
車で言えば免許証のようなものだと師匠は言う。
免許証をとったというのは、車を運転する資格を得たというだけの話。
ようやくスタート地点に立っただけ。これからがんばるぞ!

 
さて、ジャーナリストとしてだが、今になって再び、
勉強(取材)時間を短縮するための便利屋として記者に使われるのは
いいのだか悪いのだかわからないが、とにかく、きちんと書いてくれるなら、
不遜に聞こえるかもしれないが、記者さん向け講座いつでもお受けします。

2012年12月 9日 (日)

130.栃木県が美味しい地下水を放棄してたまり(ダム)水を飲ませるパブコメ

 
この件がダム検証で明らかになり、かつまた
住民訴訟()で補助金の不正取得問題として訴えられ始めた「今」になって、
栃木県は慌て始めている。
(私が取材した時点ではその後だったのにまだ暢気なコメントをしており、
そのコメントは記事に刻んだ)
地下水の利用を減らして、
その分の水を水道から取ることにして、水道計画(案)を作成し、
選挙戦のさなか、「今」、パブコメを実施している。
 
この件が悪質なのは、
現在、飲み水の100%を地下水でまかなえている栃木市など2市2町に対して、
「地盤沈下や地下水汚染が危惧されており」という理由で、
表流水(つまり将来できる南摩ダムからの取水)に水源を求めさせ
地下水依存度を40%に引き下げるということです。
 
そして、これらのパブコメ案をみても、 
 
・南摩ダムの話は一言も書いておらず(情報隠し)、
・放射性物質による表流水の汚染の話は収束したことになっており(情報隠し)、
・おいしい地下水を放棄して、まずいダムの水に切り替える案であるとは書いて
おらず(情報隠し)、
・やがてダム事業費が受益者負担として水道料金に上乗せされて値上げに直結す
ることも書いておらず(情報隠し)、
・これまでの不正補助金についてはまったく触れていない(責任隠し) 
栃木県人口はすでに減っているので、新たな水道施設を作ること自体がナンセン
スですが、維持管理費までを未来につけ回すことになるという深刻な問題です。
一人でも多くの栃木県民がこのパブコメに気づき、選挙と同様に
真正面から向き合って欲しいと願っています。

(*)関係資料
控訴審第6回  栃木県2012年10月22日 宇都宮市2010年8月5日
 控訴人準備書面6(思川開発の利水)(PDF 60kB)http://www.yamba.jpn.org/shiryo/tochigi_k/tochigi_k_g_junbi_6.pdf 
 控訴人準備書面7(思川開発の利水)(PDF 81kB)http://www.yamba.jpn.org/shiryo/tochigi_k/tochigi_k_g_junbi_7.pdf 
 控訴人証拠説明書(思川開発の利水)(PDF 89kb)http://www.yamba.jpn.org/shiryo/tochigi_k/tochigi_k_g_shoko_5.pdf 

128.選挙後の世界(所掌事務による仕分け)

次の政府(または国会)がやるべきことは山盛りある。

その一つは設置法に基づく所掌事務の仕分けだと思っている。
以前から「政策ごとの仕分け」を提唱(というと偉そうだが)してきたが
そのやり方を明かしたことはあまりなかった。

先月、ある場所で「水資源開発促進法 立法と公共事業」にちなんで「公共事業」について話をすることになり、頭で描いていることの一部をアウトプットした。

設置法に基づく所掌事務(仕事)の仕分けだ。
たとえば国土交通省の場合は、第4条に128もの所掌事務が並んでいる。
パワーポイント1枚におさめてみると一文字一文字が芥子粒のように小さい。

Photo

この128の所掌事務には、それぞれ法律(政策)、予算、部署と人員、地方機関、執行機関(独法など)、受注事業者(公益法人、民間企業)がピラミッド的にぶら下がっている。それを全部テーブルに載せる。一挙にではない。1所掌事務ごとに。

これをひとつづつ以下の3つに分類する。
1)社会の変化に伴い役割を終えたので設置法から削除する仕事
2)国として行ってきたが地方に任せることにして設置法から削除する仕事
3)国の役割として残すもの
4)その他(たとえば独立行政法人に振り向けている仕事)は1)2)3)のどれかに該当させる。

生ぬるい判断はしない。原則すべて1)をベースに考える。

たとえば、国土交通省設置法(所掌事務)第4条の1項から5項までを例に挙げると次のように書かれている。

一 国土計画その他の国土の利用、開発及び保全に関する総合的かつ基本的な政策の企画及び立案並びに推進に関すること。
二 国土の利用、開発及び保全に関する基本的な政策に関する関係行政機関の事務の調整に関すること。
三 社会資本の整合的かつ効率的な整備の推進(公共事業の入札及び契約の改善を含む。)に関すること。
四 総合的な交通体系の整備に関すること。
五 都市交通その他の地域的な交通に関する基本的な計画及び地域における交通調整に関すること。

これが百二十八項まで続くが、これを以下のように分類する。

一 →1)削除する仕事
二 →1)削除する仕事
三 →1)削除する仕事
四 →1)削除する仕事
五 →1)削除する仕事

なぜか?これらのどれもがもはや役割を終えているどころか、過去にも仕事をきちんと成し遂げたとは言いがたい結果が目の前に広がっているからだ。調整をするはずが、空港も道路も新幹線も鉄道も港湾もあれもこれも、と地方に作りに作って借金を作った。今も続けている。ろくな国土計画でも開発でも整合的な交通の整備でも調整でもない。鉛筆なめを認めた元官僚もいる(この辺はで触れた)。いわば職務違反だが、誰も責任を取っていない。これは所掌事務一~五の失敗だ。このような権限(所掌事務)は官僚から問答無用で取り上げるべきなのだ。

この政策ネットワークこそが「ムラ」であり、学問や研究者の世界もそれに毒されている。政治家にはそのムラに属する企業からの献金が行く。広告費はいわば報道界への企業献金の役目を果たす。よく言われる政官業学報の互助会で、富める者への福祉政策、税金の悪循環となっている。

本来は、競争原理や合理性では解決・実行できないために基本的人権を擁護するために税の再配分によって行われるのが「福祉」である。しかし、このムラ社会では、富める者が持続可能な富を維持するために必要性や合理性とは無関係に「福祉」のように現状を維持する倒錯した構造ができあがっている。

こうした所掌事務をムラごとカットするということは「政策→官僚→企業→政治家・報道・学者→政策」と、悪循環を続けてきた血税の流れに終止符をうつことを意味する。

余った人材はどうするのか?人間が足りない分野に配置転換をすればいい。介護、介護、介護。新しいエネルギーへの転換。作り続けたハコモノの整理。森の手入れ。たくさんある。未来世代への人材と仕事のニーズのミスマッチの調整作業・・・。

と書きかけで下書きに入っていたが、このまま送ってしまおう。

2012年11月12日 (月)

111.「水資源開発促進法 立法と公共事業」に書いたこと

知人がブログで紹介してくれるとのことで、短く自分の本の紹介文を書きました。
それに少し手を加えて一足先にこちらでも自書紹介をさせていただきます。
拡散・転載・転送歓迎です。

「水資源開発促進法 立法と公共事業」(築地書店)は、半世紀前にできた法律名を冠し、平易で一気読みができるように書いた、無駄な事業が何故止まらない?止められない?に答える種明かしの本です。

「無駄な公共事業」の代名詞となった「長良川河口堰」が1995年に運用開始してから17年が経ちます。しかし、未だに一滴も使われない工業用水を抱えるその長良川に、今度は、隣の揖斐川に2008年に完成した「徳山ダム」から導水する「木曽川水系連絡導水路事業」という計画が存在します。ところが、長良川と同じ名古屋市などが受益地である徳山ダムの水が要るはずもありません。

国の借金が刻々と1000兆円に近づく今、何故、このような無駄(*)が止まらないのでしょうか。その謎を明らかにしたのがこの本です。

こうした事業を必要としているのは他でもない。事業を行っている独立行政法人水資源機構そのものでした。建設事業費を地方に負担させ、本社や支社にいる無用な職員給与を捻り出すマネーロンダリングのような行為を行っています。この秘められたカラクリを黒塗り資料等を元に取材で明らかにしました。

Photo

問題の所在はすでに1980年代から会計検査や行政監察によって繰り返し指摘されていました。しかし、役割を終えた法律(政策)に終止符を打つ廃止立法を成立させるべき国会の役割が果たされてきませんでした。本書には「水資源開発促進法」を廃止すべき立法事実を淡々と列挙しました。

S_3    

「水資源開発促進法」は、利根川、荒川、豊川、木曽川、淀川、吉野川、筑後川の7水系の水資源(ダム)開発のためだけに作られたものです。ところが、それを根拠に設立された特殊法人水資源開発公団(現、独立行政法人水資源機構)は、歴代の国土交通官僚トップである「技監」の天下り指定席を確保しつづけ、全国の一級河川109水系のありようを左右しています。

Photo_4
出典:新理事長紹介(独立行政法人水資源機構)2011年10月(多分間もなくリンク切れするかと・・・)
http://www.water.go.jp/honsya/honsya/pamphlet/kouhoushi/2011/pdf/1110-03.pdf 

この法律の廃止とそれを根拠に持つ組織の解体は、河川ムラのためにある河川行政から未来の国民のための河川行政へと向かわせるために不可欠なプロセスです。全109水系で行われている数々の無駄な事業に終止符を打つことにつながります。また、この法律の廃止はその他の役割を終えた公共事業政策にも波及すると考えています。

それだけにこのプロセスには激しい抵抗が予想されます。ご一読いただければ幸いです。

まさのあつこ(政野淳子)

(*)血税を吸う水資源機構がこれから新たに建設しよう、建設を続けようとしている事業には、関東では思川開発事業(栃木県)、霞ヶ浦開発事業(茨城県)、関西では丹生ダム(滋賀県)、川上ダム(三重県)、中部では木曽川水系連絡導水路事業(岐阜県~愛知県)、九州では小石原川ダム(福岡県)などがあります。また、水資源開発促進法を根拠にしている自治体や国土交通省の事業には、安威川ダム(大阪府)、設楽ダム(愛知県)、八ツ場ダム(群馬県)などがあります。(本書ではその一部を例示してあります)

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