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2014年12月

2014年12月29日 (月)

390.「白票を投じた」から始まった投票の「質」の話

今回の衆院選では「白票を投じた」という書き込みがネット上には多く飛び交ったが、あるメーリングリストでも、自分は迷った挙げ句に「白票」を投じたという書き込みがあった。

それは単に「白票」を投じたという報告ではなく、「今回の選挙」はやむを得ずそうしたが、次の選挙ではそうしたくない。今後はどうしたらいいかと自問し、各政党への働きかけと、有権者への働きかかけの二つが必要だと思うので、自分にできることから少しづつやっていきたい、というものだった。

それに対し自分はこう思う、と多くの意見が寄せられ、「白票は残念」だという意見に賛意を寄せた74歳の方のメールが目に飛び込んできた。思わず、転載の許可をいただいた。以下、是非、読んでいただきたい(改行のみ一部変更させていただいています)。

======以下、転載=====================

神奈川在住、74才の年金生活者の扇谷正紀(オウギヤマサキ)と申します。
私は○○さんのご意見に全面的に賛意を表します。
私には孫が三人います。

父の兄弟は3人とも兵隊で戦地へ行き、二番目の弟は戦死。
父が故郷から戦地へ向かうとき、万歳の声に囲まれ、
母は父と一言も別れの言葉もなく近寄ることさえ許されず、
ただ4才だった私を高く掲げるのが精いっぱいだっと
後年何度も話しました。父は幸いに無事帰国しました。
私たちは戦後の70年を平和に暮らしました。
何という幸せなことだったのでしょう。

願いはただ一つ、孫たちや息子たちにもこの平和の永遠なれを祈るだけです。
そのための意思表示、それが民主主義における一票の行使です。

白紙投票を語る方はおられますが、私は反対です。
それを受け止めるほど繊細な議員はいないと私は思っています。
単なる無効投票になるだけです。意思表示にも何もなりません。

以前、自民党で反原発の河野議員の講演会を聞きました。
その中で彼は反対運動での署名運動が議事堂では
単なる紙が集まったということでその箱はただちに倉庫行きだと語っていました。
「それなら一体私たちはどうしたら良いのですか!」という怒りの声に、
彼は「一票の行使です。国会だろうと地方だろうと
議員と名の付くものが一番怖いのは一票の行使。
だから署名運動も結構だけど議員にアプローチし、
意見を絶えず伝えることです。」と言いました。

以来、私はまず選挙区の国会議員、県会議員、市会議員の名簿作りから始めました。

かなりの議員はHPもありアドレスもありますが
アドレスは双方向ではなく議員からの一方通行が多いのに驚きました。
それでも質問をぶつける、後援会に入会するなどして情を整備しました。
これを始めて4年になりますが、
数名の議員とはメールのやり取りができるようになりました。
(どこまで読んでいるかはわかりませんが)私の地域の問題として
リニアや地下鉄の延伸、或は廃棄物の問題等について
私の意見を発信していこうと思っています。
その結実が「一票の行使」だと思います。

○○さん、子供たちのためにそしいて自分のために諦められませんよね。
ご健闘をお祈り申し上げます。
     12/24 扇谷正紀

=========転載ここまで=========

選挙が終わるたびに、その結果は「量」で語られ、量が分析されてきた。
それは当然ではある。

しかし、同時に1票は、「質」を語り、その質を高め、
質を伴う投票が増えることが、とても大事ではないか。
投票の質の変化が「量」の変化も引き起こすのではないか。

・・・蛇足だが、議事堂で紙になる署名運動とは「請願」のことを指すと思う。
私もかつて国会内で仕事をしたものとして、
それがあっという間に「紙」になるプロセスを目にした経験を持つ。
しかし、「請願権」は憲法と請願法に保障された権利であり
投じる側ではなく受け取る側が、
その処理の仕方を向上させるべき問題であることを言い添えておきたい。

来年もどうぞよろしくお願いします。

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