本日が締め切りの秘密保護法制に関する3つのパブコメのうち、
以下の三階層の二つ■について書きました。
二つは連動しているので、コピペですませてしまったものもあります。
抜けているものもある不十分なものですが(今晩までに追加意見で送るかも)、
誰かの参考になるかならないか分かりませんが、公開します。
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特定秘密保護法
↓
■秘密保護法施行令(案) 法律より細かい http://bit.ly/1rD6BA0
↓
■運用基準(案) 施行令をもっと細かくしたもの http://bit.ly/1z6pa0o
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あちこちで流れている意見も大いに参考にさせていただきました。
冒頭の基本的考え方は、別ブログにアップするための記事の一部です。
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「特定秘密の保護に関する法律施行令(案)」に対する意見
内閣官房特定秘密保護法施行準備室御中
項目ごとに意見を記す前に基本的な考え方を記す
【基本的な考え方】
この法律は、「安全保障」を「国の存立に関わる外部からの侵略等に対して国家
及び国民の安全を保障すること」と呼び、安全保障に関する情報のうち「特に秘
匿することが必要であるものを「指定」、その「取扱者の制限」を行うために
「適正評価」を行う体制を作って、秘密の漏えいを防止することを目的としてい
る。
いわば戦争状態を前提とした法律であり、平和憲法を持つ日本には必要がない。
政府に対しては、2つの問いを反映した対応を願いたい。
第一に、好戦的に考えた場合、秘密を守れるか人物かどうかを「適正評価」して、
守れそうな人にだけ制限をして秘密を守るという極めて内向きな「体制」に、意
味はあるのか?第二に、厭戦的に考えた場合、先の戦争から考えて、あまりにも
無反省ではないか?
第一の点を考えてみる。戦後、古くは「エシュロン」(米国、英国、カナダ、オー
ストラリア、ニュージーランドが行っている軍事目的の通信傍受システム)、今
となっては米国の国家安全保障局(NSA)が通信監視プログラム「プリズム」によ
って、情報「漏洩」ならぬ、国家による「傍受」「盗聴」が行われていることは
誰もが知っている。
エシュロンについては、欧州議会が報告書「REPORT on the existence of a
global system for the interception of private and commercial
communications (ECHELON interception system) (2001/2098(INI))」を出してい
るが、米国はその存在すら認めていないと言われ、プリズムは、その存在を暴露
したエドワード・スノーデンは本国アメリカにはいられなくなっている。
後者のプリズムによって、米国がメルケル独首相ら35人の外国首脳の電話など
を盗聴していたとされる問題で、オバマ大統領自身が「諜報機関を持つ国ならど
の国でもやっていることだ」(『オバマ大統領「情報機関がある国はどこでもや
ること」』朝日新聞2013年7月2日)と開き直り、米国クラッパー国家情報
長官も、2013年10月29日の下院情報特別委員会の公聴会で、盗聴を認め
る証言を行った(『NSA盗聴問題、米情報長官認める』VOV5、2013年10月
30日)。
オバマ大統領の開き直りを肯定したとしたら、日本の持つ情報など米国はもちろ
ん全方位的に筒抜けではないか。わざわざ時間と税金と貴重な人材を使って、職
員や関係業者をアナログな方法で適正評価を行って「秘密」を守る政策の優先性
はどこにあるのか。国家公務員法第100条で「職員は、職務上知ることのでき
た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後といえども同様とする」で十分
ではないか。これに多少の罰則と公益通報に関する例外を加えればよいだけの話
である。
第二の点を考えるために、第二次世界大戦を考えてみよう。また日本が自衛隊を
派遣したイラク戦争を考えてみよう。なぜ起き、なぜ拡大し、多くの人命を失っ
てなお、なぜ、なんの問題解決にも至らないのかと考えるとき、それは真実が隠
され、曖昧にされ、時として意図的または非意図的に誤った情報が流布され攻撃
や侵略に至ったからではなかったかと思わないか。そしてそれは次の火種を残す
こととなったという事実を鑑みれば、戦争にどのような意味があるというのか。
そのための秘密保護になんの意味があるのか。
それらの検証を日本は行ったか。靖国神社には軍人たちが祀られているが、本土
や沖縄の日本国土で犠牲となった一般国民は祀られていない。誰が加害者で誰が
犠牲者なのか、最終的には誰が加害者でも被害者でも、次の戦争につながる殺し
合いでしかないことを学ばなかったのか。
時として、誤った情報収集や活用により、なかった大量破壊兵器があったことに
され、世界を巻き込む戦争が起きたのではなかったか。もっと言えば、結果的に
(現時点ではまだ)専守防衛の憲法を持った日本の情報を傍受することに力を注
いだ国はあったのか。
先の戦争に加え、戦後の日本が「平和憲法」を維持することによって得た特異な
国際的な立場から考えて、あまりにも無反省ではないか?
「国の存立に関わる外部からの侵略等に対して国家及び国民の安全を保障するこ
と」という、この法律の根幹を考える上では、戦争を前提とした秘密保護法を廃
止し、閣議決定による集団的自衛権の解釈を捨て去る方が、よほど国民の安全は
守られると考える。
以下、項目ごとの意見とその理由を述べる。
●第4条(指定に関する記録の作成)について
【提案1】「指定および解除を適切に管理するための帳簿」に記載する事項に
「指定を行った責任者名(決済者全員の肩書と氏名)」を新たに加えるべき。
提案理由:無責任な指定を回避するため
【提案2】 「二項 指定の有効期間及びその満了する年月日」について。「公
文書管理法第5条において定められた保存期間及び保存期間の満了日を超えないこ
とを確認の上」を追加する。
提案理由:解除後の検証を可能とするため、また検証されることにより無
責任な指定の回避を担保するため
●第11条 (指定の解除に伴う措置)について
【提案3】二項 「当該指定を解除した旨及びその年月日を書面により通知する」
相手先に、情報公開法に基づく開示請求が行われ、不開示通知を出した者を加え
ること。
【提案4】三項 「特定秘密指定管理簿に当該指定を解除した旨及びその年月日
を記載し、又は記録すること」にインターネット上に公開することも加えること。
提案理由:開示請求者に対し、秘密指定解除がなされた時点で非開示の処
分を取り消す通知するのは、当然であると考える。ただし、移転や死去ににより、
開示請求者に届かない場合が考えられるので、インターネット上に公開に公開す
ることは道義的、技術的に合理的である。
●第12条 (行政機関の長による特定秘密の保護措置)について
【提案4】十項 「特定秘密文書等の奪取その他特定秘密の漏えいのおそれがあ
る緊急の事態に際し、その漏えいを防止するため他に適当な手段がないと認めら
れる場合における焼却、破砕その他の方法による特定秘密文書等の廃棄」を削除
提案理由:これは戦闘現場を想定した条項であると考える。専守防衛しか
想定できない日本の平和憲法では、この条項の必然性がないからである。
●第14条~23条の「適性評価」および「適合事業者」について
【提案5】以下の趣旨に無関係な条項はすべて削除する。
行政機関職員については、国家公務員法第38条の他、「国家公務員法第43
条 第四十四条に規定する資格に関する制限の外、官職に就く能力を有しない者
は、受験することができない。」、「国家公務員法第44条 人事院は、人事院
規則により、受験者に必要な資格として官職に応じ、その職務の遂行に欠くこと
のできない最小限度の客観的且つ画一的な要件を定めることができる。」、国家
公務員法第100条で「職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはなら
ない。その職を退いた後といえども同様とする」で十分である。
適合事業者については、事案に応じて守秘義務契約を細かく定めることが合理
的である。
========
「特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施に関し統一的な運用を
図るための基準(仮称)(案)」に対する意見
内閣官房特定秘密保護法施行準備室御中
項目ごとに意見を記す前に基本的な考え方を記す。
【基本的な考え方】
この法律は、「安全保障」を「国の存立に関わる外部からの侵略等に対して国家
及び国民の安全を保障すること」と呼び、安全保障に関する情報のうち「特に秘
匿することが必要であるものを「指定」、その「取扱者の制限」を行うために
「適正評価」を行う体制を作って、秘密の漏えいを防止することを目的としてい
る。
いわば戦争状態を前提とした法律であり、平和憲法を持つ日本には必要がない。
政府に対しては、2つの問いを反映した対応を願いたい。
第一に、好戦的に考えた場合、秘密を守れるか人物かどうかを「適正評価」して、
守れそうな人にだけ制限をして秘密を守るという極めて内向きな「体制」に、意
味はあるのか?第二に、厭戦的に考えた場合、先の戦争から考えて、あまりにも
無反省ではないか?
第一の点を考えてみる。戦後、古くは「エシュロン」(米国、英国、カナダ、オー
ストラリア、ニュージーランドが行っている軍事目的の通信傍受システム)、今
となっては米国の国家安全保障局(NSA)が通信監視プログラム「プリズム」によ
って、情報「漏洩」ならぬ、国家による「傍受」「盗聴」が行われていることは
誰もが知っている。
エシュロンについては、欧州議会が報告書「REPORT on the existence of a
global system for the interception of private and commercial
communications (ECHELON interception system) (2001/2098(INI))」を出してい
るが、米国はその存在すら認めていないと言われ、プリズムは、その存在を暴露
したエドワード・スノーデンは本国アメリカにはいられなくなっている。
後者のプリズムによって、米国がメルケル独首相ら35人の外国首脳の電話など
を盗聴していたとされる問題で、オバマ大統領自身が「諜報機関を持つ国ならど
の国でもやっていることだ」(『オバマ大統領「情報機関がある国はどこでもや
ること」』朝日新聞2013年7月2日)と開き直り、米国クラッパー国家情報
長官も、2013年10月29日の下院情報特別委員会の公聴会で、盗聴を認め
る証言を行った(『NSA盗聴問題、米情報長官認める』VOV5、2013年10月
30日)。
オバマ大統領の開き直りを肯定したとしたら、日本の持つ情報など米国はもちろ
ん全方位的に筒抜けではないか。わざわざ時間と税金と貴重な人材を使って、職
員や関係業者をアナログな方法で適正評価を行って「秘密」を守る政策の優先性
はどこにあるのか。国家公務員法第100条で「職員は、職務上知ることのでき
た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後といえども同様とする」で十分
ではないか。これに多少の罰則と公益通報に関する例外を加えればよいだけの話
である。
第二の点を考えるために、第二次世界大戦を考えてみよう。また日本が自衛隊を
派遣したイラク戦争を考えてみよう。なぜ起き、なぜ拡大し、多くの人命を失っ
てなお、なぜ、なんの問題解決にも至らないのかと考えるとき、それは真実が隠
され、曖昧にされ、時として意図的または非意図的に誤った情報が流布され攻撃
や侵略に至ったからではなかったかと思わないか。そしてそれは次の火種を残す
こととなったという事実を鑑みれば、戦争にどのような意味があるというのか。
そのための秘密保護になんの意味があるのか。
それらの検証を日本は行ったか。靖国神社には軍人たちが祀られているが、本土
や沖縄の日本国土で犠牲となった一般国民は祀られていない。誰が加害者で誰が
犠牲者なのか、最終的には誰が加害者でも被害者でも、次の戦争につながる殺し
合いでしかないことを学ばなかったのか。
時として、誤った情報収集や活用により、なかった大量破壊兵器があったことに
され、世界を巻き込む戦争が起きたのではなかったか。もっと言えば、結果的に
(現時点ではまだ)専守防衛の憲法を持った日本の情報を傍受することに力を注
いだ国はあったのか。
先の戦争に加え、戦後の日本が「平和憲法」を維持することによって得た特異な
国際的な立場から考えて、あまりにも無反省ではないか?
「国の存立に関わる外部からの侵略等に対して国家及び国民の安全を保障するこ
と」という、この法律の根幹を考える上では、戦争を前提とした秘密保護法を廃
止し、閣議決定による集団的自衛権の解釈を捨て去る方が、よほど国民の安全は
守られると考える。
以下、項目ごとの意見とその理由を述べる。
●「Ⅱ 特定秘密の指定等」について
【提案1】P.9「(4) 特に遵守すべき事項」を「(4) 秘密に指定に関する例外
事項」に変更して、以下の事項を加えること。
【提案1-1】・情報のもたらす公益が、公開によって生じる損害を上回るとき
には、その情報は秘密に指定してはいけない。
【提案1-2】・人々が知る権利を有する政府の活動に関する情報や、国内法や
国際人権の原則を侵害する行為を説明する情報も秘密指定されてはいけない。
【提案1-3】・汚職、人権侵害、その他の刑事犯罪、公衆衛生や安全に関する
情報は秘密に指定してはいけない。
以上は、アメリカ合衆国の米外交・安全保障の専門家 モートン・ハルペリン氏
の意見(出典:http://www.himituho.com/%E3%83%8F%E3%83%AB%E3%83%9A%E3%83%AA%E3%83%B3%E6%B0%8F%E3%81%AE%E3%83%91%E3%83%96%E3%82%B3%E3%83%A1/
)であり、これに賛同し、提案する。(米国大統領令(E.O.13526)の3.1(d)
節は、政府職員はある情報の秘密指定の解除をするかどうか考慮する際、「その
情報の公開により当然予期される安全保障に対して生じうる危険を、公開による
公益が上回るかどうか」を判断しなければならないと規定しているという)
提案理由:特定秘密保護法第3条第1項に基づく別表は、秘密指定の対象
とする情報としてて、防衛、外交、特定有害活動、テロリズムについて、あまり
にも広すぎる範囲を指定しているため。
●P.11「4 指定の有効期間の設定」
【提案2】秘密指定の有効期限は、公文書管理法第5条において定められた保存期
間及び保存期間の満了日を超えてはならないことを追加する。廃棄する場合は、
保存期間が最低でも10年は上回るようにすること。
提案理由:闇から闇へ秘密が葬りさられるのを回避し、検証を可能にする
ためである。
●P.11「Ⅲ 特定秘密の指定の有効期間の満了、延長、解除等」について
【提案3】秘密指定の有効期限を延長した場合は、自動的に保存期限も同程度延
長しなければならない。
【提案4】移管・廃棄の検証のために特定秘密移管廃棄簿を作成し、保存期間の
満了、国立公文書館等への移管もしくは廃棄を記載して、永年保存すべきである。
提案理由:闇から闇へ秘密が葬りさられるのを回避し、検証を可能にする
ためである。
●P.11「6 指定した特定秘密を適切に保護するための規程」について
【提案5】「 (1) 施行令第 12 条第1項に規定する規程(以下「規程」という。)
には、同条各号に掲げる措置及び特定秘密の保護に関する業務の実施体制の構築
その他特定秘密を適切に保護するために必要な事項を定めるものとする。特に、
施行令第 12 条第 1 項第 10 号に掲げる緊急の事態に際する特定秘密文書等の廃
棄について、危機管理に万全を期すため、その実施手続その他必要な事項を定め
るものとする。」を削除
提案理由: これは戦闘現場を想定した条項であると考える。専守防衛しか
想定できない日本の平和憲法では、この条項の必然性がないからである。
●P.12 「指定時又は延長時に定めた有効期間が満了する場合」について
【提案5】有効期限が満了した場合、または指定の解除が行われた場合、それ以
前に情報公開法に基づく開示請求が行われ、不開示通知を出した者にその旨を通
知した上で、インターネット上に公開することも加えること。
したがって、指定された秘密を含む行政文書の開示請求および不開示の記録は
保存を必須とする法改正を関係法に新たに加えるべきである。
提案理由:開示請求者に対し、秘密指定解除がなされた時点で非開示の処
分を取り消す通知するのは、説明責任を果たす上で当然であると考える。ただし、
移転や死去ににより、開示請求者に届かない場合が考えられるので、インターネ
ット上に公開に公開することは道義的、技術的に合理的である。
●P.14~27「適性評価」および「適合事業者」について
【提案6】 以下の趣旨に無関係な条項はすべて削除する。
行政機関職員については、国家公務員法第38条の他、「国家公務員法第43
条 第四十四条に規定する資格に関する制限の外、官職に就く能力を有しない者
は、受験することができない。」、「国家公務員法第44条 人事院は、人事院
規則により、受験者に必要な資格として官職に応じ、その職務の遂行に欠くこと
のできない最小限度の客観的且つ画一的な要件を定めることができる。」、国家
公務員法第100条で「職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはなら
ない。その職を退いた後といえども同様とする」で十分である。
適合事業者については、事案に応じて守秘義務契約を細かく定めることが合理
的である。
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