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2014年6月 8日 (日)

348.薄さ1.5ミリステンレス製の蛇腹の継ぎ手からの水漏れの原因は海水の腐食か経年化+地震動か

2014年5月28日の東電会見で発表があった件について、端的に乱雑に最低限の取材メモをここに置いておく。(誤字脱字ご容赦を)

東電によるサプレッション・チェンバー(S/C:フラスコ型の原子炉の下部、外側の回りにあるドーナツ型の圧力抑制室)の上にある細いラインの継ぎ手からの水漏れがロボットによる調査で分かったという件だ。

「福島第一原子力発電所1号機
S/C(圧力抑制室)上部調査結果について」
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/handouts/2014/images/handouts_140527_06-j.pdf 

東電のこの説明に対する他の記者の質問で明らかになった「蛇腹の継ぎ手」がたった1.5ミリメートルであり、それに穴が空いたのは海水による腐食であると東電が質問していることに、ふと思うところあり、更なる質問をしてみた。

そこで得られた回答と得られなかった回答に関し、気になって自分でも調べて見たところ、噓じゃん!と分かったので、5月30日に、回答が間違っていると指摘したら、間違っていたことを認めてくれた。

(しかも、会見の最後の最後にこちらが指摘するとやっと認めた。指摘しなければ放置しようと思っていたのだろう。よほど都合の悪いことらしいとの感触を持った。)

そこで、得られた結果を、以下のように忘れないように少しばかりツイートしておいた。(私が今東電会見で追い続けているのはあくまで変電所問題なので)

===================================
●水曜日と今日の東電会見で、少なくとも1号機の汚染水漏れの一因が見えてきた。◾原子炉の圧力を調整するための配管の継ぎ手から水が漏れる現象が明らかになった。◾継ぎ手はパイプとパイプをつなぐもので、熱による膨張を吸収するためにジャバラ状になっている。厚さ1.5ミリ材質はステンレス(続

●◾部品交換は建設以来一度もない。東電は水曜日にその原因を海水による腐食と説明し、基準地震動は耐震バックチェックして大丈夫だったから、地震で壊れたわけではないと。◾でも国会事故調の報告ではバックチェックは間に合わずに3.11を迎えたことが書かれていた。回答が間違っていると指摘(続

●◾するとバックチェックが間に合わなかったことは認めたが、それでも地震で壊れたのではない、継ぎ手からの水漏れ原因は海水による腐食だと判断している、100パーセント否定しないが、と東電は回答。◾100パーセント肯定も否定もする術はないのだからそれで十分だ。終わり。
===================================

すると、思いもかけない貴重な情報がツイートで送られてきた。

かいつまんで言うと、東電の元技術者木村俊雄さんが、2013年10月に、『東京電力「福島原子力事故調査報告書」の考察(その2)~地震動による福島第一1号機の配管漏えいについて~』という考察を試みていて(雑誌「科学」にも執筆)、これもかいつまむと、「東電は、地震動によって安全機能が喪失したことを、少ないデータを基に否定してきたけど、配管などから冷却水がリークしていた可能性があったのではないか」と指摘していた。

そしてその後の分析で、事故直後から冷却水の水位が下がっていたことが明らかになったというのだ。気になっていたが、やっと、昨日、少しだけ調べてみた。

すると、「過度現象解析」なるデータを東電が隠していたことを木村さんが昨年7月に指摘、これを重く見た木野龍逸さんや朝日新聞の木村英昭記者が追及して、ついに公開され、水位の低下がデータで証明されたということが分かったらしいという、おおよその全体像がやっと分かった。

重要データを隠し続ける東電 国会・政府両事故調にも提出せずか
http://kinoryu.cocolog-nifty.com/go_kinoryu/2013/07/post-9c73.html

つまり、もしかすると、今回の1.5ミリの蛇腹の継ぎ手問題は、この件と深くリンクする可能性があると考えてくれた人がツイートしてくれたのだ。ツイッターってやはり凄いんですね。

そんなわけで、飲み込みの悪い私自身は今すぐ、この「過度現象解析」なるデータを理解しにいく時間がないが、ここにそのときの取材メモを公開しておきます。

全国の他の原発の規制強化にもつながらせるべき問題ではないかと思う。

●5月28日東電会見 Aは白井功 原子力・立地本部長代理

Q:今の点で、S/Cの件で、2,3号機はこのタイプのものではないという話でしたが、1.5mmの継ぎ手がついているものは柏崎刈羽にはありますか?

A:柏崎刈羽にはBWRと福島第一の6号機以降のBRWの4あるいは5といったタイプになりまして、こういった圧力抑制室のトーラスといったものはありません。いわゆるS/Cといったドーナツ型の非常に大きなプールになっていますので、同様の構造にはなっていません。(後刻、追加・変更の回答あり)

Q:同様であれば他の社の原発でもこういった1.5mmの継ぎ手がついている原発はある可能性はあると?

A:伸縮継ぎ手につきましては、このような構造の発電所はいくつかあります。さきほどお話しましたように、腐食の可能性は高い、原因は海水を注入したということだと思います。ですので、今回のような漏えいについては、そういったことがなければ、腐食などしやすい環境ではありません。5枚目のスライドですが、ここが腐食している図ですか?

Q:伸縮蛇腹というのはパイプとパイプをつなぐそれだけの意味のものですか。伸縮する機能を持たせたものではないんですね。

A:事故が起きたときの熱の膨張とか圧力の変動とか受けることがしやすいように伸縮できるようにしている。

Q:クッション的な。

A:ただ、爆発とかなんかがあったときに急激な振動を受けるというよりは、運転を開始したときの熱の膨張ですとか、そういったものを、運転したときに、圧力容器が厚くなって、格納容器が暖かくなってくるとそういったときにだんだん膨張したりしてきますので、そういったときの熱の膨張を吸収する役割。

Q:地震の影響はないのかとこちらの方がおっしゃいましたが、もともとそういうものであるとすると、爆発とか、地震によってピット切れてしまうとかそういうことはあるんじゃないでしょうか。当時はASで今はSSですとおっしゃいましたが、これは地震の基準のことですよね。すると想定外の地震がきたわけですから、ASを満たしている機能ではダメなのでは?

A:当時はASで確認をしている。そのあとに、バックチェックということで指針の見直しをしていてSSで評価をしました。今回の3月11日に観測された地震はSSとほぼ同等と我々の耐震評価から得ている。今、A:Sで当時OKだった設備がSSで問題がないかどうかを見ているので、大丈夫だという結論を得ているので、3月11日の地震は、SSとほぼ同等であったと、いわゆる地震そのものについては、SSと同程度なので、それによる影響は、問題なかったという。(これは3日後の会見で間違いと訂正)

A:判断しているということですね。バックチェックは何年ですか。

Q:バックチェックをやっていた途中の段階で地震がきています。バックチェックをやっていたのがいつかは確認します。

A:確認をお願いします。この内側は今回は確認できない。これは今後IRIDで開発?

Q:内側はすでに漏れていることが確認できている。他は今後の調査は、その確認できている。

A:先ほどの質問、柏崎刈羽につきましては、6、7号機はA:BRWといった形。それに対して、1=5号機阿BRWの5になります。福島第1~5号機まではドーナツ状のタイプ。柏崎は上にドライウェル、下にトーラスという形ではなくて、釣り鐘型の一つの形になっています。ですので、今行ったベント管といったものですとか、そこをつなぐ真空破壊弁のラインといったものはこちらでは、真空破壊弁そのものはあるけれども外にはみ出るといったタイプのものではありません。

Q:外側にはみ出るタイプのものでなくても、たとえば、福島第一の2~5機もこのような蛇腹でパイプとパイプをつないでいるものはあるのでしょうか。

A:即答はしかねますけど、確認させていただきます。

Q:蛇腹の部分は建設当時のものか、リプレース部品か?材質は?
A:確認する。
(3日後の会見で、蛇腹部分は「一度も交換したことがない」
 材質は「ステンレス」と後刻回答)

●2014年5月30日 東電会見 Aは東電小林さん

Q:水曜日の会見のときに白井本部長代理に尋ねたこと。S/Cの水曜日に発表があった蛇腹の継ぎ手の部分について、地震動で切れたのではないかと聞いたら、腐食であると答えた。

そのときに、基準地震動を3.11のときは満たしていたというが、国会事故調を見ると「耐震バックチェックを急ぐ必要性について、東電も保安院も認識していたにもかかわらず、東電は最終報告書提出予定を2016年1月としており」「地震動に耐えられるような補強がなされないまま、本地震を迎え得ることになった」と書かれているので、水曜日にいただいた答えは間違っていたのではないか。

A:そちらにつきましては、確認をしております。おっしゃられた通り、耐震バックチェックについては、鋭意進めていたところでして、今回の当該部については実施がされていないということのようで、そこにつきましてはおっしゃられる通りです。

で、バックチェックですけれども、その中で、特に重要な配管について実施しているということで進めていたところですので、全体的にはまだ終わっていなかったというような状況でございます。

Q:そうするとこの蛇腹のオリジナルのものかそれともリプレースしたものかということを確認していただいていると思うんですけれども、これが設置当初のものだとすると、経年変化で、今回、地震で亀裂が入ったということもあり得るんだと思いますが、その点はもう確認していただけましたでしょうか。

A:申し訳ございません。ご質問いただいていた件で、今、確認されているものについてご回答させていただきます。

まず一つがですね。今、おっしゃられた伸縮継ぎ手の交換実績がありますでしょうかということについて関しましては、交換実績は特にございません。今まで交換していないということでございます。

それから同様な伸縮継ぎ手が他にもありますかということに関しては、格納容器内にありますかということに関してですが、ま、今回と同じような伸縮継ぎ手というのは、これ以外にはないようであります。この2点が確認できているところでございます。

それから今、ご質問があった、腐食以外の可能性はどうでしょうかというところですけれども、一つは評価が終わっているか、終わっていないかということに関しましては、申し上げましたとおり、まだ終わっていないということです。それから今後確認するのかということについては、現段階でははっきりわかっていません。

もう一つ、言えることなんですが、以前も私、お答えさせていただいているんですが、まずプラントが停止して、その後の挙動の中で確認されていることなんですけれども、まず、しっかりと原子炉が止まったということと、圧力が上がっていていることは確認できています。

今回のような伸縮継ぎ手等は、圧力があがりますと、ここから圧力がどんどん逃げていく形になりますので、そういうところから判断しても、地震がおきて、プラントが停止した段階では、通常のプラントの挙動を示していたと、現段階では考えています。

で、また地震で壊れたかどうかということについては、今、明確に壊れていませんとは言えませんけれども、今のところ、地震によって何か壊れたかどうか、壊れているようなものがあったかということに関しては、そういうところは、当社としては、今のところは確認ができていないっていうようなお答えになります。

ですので、100%否定しているわけではございませんけれども、今後調査していくなかで明確になっていくのではないかと思っています。

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