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2014年6月 6日 (金)

346.ダムのための赤倉温泉でいいのか?

「赤倉温泉」を守るためのダムであるにも関わらず、実際はダムを作るための「赤倉温泉」になってしまった。

Photo5月18日朝、小雨が降る中、最上小国川から見れば高台に工場を構えている早坂建具製作所の早坂義範社長の元を訪れた。

早坂社長は県が開催する「最上小国川流域の治水対策等に関する協議」に赤倉温泉町内会長として参加されている。どんな発言をしてきたか、今後、どうあるべきかを聞かせて欲しいとお願いをした。かいつまむと、こんな話だった。

「ダムの建設に応募したのは昭和62年。もう25年以上経っている。一日も早く本体工事に着工して完成させたいとお願いした。最終的には、話するネタもなくなったから、宜しくお願いしますと、漁協の組合長に言った」

「組合長が6月8日の総代会で決めますという話だった」

実際には、6月8日に「ダム計画容認」を小国川漁協の総代会で議題とすることへの賛否が、5月16日に漁協の理事会(10人)で問われ、6人の賛成、4人の反対で、議題とすることが決まったという話である。

そこで、6月8日に漁協組合員の中から地域ごとに選挙で選ばれている「総代(そうだい)」さんたちによる「総代会」でダム計画を容認するか否かが決まると報道されている。(実際には「漁業権」は漁業権を持つ一人ひとりの権利であり、所属している漁業組合が多数決でダム計画に容認かいなかを決めることができるものではないのだが。)

自死された前組合長が指揮した「ダムに頼らない治水」を引き継いでいくかどうか、総代たちがどのような態度を選ぶかは大きな分岐点となる。

ここから先は、周辺取材によって分かったことだ。

5月17日(ダムに頼らない治水派が新庄で集会を開いた日)に、最上町を拠点に持つ地元の建設業者である株式会社大場組が組織している建設会社の協力会「大友会」のメンバーが集まった。

この会には大場組の社長と40年来の友だちである塗装業の社長高橋光明さんも入っている。実は、この高橋氏が、2月10日、自死された小国川漁協組合長の後を継いだ、新・組合長だ。

この高橋組合長は、5月17日に、そこで、ダム賛成に回ったということを語ったという。県に、魚道の整備などの交換条件を付けられて、グラっと来たのだろうという人もいた。

それだけではなかった。その後、高橋組合長は、6月8日に開く組合総代会を前に、ダム賛成の声を、赤倉温泉町内会と旅館から漁業組合に、少し大げさに強く、文書で要請して欲しいと頼んだと言う。

まさかと思ったが、実際、5月29日、赤倉温泉町内会の「早坂義範会長ら5人が小国川漁協を訪れ、高橋光明組合長に書面を手渡した。要望書では赤倉温泉地区の住民が安心して住み続けられるようダム建設促進への配慮を求めた。」(日テレNEW24)と報道されている。

「地元」の要請は、信じがたいことに新組合長が描いたヤラセだった。

「赤倉温泉」を守るためのダムとしてその口実に使われていたはずが、今やダムを作るための「赤倉温泉」になってしまった。

しかも、その構図を作ったのが、ダムに頼らない治水を要望していた小国川漁協の新組合長だった・・・。

県はそれを知っているか。本日、電話でそう取材すると、「知らない」と述べた。本来のニーズが抽出されることなく、偽物(あるいは産業界に偏ったというべきか)の意志決定の上に成り立って、自治体が運営される。その集まりと結果が、今の日本なのだ、だから、方向転換をすれば、未来には違う結果が残っていくはずだが、どうだろう。

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