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2014年5月14日 (水)

333.環境女子会☆海岸法改正についての意見書提出

12日の学習会を踏まえて今朝から始まる海岸法改正審議に向けて、政策決定者に環境女子会☆として提出しました。

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国土交通大臣 太田昭宏殿
衆議院国土交通委員会 梶山弘志委員長他各位
参議院国土交通委員会 藤本祐司委員長他各位

海岸法改正に対する意見

                              2014年5月13日
                              環境女子会☆

この法律は、津波、高潮、波浪その他海水又は地盤の変動による被害から海岸を防護するとともに、海岸環境の整備と保全及び公衆の海岸の適正な利用を図り、もつて国土の保全に資することを目的とし、1956年(昭和31年)に制定され、1999年の改正を受け、2014年3月に第186回通常国会で新たな改正案が提出されています。

1.協議会のあり方について
法律に海岸管理者や国の関係行政機関の長及び関係地方公共団体の長は、海岸保全施設や海岸の保全に関し必要な措置について協議を行うための協議会を組織できるものとすること、と位置付けられたことは大きな進歩であると考えます。
ただし、協議会の設置の有無は、海岸管理者の裁量に任せるのではなく、必須事項とすべきです。
また、行政と研究者が議論する場ができたことは大きな進歩ですが、本来はそこに地域住民や環境保護団体も参加できるようにすべきです。それが難しい場合は、当面は、協議会を公開し、市民の傍聴や質疑の場を担保すること、議事録の公開を必須とすることを付帯事項としてつけてください。

2.緑の防潮堤について
今回、改正案に加えられた緑の防潮堤は、コンクリート素材の防潮堤の上部に盛り土と植樹を行うものです。これはコンクリートで作る防潮堤を前提としたものであり、市民団体が主張する緑の防潮堤とは言葉だけは同じですが、性質を異にするものです。緑の防潮堤については、多くの議論がなされている最中であり、議論は十分にできていないと考えます。コンクリート以外の材料の活用、既存の道路や祠など施設の活用を検討し、コンクリートありきではない防災の導入も検討してください。

また、植える植物の種類について明記がありませんが、地域に自生する植物であることや波や潮に耐えうる樹種を選ぶなど、生態学的な知見をふまえることが必要です。

3.海岸協力団体
 海岸協力団体が法律で位置づけられたことは大きな前進であると考えます。
ただし、公共海岸の維持を行うこと、調査研究を行うこととありますが、このなかに市民参加型のモニタリング調査を含め、調査を行うことができる人材を育成しながら調査結果を得て、施策に活かす形にしてください。

4.防御、環境、利用の統合
1999年の改正を受けて、海岸法の目的に、これまでの「防護」に加え、「環境」と「利用」の2つが追加されました。
目的に含まれる要素を理解することは重要ですが、現状は、防護、環境、利用と3つの要素に分解し、それぞれ別々に対応がなされがちです。例えば砂浜の砂丘のように、防護・環境・利用と重複した機能を持ちあわせるものが、海岸の自然環境には多数あります。総合的な施策がなされるようにしてください。

5.次回の改正の時期を明記すること
いかによくできた法律でも、社会の状況や科学・技術の進歩などにより、改正を検討する必要が生じます。他の法律には改正を5年おきに行うなど見直しを義務付けているものがあります。本法律についても、改正の時期を明記する必要があると考えます。

以下略

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