304.都知事選と「原発」
都知事選の争点は「原発」だと言われているわりに、不思議なことに事実に即した情報があまりにも提供されていない。情報が提供されていないのに「選択肢」だけがある。
以下は、昨年9月26日に東電が発表した「今夏の電力需給の概要について」に掲載された、2010年と2013年の最も暑かった1日の24時間の発電の内訳グラフだ。
図の説明では「震災後は、節電の効果はあるものの、原子力電源の減少により、火力発電の高稼働および揚水発電により供給力を確保している状況」と書いてある。
でも、ジッと見ているとそれはすぐにまっ赤な「噓」だと分かる。左右を比べてみよう。
3.11前は、一日最大6000万kWの需給があったところ、以後は5000万kWにとどまっている。以下はピークに合わせて二つを上下にズラしてみたものだ。データは噓をつかない。
クリックで拡大可
真実は「震災後は、節電の効果がある。」それがすべてだ。
原発でまかなっていたところがスコーン!とない。
私たちは、見事にキッチリ原発1000万kW分を節電していたのだ。
「原発が稼働しないと燃料が嵩んで電気代が上がる」、「CO2が増える」、「だから、原発が必要だ」と原発推進論者は言ってきたが、またしても「みんな噓だったんだぜ」という古くて新しい話なのだ。原発は即要らない。
一事が万事。政策も選挙も、選択の基本は情報である。情報をキッチリ把握することもなく原発が必要だという噓をいう候補者はもちろん、段階的になくすという候補者も、東京都知事を運営する能力があると思えない。
ところが、それに加えて、この選挙戦のさなかに、われらが国営放送はその逆で情報統制をしていることが明らかになった。一体、ここは日本なんだろうか?2014年なんだろうか?
NHK、脱原発論に難色 「都知事選中はやめて」 東京新聞2014年1月30日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014013002000161.html
東電の噓は上記の図で明かなように頭隠して尻隠さずの類いだが、NHKは仮にも報道機関ではなかったのか?ブログ内からで恐縮だが、NHKよ、恥を知れ!
« 303.原子力規制委が個人の信頼性確認制度作りを非公開? | トップページ | 305.都知事選と公共事業 »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント