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2014年1月

2014年1月31日 (金)

305.都知事選と公共事業

争点になっているとは言いがたいが、東京都民が負担金を出したり、住環境に影響を受けたりする国や民間の事業はざっと考えるだけでも少なくない。

・スーパー堤防
・八ツ場ダム
・外環道(東京外かく環状道路)
・オリンピック関連施設
・築地市場
・リニア中央新幹線

リニアや外環道は、以下のようにもうじき公聴会が開かれるし、スーパー堤防では、計画変更手続が行われる。また、1都5県の中では東京都が利水の最大の受益者である八ッ場ダム事業について、見直しをするなら、これが最大のチャンスでもある。

「中央新幹線(東京都・名古屋市間)」に係る環境影響評価準備書に係る都民の意見を聴く会 平成26年2月25日(火)午前10時開始(東京都)

練馬区における外環の地上部街路のあり方(複数案)について
―広く意見を聴く会とオープンハウスを開催します―
 (東京都)

電磁波とリニア新幹線問題 学習会
 講師:荻野晃也さん(元京都大学工学部講師、電磁波環境研究所)
 2014 年2月2日(土)日比谷図書文化館

都知事選候補者への八ッ場ダムに関する公開質問 と回答 (八ッ場あしたの会)

「八ッ場ダムとオリンピック ~2020年、東京はどうなる?~」-2/23、東京・池袋

(続く)

304.都知事選と「原発」

都知事選の争点は「原発」だと言われているわりに、不思議なことに事実に即した情報があまりにも提供されていない。情報が提供されていないのに「選択肢」だけがある。

以下は、昨年9月26日に東電が発表した「今夏の電力需給の概要について」に掲載された、2010年と2013年の最も暑かった1日の24時間の発電の内訳グラフだ。

Photo_2クリックで拡大可

図の説明では「震災後は、節電の効果はあるものの、原子力電源の減少により、火力発電の高稼働および揚水発電により供給力を確保している状況」と書いてある。

でも、ジッと見ているとそれはすぐにまっ赤な「噓」だと分かる。左右を比べてみよう。

3.11前は、一日最大6000万kWの需給があったところ、以後は5000万kWにとどまっている。以下はピークに合わせて二つを上下にズラしてみたものだ。データは噓をつかない。

Photo_3クリックで拡大可

真実は「震災後は、節電の効果がある。」それがすべてだ。

原発でまかなっていたところがスコーン!とない。
私たちは、見事にキッチリ原発1000万kW分を節電していたのだ。

「原発が稼働しないと燃料が嵩んで電気代が上がる」、「CO2が増える」、「だから、原発が必要だ」と原発推進論者は言ってきたが、またしても「みんな噓だったんだぜ」という古くて新しい話なのだ。原発は即要らない。

一事が万事。政策も選挙も、選択の基本は情報である。情報をキッチリ把握することもなく原発が必要だという噓をいう候補者はもちろん、段階的になくすという候補者も、東京都知事を運営する能力があると思えない。

ところが、それに加えて、この選挙戦のさなかに、われらが国営放送はその逆で情報統制をしていることが明らかになった。一体、ここは日本なんだろうか?2014年なんだろうか?

NHK、脱原発論に難色 「都知事選中はやめて」 東京新聞2014年1月30日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014013002000161.html

東電の噓は上記の図で明かなように頭隠して尻隠さずの類いだが、NHKは仮にも報道機関ではなかったのか?ブログ内からで恐縮だが、NHKよ、恥を知れ!

2014年1月23日 (木)

303.原子力規制委が個人の信頼性確認制度作りを非公開?

原子力規制委員庁による報道向けの連絡をメールで受けている。今週の金曜日に原子力規制委員会の「核セキュリティに関する検討会」が「個人の信頼性確認制度に関するワーキンググループ」を非公開で開く、要旨しか公開しないという連絡が月曜日に来た。

ルール作りの場がなぜ非公開なのだ???
http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/shinraisei_wg/20140124kaisai.html

そこで、事前の電話取材により、議事録自体も発言者名入りで作成はし、開示請求をすれば差し支えのある箇所は黒塗りで開示する、その黒塗り部分も差し支えのない時がきたら公開する。ちなみにこの文書の保存期限は30年である、というとこまでを確認して、原子力規制委員長の会見へ出かけていった。

*この日の他の記者からの質問では、委員会の議題だった新設置される原子炉安全専門審査会核燃料安全専門審査会について、また、函館市が大間原発の建設差し止め訴訟を起こすことについての質問が興味深かった。すでに速記録が出ている。興味のある方は、以下からご覧ください。

 原子力規制委員会記者会見 http://www.nsr.go.jp/kaiken/
 平成26年1月22日 http://www.nsr.go.jp/kaiken/data/20140122sokkiroku.pdf

原子力規制庁は日本の中央省庁のうちで最も開かれた委員会であることはおそらく間違いがない。それが福島第一原発事故による犠牲の上に成り立っていることは忘れてはならないし、ところが、「核セキュリティ」を理由として、非公開の会議ができていることに気づいた。開かれた委員会が閉じる兆しは絶っていきたい。そういう意味で、委員長の見解を尋ねてきた。

平成26年1月22日 会見速記録から抜粋(太字赤字は筆者の加筆)
http://www.nsr.go.jp/kaiken/data/20140122sokkiroku.pdf

○記者 フリーランスのマサノです。よろしくお願いします。
金曜日に行われる核セキュリティに関する検討会の個人の信頼性確認制度に関するワーキンググループについてなのですけれども、この本体の核セキュリティに関する検討会が昨年の3月と7月と2回しか開かれなくて、今回、ワーキンググループということで、下部組織を作って非公開で行われるのですが、これはなぜこの検討会本体で公開でやることにしなかったのかということについてお聞かせください。

○森本次長 規制庁の次長の森本です。
今回、第1回の会議ということでありますので、具体的な検討がなされるのだろうと思いますけれども、まだ第1回目ですから、論点整理から入るのだと思いますが、具体的に議事要旨の公開と、それから、資料の公開ということでやらせていただくというのは、議論の内容がPP(核物質防護)、もしくはセキュリティに関するものということで、そういった扱いにさせていただいているというものです。非公開というよりは、議事要旨と資料の公開ということでやらせていただきたいと考えているものです。

○記者 昨日、杉本室長に伺いまして、議事録自体も、発言者名入りで作成はすると。だから、開示請求をすれば、例えば、一部黒塗りがあったとしても公開はしていきますよということで、それは大変評価するのですけれども、そうであれば、会議自体も、最初は論点整理から入るのだろうということでしたので、ワーキンググループ自体を原則公開として、そして、何か差し障りがある情報を出すとき、議論するときに、傍聴者の方は出てくださいというふうにすればよろしいのではないでしょうか

○森本次長 規制庁次長の森本ですが、非常にテクニカルに、非常にロジスティックに今の御指摘はなかなか難しいなと思います。議論そのものはどういうふうになされるかというのは予測ができないものですが、しかしながら、議論される中身にセキュリティ上の問題があるものがあり得るということで、そういう形をとらせていただいているものなので、御理解をいただきたいと思います。

○記者 すみません、特定秘密保護法が成立しましたので、政府全体が閉じる方向に行くのではないかということを国民は大変心配していると思うんですね。これは個人がどういう人物かということをどういった形で審査するかという重要なことだと思うのですが、例えばプライバシー保護であるとか、あるいは公益情報を知ったときに、それを公にできるという意味での適正な人物かとか、そういったことがあると思いますので、公開をしない手はないと思っているのですが、それは意見です。

2問目なんですが、そうすると今回、特定秘密保護法に関しては公務員、例えば規制庁の方々が含めて適正評価を受けることになると思いますが、その審査のやり方と今回の核セキュリティということで民間の事業者の職員が受けることになる個人の信頼性確度評価ですね。これは同じような項目に基本的には、普通に考えればなるとは思うのですが、そういった考え方の整理はもう始めていらっしゃいますでしょうか。

○森本次長 規制庁次長の森本ですが、一言で言うと、まだ何も検討されていないという状態です。これから議論するということでございます。

○記者 分かりました。そうすると先日のワーキンググループ(「検討会」の言い間違え)7月に出ていた資料を見ますと、例えば行動観察ということで、上司へのインタビューなどというものが今回の民間事業者に対して課されてくるのですが、こういったものは米国、英国では行われているようですが、人権意識の高いヨーロッパのドイツ、フランスなどでは行われていないといったところがあると思うんです。

そうすると、日本人の意識はどの辺にあるのかということで、例えばパブリックコメントを行うとか、そういった意味でもう少し国民に対して開かれていくステップを踏むことが必要になってくるのではないかと思いますが、その辺の御検討はどうでしょうか。

○森本次長 規制庁次長の森本ですが、まだ正直言って何も決まっておらないので、今後、今、御指摘のような点も考慮に入れるのだと思いますけれども、まだこれから議論するということですので、御理解をいただきたいと思います。いずれにしても今回の会議がいわゆる議事要旨の公開ということについて、杉本室長が申し上げましたように、セキュリティ上の問題があるところを黒塗りして出すという形で考えているということでございますので、そういったところで公開性を維持しつつ、議論をしていただくということかなと思っています。

○記者 最後に1点、委員長の方に伺いたいのですが、先程言いましたように、こと原子力発電所については何か不正とか間違いがあった時に内部告発、公益通報が行われるということが大変重要だと思っているのですが、特定秘密保護法においては公益通報者に対する保護が書き込まれておりません。そこで原子力規制委員長として、原子力発電所を安全に保っていくということの観点から、特定秘密保護法の方の改正を要求するというようなお考えはありませんでしょうか。公益通報を保護するというものを書き込むというような形での改正を求めるおつもりはないでしょうか。

○田中委員長 結論からと言うと、特定秘密保護法について私の方から申し上げることは何もないのですけれども、いわゆるコンプライアンスみたいなことをおっしゃっているのかと思いますが、これは原子力事業の安全を確保する上では大事なことです。日本では、まだコンプライアンスというのは言葉としてはあるんだけれども、本当にきちんと機能しているかどうかということについては、それはいずれ私も企業の安全文化という観点から、そういう1つの大きなファクターになりますので、それを求めていきたいと思っています。

○記者 追加でもう一点だけ、最後です。そうすると特定秘密保護法によって、その特定秘密ということが原発に関して、もし指定された場合に、それを漏らすと10 年の懲役ということもあり得るのですが、そういった違法であるかないかというぎりぎりのグレーラインのことに関しては、なかなか知り得た人が公益通報をするということが考えにくいと思うのですが、もしされた場合に原子力規制委員長として、公益通報された側の方に立って、その人を守っていくというような御覚悟ということも示されれば、大変意義があることだと思うのですが、その点はいかがでしょうか。

○森本次長 規制庁次長の森本ですが、非常に詳細な御質問なので的確にお答えできるかどうか分かりませんが、まず、規制委員会が所掌するもので特定秘密保護法の対象になり得るのは、いわゆる核セキュリティとセーフガードに関する情報のうち、公的機関である国が作成したようなもの。あるいは外国から提供を受けたものといったものが対象になると基本的に考えています。

今、御質問の内容は、例えば事業者の対応の安全に関するもので、そういったものが公益通報があった場合にどうかという想定のような気がするのですけれども、そういうのは基本的に対象になり得ないと実は思っているものですから、今の御質問に適格にお答えできないなと考えております。また、特定秘密保護法の具体的な内容もこれから決まっていくので、そういうものを見て、規制委員会として考えていくこと。

ただ、繰り返しですけれども、安全に関するものと例えば事故の情報とか、そういったものはもちろん特定秘密に当たるとは考えておりませんので、そういったものは当然のことながら、そういった安全に関わるものは従来の申告制度を規制庁が持っておりますので、そういうので的確に保護をしながら対応をしていくことになるだろうと考えております。

===抜粋以上。

森本次長の最後の回答は、福島で起きたこと(スピーディの情報の抱え込みで無用の被曝があったこと)を踏まえていない深刻な問題をはらんでいるように思う。法律で何を秘密と規定するのか、情報公開法における「非開示」事由との差は何か、自主規制的に情報を抱え込んで公表しない誤りや裁量をどう防ぐのか、原子力の場合は、情報が命を守る命綱なのだから、もう少し徹底的な議論が、ここに来て必要になっているように思う。

・法律が規定する特定秘密

・情報公開法で言う非開示事由とされる情報

・裁量(法の運用の仕方)で誤って非公開になる情報

この3つは明確に区別をして扱い、三番目は回避しなければならない秘密であることをもっと多くの人々が意識できるようにならなければと思う。

2014年1月18日 (土)

302.情報保全諮問会議を公開すべき理由

昨日(2013年1月17日)初会合のあった情報保全諮問会議を報じた日経と産経が、座長の渡辺恒雄(読売新聞グループ本社代表取締役会長・主筆)の言葉を掲載している。
 
○「渡辺座長は「どの政権であろうと、不必要に拡大解釈して言論、報道の自由を抑制することはあってはならない」と語った」(日経新聞『情報保全諮問会議が初会合 特定秘密の基準を議論』 2014/1/17
 
○報道界の代表として「不必要に拡大解釈し、言論、報道の自由を抑制するようなことはあってはならない」ともクギを刺した読売・渡辺会長、(産経新聞『怪気炎 情報保全諮問会議 異例の87歳座長「言論抑制ダメ」訴え』2014.1.17
 
しかし、この渡辺座長のコメントは、「報道の自由」を抑制しているのは自分達自身となりえることに気づいていないことを示す。政府の諮問会議メンバーになった途端、自分達は権力の一部をなし、国民や報道機関に監視されるべき側に立っているという発想を持ち得ていないことを示す。
 
その発想の欠如が、会議は頭取りと挨拶だけが公開で、会議自体も非公開、議事全文や発言者名も非公開としたという結果となって現れたに過ぎない。
 
このことについては、「秘密保全法に反対する愛知の会」が会議事務局と重要なやり取りをしているのでリンクを張らせていただいた。
 
愛知の会は、会議の公開を原則とする閣議決定について尋ね、政府側は「「情報保全諮問会議」は内閣総理大臣決裁に基づくものであり、平成11年4月27日閣議決定の審議会等には当たらないと承知している」と答え、傍聴はできない理由にした。
 
しかし、これは屁理屈に過ぎない。
 
問題になった平成11年4月27日に閣議決定された「審議会等の整理合理化に関する基本的計画」をスクロールダウンしていくと、別紙4「懇談会等行政運営上の会合の開催に関する指針」が付されている。
 
これは、霞ヶ関文学で書かれているのでとても分かりにくいが、よく見ると二重にこうした屁理屈(抜け道)を防ぐことが想定されている。
 
第一に、別紙4を簡単に言えば、行政運営のために参考にするための単なるお喋りの場であっても、「審議会等の公開に係る措置に準ずる」ということだ。「懇談会」などの名前でごまかしてもダメよとなっている。今回政側が「秘密保全法に反対する愛知の会」に説明した「『情報保全諮問会議』は内閣総理大臣決裁に基づくもの」だからという屁理屈は許されないという意味だ。
 
第二に、別紙4が対象にしているものは「省令、訓令等を根拠としては開催しない」「恒常的な組織であるとの誤解を招く表現を用いない」会合であり、それ以外は「審議会等」に該当するのだという意味だ。
 
つまり、閣議決定でいう審議会等とは「国家行政組織法第8条並びに内閣府設置法第37条及び第54条の審議会等をいう」など法律や「省令、訓令等」に基づくものを意味し、それ以外のものは「別紙4」でいう懇談会にあたるという意味だ。つまり、「審議会等の公開に係る措置に準ずる」ことを免れる政府会合はない。
 
行政改革が最も盛んだった時期にできた閣議決定であり、よく練られていたのだ。
 
念押しで言うが、「情報保全諮問会議」は、秘密保全法18条で規定された機能を果たす恒常的な会議となる。これがこの閣議決定の対象とならないなら、なんの会議が対象となるのかという会議である。
 
============================
朝日新聞の特定秘密保全法全文 より(【 】内は修正条文)
 
第十八条 政府は、特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施に関し、統一的な運用を図るための基準を定めるものとする。
2 【内閣総理大臣は、】前項の基準を定め、又はこれを変更しようとするときは、我が国の安全保障に関する情報の保護、行政機関等の保有する情報の公開、公文書等の管理等に関し優れた識見を有する者の意見を【聴いた上で、その案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。】
【3 内閣総理大臣は、毎年、第一項の基準に基づく特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施の状況を前項に規定する者に報告し、その意見を聴かなければならない。】
============================
 
徹底した公開が求められるが、今回の情報保全諮問会議のメンバーを見ると、日弁連で秘密保全法制対策本部の事務局長だった清水勉弁護士と、昨年11月13日に開催された衆議院の国家安全保障に関する特別委員会で、政府案に賛同する立場で参考人を務めていた永野秀雄・法政大学人間環境学部教授以外は、積極的に秘密保全法に言論してきた専門家は見当たらない。この閣議決定の存在に気づいている人は皆無だったかもしれない。
 
自分たちが委員を務めることになった情報保全諮問会議の公開性については、清水勉弁護士が自身のブログで触れている。
 
 
ブログによれば「会議は非公開」という提案が事務局からあったこと、その代わりに「議事録は発言者名を記載して作成すること」をお願いしたとある。まずはこの事務局の提案が、閣議決定違反であるし、ここで一歩下がってお願いすべきことではなかったのだと思う。
 
清水弁護士以外、会議の公開性について、誰がどれだけ細心の注意を払ったかについては不明だ。まして冒頭で述べたように、渡辺座長は、「不必要に拡大解釈し、言論、報道の自由を抑制するようなことはあってはならない」と言い、自分を公開すべき対象から除外している問題性に気づいていない。
 
清水氏は「公開度が低すぎるようであれば、一委員として事務局に修正を求める」としているし、渡辺座長も自分で「なんせ87歳の老人ですから、ボケてきたらご指摘いただき軌道修正しないといけない。よろしく」と述べたそうだから、会議の公開については修正される余地があると考える。
 
秘密の基準を決めるにあたって、公開で議論ができない理由はどこにも見当たらない。第一回の会合資料を見ても、秘密にする中身は見当たらない。
 
非公開にしなければ誰かの身に危険が及ぶと感じることを発言しようと思うときだけ、傍聴者に退室を求めればいい。
 
NPO法人「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長はNHKのインタビューに答えて、「こういうものは秘密指定をしてはいけない。たとえば違法行為や不正行為など、そういうネガティブリストのようなものをハッキリさせるべきだ」、解除の仕組みについては、「長期にわたって秘密指定をしうる仕組みになっているのでどのような場合に長期的に秘密指定ができるのか、秘密の指定期間についても十分に検討してもらうことが重要」だと述べている。
 
こうした事柄を議論する上でも、どのようにしてそれが決定していったか、プロセスが公開されていることが重要だ。会議が公開されるかどうかが、無用な秘密指定や恣意的な秘密指定や権力の濫用を防ぐ第一歩となる。
 

2014年1月17日 (金)

301.水資源機構の埋蔵金の行方(1)

昨日、今年最初の行政文書開示決定通知が来た。財務省からだ。独立行政法人水資源機構の埋蔵金の処分に関する資料だ。 
 
この独法は、もとは高度成長期に全国7水系に限定してダム開発を行う役割で誕生した特殊法人だった。高度成長期の終焉と共にその役割を終えたにも関わらず、特殊法人を独立行政法人に看板を書き換えて延命した。 
 
もう新しいダム開発はやりませんという文言で延命した一方で、看板を掛け替える前から計画していた事業は、実質の「幽霊事業」となっても抱え続けてきた。
 
本来の目的を行ってなお廃止手続を踏まず、自治体から負担金を出させて、職員の給与をひねり出してきた。いわば自治体を金蔓とした錬金術だ。 
 
昨日、その一つである水資源機構の「丹生ダム」中止が決定的になった。水資源機構が手放そうとしなかった金蔓を自治体の側から切ったことを意味する。 
 
中には、自分が「金蔓」として利用されているに過ぎないことに気づかずに、足ヌケができない自治体もあるなかで、滋賀県、大阪府、京都府の判断は素晴らしい。検証の場に出された資料の結論部分(傍聴に行かれた方提供)によれば、治水については「ダム建設を含む案」は有利とはならない。異常渇水時には最も有利な案と示されたが、関係府県から「緊急性が低い」と退けられ、総合的な評価として「ダム建設を含む案」は有利ではないとの結論になったのだと言う。
 
Photo
さて、この水資源機構は、もう一つの錬金術を持っている。金蔓である自治体からの償還金についてくる「利ざや」である。水資源機構が借金をして先行投資をしてダムを作る。自治体がダムが完成してから償還を始めるが、そのときに利子をつけて返す。その利子が水資源機構が先行投資をしたときの利子よりも大きい。
 
差額の余剰金を水資源機構は、組織内で積み立てて使ってきた。その名も「経営基盤強化積立金」という。自治体が納税者から得た血税で生じた「利ざや」を、自治体や国庫に返すことをせず、自分たちでさまざまな用途で使ってきた。
 
昨年12月から、この使途や金額について水資源機構への情報提供を要求し、総務省行政評価局、財務省主計局らに対し、問題を指摘しながら取材をしてきたが、誰も動こうとしない。こういう時は、具体的な情報提供を促し、それでもダメなら法律に基づく説明責任を果たさせるべく、開示請求を繰り出すこととなる。
 
説明責任を果たさせようとする取材者と、情報を隠して組織を温存しようとする巨大組織の根比べだ。
 
複数の取材を同時並行で行っている中で、この件について、これ以上、一人でコツコツやっているのでは成果が出るまでに時間がかかり、へこたれそうなので、(そしてまたある程度の成果が出ないと雑誌に企画提案もできないので)、本日から、公開取材・執筆に切り替える。多様な取材の合間にポツリポツリとお伝えしたい。(その間に、原稿料を払ってくれる媒体募集!)
 
水資源機構に対しては昨年2013年12月9日に以下のように情報提供を依頼した。
 
====================================
経営基盤強化積立金の財源と支出の詳細な内訳についてお教えください。
 
 【財源】約1,312百万円の内訳
  利ざや金額の内訳(水資源機構による利率-各自治体による償還金)
 
 【支出】約1,312百万円
  支出日、支出目的、支出先、支出額(内訳)、業務担当者、成果など
====================================
 
水資源機構から回答が戻ってきたのは、彼らの仕事納めの前日12月26日だった。
(続く)

2014年1月 9日 (木)

300.第一回のおさらい編「こうゆう水面て どういう水面?」

ギリギリになってしまいましたが、
イケメン(♀♂党派不特定)政治家と共に学ぶ環境女子会のご案内です。

来週、2013年1月14日(火)19:00~
第一回のおさらい編「こうゆう水面て どういう水面?」
日本自然保護協会にて開催します。

詳しくはこちらへ↓
 http://kankyojoshi.jimdo.com/ 
(環境女子会ウェブサイトができました)

公有水面埋立法と環境影響評価法とはどんな法律か?
第一回勉強会で事例として取り上げたのは沖縄の辺野古埋立でした。
どんなことが勉強できたか、おさらいができそうかは、以下の通り。

・辺野古埋立計画が小さく産んで大きく育った計画であること
・現場は世界的にも貴重な珊瑚礁とジュゴンの生息地であること
・アセス法と公有水面埋立法の手続で沖縄県知事がどのような意見を付したか
・政策決定を行うための行政の手続では、情報の後出し、隠蔽、黒塗りができないようにする必要があること
・政治的な事情抜きで、科学的な判断に基づく行政手続が必要であること
・合意形成の場をもっと作っていく必要があること

今回、いろいろなニュースに押し流されそうになっている沖縄の問題を、
公有水面埋立という観点からも、楽しく学べる場にできたらと思います。

お時間のある方はぜひいらしてください。

以上、転載大歓迎です。

2014年1月 4日 (土)

299.愛知県を通り抜けながら愛知目標を思う年明け

あけましておめでとうございます。
 
昨年末ギリギリに山形県による漁業権免許の濫用事件が起き、新年早々、相方の実家から高速バスで向かったのが愛媛県です。肘を曲げたような形にグルっと大洲盆地を流れる肱川で、その上流に計画された3つ目のダム、山鳥坂(やまとさか)ダム建設に反対している漁協がここにあります。
 
1つ目の鹿野川ダム、2つ目の野村ダムができていったことで、これまでに「15種類ぐらいの魚種が消えてしまった」(楠崎隆教肱川漁協代表理事)川ですが、天然遡上のアユやウナギは増えているという全国的には珍しい川です。
 
かつて地元市議会の反対を元に、旧自民党政権、亀井静香政調会長(当時)の指揮によりいったんは中止とされながら、県レベルの巻き返しで復活した計画です。その後、この山鳥坂ダム工事事務所の所長だった人が大洲市長に就任しています。
 
山形県の最上小国川で起きた免許権の濫用事件について話をしてみると、楠崎氏はたった二言、「今回、多分、全国やけん」「ここはなんちゃないよ」という言葉で、肱川漁協については、山形県で起きたようなことは何もなかったことを言い表しました。
 
つまり、10年ごとの漁業権の免許の切り替えは、多分昨年末、全国的に一斉に行われたであろうこと、肱川ではダム計画とは無関係に漁業権が免許されたことを意味していました。山形県がやはり異常でした。
 
ダムのない、上流から下流まで川底まで透き通った川は、日本にはもう何本もありません。かつて生息していた多くの生物種を失いながら生命力の強い生物がなんとか生き残っている川も同様です。
 
日本も参加した生物多様性条約締約国会議で、生物多様性の損失を止めるために策定された目標に、「愛知目標」があります。2050年までに「自然と共生する世界」を実現しようというものです。
 
戦略目標Aの1番目は、「遅くとも2020年までに、生物多様性の価値及びそれを保全し持続可能に利用するために取り得る行動を、人々が認識する」ことです。
 
戦時中の日本を「取り戻す!」時代錯誤な感覚をもった首相を抱えた厄介な1年が始まりましたが、日本はどこまで「賢明さを取り戻す!」ことができるでしょうか。絶滅危惧種となった平和憲法を2016年まで守り抜くことをも目標にしたいと思います。
 
今、ちょうど愛知県を通過中です。

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