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2013年10月31日 (木)

246.八ッ場ダム千葉訴訟控訴審判決

身体が二つ以上ないことが苦しい日々が続いている。

昨日(2013年10月30日)は、八ッ場ダム千葉訴訟控訴審の
東京高裁判決の判決日だった。

判決文とそれに対する原告による抗議文が以下に掲載されている。
判決文  http://www.yamba.sakura.ne.jp/shiryo/chiba_k/chiba_k_hanketsu.pdf
判決要旨http://www.yamba.sakura.ne.jp/shiryo/chiba_k/chiba_k_hanketsu_yoshi.pdf

八ッ場ダム千葉訴訟高裁判決への抗議声明
http://www.yamba.sakura.ne.jp/shiryo/chiba_k/chiba_k_hanketsu_seimei.pdf

原告や証人達からの声が関係MLに載せられているので
それぞれ許可を得て転載させていただく。

八ッ場ダムをストップさせる千葉の会の入江晶子さん

101号大法廷の傍聴席もほぼ満席とすることができました。
県担当職員の傍聴者数を控えるよう申し入れをしたためか、
昨日はぐっと少ない人数でしたが、3名ほど国交省職員とみられる顔もありました。

午後4時定刻に加藤新太郎裁判長が主文を読み上げ、あっけなく閉廷。
原告団は速やかに裁判所を後にし、入口前で「不当判決」の旗出しとともに
最高裁で闘っていく意思表明をしました。

その後、弁護士会館に移り、及川弁護士が判決要旨を速読し、
西島弁護士とともに東京判決よりひどい「超」不当判決であると
分かりやすく解説してくださいました。

一方、弁護団は記者会見に向けて、別会場で判決文の評価・分析作業に入りました。
高橋弁護団長、大川副弁護団長、大木事務局長はじめ、群馬、東京、茨城から
全体弁護団の先生方が駆けつけてくださいました。

午後5時30分からの記者会見では、高橋弁護団長、千葉の中丸団長、広瀬弁護士
山口弁護士、村越原告代表が対応しました。
千葉からは東京新聞、朝日新聞の記者の参加がありました。

  
原告団のコメントや質疑応答で印象に残った言葉から、
順不同で一部ご紹介します。

◎弁護団より
・3月29日東京判決の判断枠組みをベースにした「極悪判決」
・事実認定が杜撰
・事実認定に造詣が深いといわれている加藤裁判長だっただけに完全に裏切られた。 怒りに震えている。
・治水面での根拠については非科学的な疑問に一切答えず、
 日本学術会議が国交省にお墨付きを与えたことをもって裁判所の結論としている。
 事実認定を正確にし、評価する司法の役割を果たしていない。
・事実認定をしないで権威による結論を尊重したのは、致命的欠陥
・東京判決をフルコピーし、「国の納付通知に地方は従わなければならない」
 とした上命下達の枠組みを示した。
・治水面での不当性を詳細に分析した学者に対し、「専門外」と言い放ち、
 中身を評価しないのは卑怯だ。

◎原告代表より
・地裁から高裁までの間、手弁当で弁護活動を続けてくれた弁護団に心から感謝する。これこそ住民訴訟の神髄だ。一方、県は職員給与削減も行うほどの財政難にもかかわらず、八ッ場ダムによる具体的なメリットを示していない。引き続き高裁で闘う。

証人を務めた嶋津暉之さん

ひどい判決でした、内容だけでなく、手抜きをした判決文でした。

内容は3月29日の東京訴訟の高裁判決の判断をほとんどそのまま踏襲しています。

判決文は東京訴訟87ページに対して、今回は55ページです。判断を示すテーマがかなり限られており、時間をかけずに判決文を書いたのではないかと思います。

加藤新太郎裁判長は著書が多く、法曹界では名が知られた裁判官で、ざっくばらんな性格なので、それなりの判断を示すではないかと思ったのですが、全くの期待外れでした。

判決文を実際に書いたのは進行協議の時の様子から見て、右陪席の柴田秀裁判官であると思われます。柴田氏は弁護士任官の裁判官で、東京高裁の前は宇都宮地裁にいました。

宇都宮市を被告とした湯西川ダム裁判を担当しました。その時の訴訟指揮はよく、市職員の証言の時は裁判長自らが市職員を問い詰めていました。しかし、判決はひどく、何のとりえもない原告全面敗訴の判決でした。

残念ながら、裁判官というものは行政の補完的存在でしかないようです。

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●関係報道

八ッ場を止めたい住民訴訟・高裁判決を前に <上>提訴から9年訴え続け
(東京新聞千葉版 2013年10月29日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/20131029/CK2013102902000150.html
八ッ場を止めたい住民訴訟・高裁判決を前に <下>県予測「伸びる」だが…
(東京新聞千葉版 2013年10月30日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/20131030/CK2013103002000151.html

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コメント

まさの様
いつも玉稿を有難うございます。
それにしても、電力の国会議員の買収は、国会をはじめ全ての権力を買収しているも同然(原発ホワイとアウト)ですね。垂れ流しも決まっていることで、平気な理由が判りました。                  藤田恵

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