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2013年9月

2013年9月22日 (日)

232.リニアとアセス

リニアの技術と経済効果を信じた浮かれた報道ばかりが目に付くが、
実は、今、環境アセス法に基づく、国民参加のための手続きを実施中だ。
 
JR東海のウェブサイトには
事業パンフレットのようなアセス準備書概要が公表されている。
 
関係都県での説明会もやっている。
 
準備書は都県別になっており、
どのような範囲でどのような環境影響が出そうかということを案として示している。
 
このどのような範囲でどのような環境影響が出そうかと
事業者(JR東海)が考えていることに、どのような穴があるか、
 
つまり、その地域に詳しい住民や各分野の専門家から見て
どのような見過ごしてはいけない重要な点が抜けているかを見つけ出し、
事業者に対して指摘する手続きだ。
 
この案が書かれたものを「準備書」とういう。
この法律が誕生した理念からいえば、事業者にとって最悪の場合、
事業の変更や中止があっても、本来はおかしくはない、そんな手続きだ。
 
世界各国が導入したこの制度は、
行政手続法が組み込まれた形で、
そうやって投じた意見や情報が適法に扱われなければ
裁判に打って、差し止めて、見直していくことが可能だ。
 
ところが日本では、全国新幹線鉄道整備法に基づいて
先に事業者や路線を決めてしまって、後戻り不可能な段階で
この手続きを行うことになってしまったので、
(いわば、アセス法が下位にある法律として扱われてしまう)
 
一生懸命にこのアセス法に基づく準備書(住民参加手続き)に
時間を費やしても、参加しがいがないので、盛り上がらない。
 
今回のように手続きの最中にリニアは報道されるが、
アセス法に基づく国民参加のこの手続きについては報道もされない。
 
また、この準備書が分厚くて読みにくい。
 
残念ながら、そのような制度である以上、実際にその制度を使ってみて
その使い勝手の悪さについて声をあげていくしかない。
 
変化は地道な努力によってしか訪れない。
 
本日、私も移動しながら、準備書を読みます。

2013年9月18日 (水)

231.狙いは吉田茂が約束した日本の再軍備か

首相が世界に噓をついたのに未だに首相で居続けている。
日本の「ヘンな国」ぶりは怒りを通り越して気味が悪い。
 
その「ヘンな国」ぶりの根っこをドンドンたぐっていったら、
敗戦から7年間、広島・長崎の被曝者はその被害を語ってはいけない
言論統制を受けていたという話に遭遇した。
 
棍棒で頭を殴られたようなショックを受けて、
小中学校以来、改めて日本の近代史を勉強しなおした。
 
最近になって明らかにされてきた歴史があったことが分かった。
 
すると、突然、
安倍晋三首相およびその周辺がやろうとしていることが何なのか、
見えてきた。(以下、敬称略で書きます。)
 
今の日本は、つまり、第二次世界対戦に負けたあとの
吉田茂(麻生太郎の祖父)のハンドリング(国家運営)のマズサが
ずっと後を引いている状態であること。
 
現在の安倍は、その吉田が当時、やり残したことを
今になってやろうとしているのではないか、ということです。
 
吉田は、多額の戦後補償を避けるために、機を狙い、
要は勝戦国からの独立を先延ばしにして米国に占領を続けさせ、
最終的に、後手後手となり、米国側の事情によって、
日本は非武装化から一転、再軍備を求められた。
 
吉田は、それでもひたすら戦後処理を安上がりに済ませるために、
中国、現台湾、現南北朝鮮、現ロシアを無視して
サンフランシスコ講和条約を結びます。
(逆におそらくそれが故に現在に続く火種=不満が残った)
 
同時に、日本国民にはまったく内密に、米国に再軍備を約束して、
サンフランシスコ講和条約と同日に、日米安保条約を結ぶ。
 
いづれは再軍備しますよ、その代わり、
寛大な講和(安上がりな戦後処理)をお願いしますよと、
その代わり、引き続き米軍駐留を続けていいですよと
条件付きの独立を行った。
 
今頃になって、安倍・麻生一族は、
この約束を実現しようとしているのではないか。
 
そして再軍備のために必要な周辺制度として、
一連の法案がセットされていると考えるべきではないか。
 パブコメにかかった秘密保全法案
 増税に向けて低所得者の所得を把握するという屁理屈で
 先にできてしまった国民背番号制 (マイナンバー法)、
 いまから通そうとしている防災・減災等に資する国土強靱化基本法案
 さらには、自民党憲法改正案
 
すべては、再軍備化への一歩
そのための内閣法制局長の交代。
 
これらの進捗状況を報告するための会合が、
2013年10月3日に東京で開かれる2+2だと考えれば、
とても分かりやすい。
 
今は、2013年でありながら、実際には1951年に逆戻っている。
 
安倍の目的は単に「憲法改正」ではなくて、やろうとしているのは
――本人がどこまで自覚して「集団的自衛権の行使」という表現で
何を可能にさせようとしているのかは不明で、これこそが最も恐ろしいことだが――、
日本の再軍備(=当時の米軍が考えた米軍負担の軽減)であり、
そのために必要なのが、
憲法改正か、憲法解釈の改正なのではないか。
 
安倍にとって、それはおそらくどちらでもいい。
吉田茂が国民に内緒で米国に約束した日本の再軍備への一歩につながれば
どちらでもいいと考えている、そういうことではないか。
  
そうすることによる帰結(責任)は誰が取らされるか、
誰の命が危険にさらされるかは、おそらく考えていない。
もしくは気にしていない。少なくとも傷つくのは自分ではない。
  
日本の再軍備は、1948年に米国が対日政策を切り替えたころに
米国が日本に求め始めた、米国にとって都合のよい事情であり、
はや、65年。本来ならとっくに無効であるべきところ。
  
しかし、日本が吉田の約束を果たすのであれば、
米国から見れば、ある意味、一丁あがり。失うものはない。
  
日米安保条約が、
サンフランシスコの米軍第6軍司令部の下士官クラブで調印されて以来、
(=吉田(日本の全権代表)が米軍の下士官として扱われたことを象徴)
行われてきてたこと、つまり、外交・防衛を理由に、
国民には内緒で何かを約束するのが、今回の2+2かもしれない。
  
米国の世界戦略から言えば、これによって、日本が再軍備するなら、
沖縄を含めて、米軍を日本から撤退させてもよいことになる。
(考えて見れば、それを睨んでの2005年米軍再編だったのか・・・。)
しかし、そこまでのことも、安倍は考えていないのではないか。
あるいは今となっては米軍は居座り続けようとするのか。
  
こんな経緯を安倍はどう思っているのか、
吉田の孫であるKY(漢字を読めない)で歴史認識も危ない麻生太郎はどう思っているのか、
誰がどこまで何を考えて、今、この国を運営しているのか。
 
民主党はどこまで分かっていて、政権を取り、失敗したのか。
何に失敗をしたのか、分かっているのか。
 
本当の意味での、暗黒時代が到来している。
 
【参考 リンク】
・政府が次の国会で通そうとしている防災・減災等に資する国土強靱化基本法案の
 前身である自民党単独の国土強靱化基本法案は
 戦中の国家総動員法を彷彿とさせるものだったが、現法案もその名残が残っている。
 
安倍の私的諮問機関と言われる国家安全保障会議の創設に関する有識者会議」で、
 法改正ありきで、議事録も公開することなく、議論が行われている。
  
・孫崎享『戦後史の正体 1945-2012』(創元社)
・【吉田 茂 日本国憲法】麻生太郎の祖父「日本独立」 その光と影1~6 動画
 

2013年9月 6日 (金)

230.シリアを機に考える日本の秘密保全法案

前のコマで紹介した東京電力福島第一原発の航空写真解説図を見れば
タンクから汚水が地下水に漏れていることは小学生でも気づくのではないか。
東電は今日になって、そのことをあえて発表したらしい・・・。

明日の東電会見も長くなりそうだ。

東京都は東電の株主なのだから、
本来はオリンピックどころではないはずではないか。

@@@@閑話休題

2003年、米国がブッシュ大統領(当時)の指揮のもと
大量破壊兵器を理由にイラクを攻撃し、
2011年にオバマ大統領によって完全撤退をさせるまでに
何が行われてきたかは、日本ではあまり知られてない。

最も衝撃的な事件の一つは
イラクにおける米軍ヘリによる「民間人殺害」事件だった。
 
ここに画像がありますが、
 ショッキングな映像が含まれているので、もしあなたが18歳以下なら
 保護者の方に見てもらってから、一緒に見てください)

2007年7月12日、
取材中だった英国ロイターの記者二人を含む現地民間人が
米軍ヘリから狙撃されて11名が死亡した。
撃たれた人を助けに入った人やその車に乗っていた子どもも負傷した。

ガーディアン紙によれば、
これを2009年にWikiLeaks に提供したのが米兵ブラッドリー・マニング氏だった。

情報漏洩などの罪で今年の夏、禁錮35年の有罪判決が出た。

日本ではエドワード・スノーデン氏ほどにはニュースになっていない。
また数少ない報道でも、どのような情報漏洩があったのかは
報道されていないように思う。
(例:ウィキリークスへ情報漏えい 米兵マニング被告に禁錮35年
 

米国では内部告発者(英雄)として、支援する運動が起きている。
http://www.bradleymanning.org/ 

■一方、このイラク戦争に関して、平和憲法を持つ日本では、
これも、あまり多くの人は気づかないままで今日を迎えているが、
2008年4月17日、名古屋高裁が、航空自衛隊のイラクでの活動は
武力行使を禁じた憲法9条1項に違反すると判決して、これが確定している。

原告の主たる訴えが退けられ、形式的には国が勝訴したために
国は上告ができずに判決は確定したのだが、実は、この高裁判決には、
イラクでの自衛隊の活動についての違憲判断が含まれていた。

国に勝たせて、違憲判決を確定させたこの判決は
原告や弁護士たちに高く評価されている。
詳しくは以下のウェブサイトがオススメだ。
http://kawaguchihajime.com/library_iraku.html
http://www.haheisashidome.jp/seimei/ikenHanketsu.htm

■化学兵器は使ってはならない。
 しかし、米国は、それを他国を攻撃する理由にすべきではない。

■安倍首相は、平和憲法を持つ、希少な先進国の首相として、
 米国バラク・オバマ大統領の暴走を止めるために
 米国が攻撃を断念したと言うまでシリアにとどまり、
 国際社会の一員として、事実確認と対話を進めるべきだ。

■その日本で今、
国の暴走を止める手立てを失い兼ねない法案の提出準備が進んでいる
公明党が待ったをかけており、そのことは高く評価する。

これは、簡単に言ってしまえば、秘密の保護というよさげな印象を与えるかもしれないが、
公務員が国民のためを思って内部告発をすることをも抑制するための法案だ。

上記の米国の例で言えば、マニング氏が有罪判決を受けることで
このような米軍による悪事が世の中に知られることがなくなる。

国内外の人々の知る権利を狭めることになり兼ねない法律案だ。

公明党がどこまで気骨を見せるかどうか
法案提出の手続きが止まるかどうかは不透明だ。

9月17日までの期間でパブリックコメント
内閣官房内閣情報調査室が行っている。

「特定秘密の保護に関する法律案の概要」に対する意見募集について

日本には国家公務員法第百条に、すでに次のような条文がある。

 (秘密を守る義務) 第百条  職員は、職務上知ることのできた秘密を
 漏らしてはならない。その職を退いた後といえども同様とする。

これで十分ではないか?

 

2013年9月 4日 (水)

229.船頭の多い船で東電の汚水処理はどうなるか

2013年9月3日、第32回原子力災害対策本部会議が開催された。
いくつもの議題が並ぶ。実態は「報告・連絡会」だ。

東京電力(株)福島第一原子力発電所における汚染水問題に関する基本方針(案)
(平成25年9月3日原子力災害対策本部)
が示され、
廃炉・汚染水対策関係閣僚等会議を設置すると書いてあるが、
ようは公開ブリーフィングか。

■経産省には「汚染水処理対策委員会」が設置され(2013年4月26日~)、
■東電には「汚染水・タンク対策本部」ができ、(2013年8月26 日~)
■原子力規制委員会には「特定原子力施設監視・評価検討会」の中に
汚染水対策検討ワーキンググループ」(2013年8月2日~)ができた。

事故から2年が過ぎての会議の乱立は何を意味するのか。

何が起きていて、何が起ころうとしているのか、
以下の図で西の山側(下側)から東の海(上側)にかけて言うと

F1写真はクリックで拡大できます。
出典 第32回原子力災害対策本部会議 配布 
参考資料1 

まず山側に汚水タンクエリアがあり、
①~⑥の汚水漏れが明らかになっている。

その海側で⑦トリチウム濃度が上昇しており、
山川の井戸から地下水を汲み上げている(黄色)。

福島第一原発1号機から4号機には地下水が流れ込み
緑色にマークしてあるところでさらに汲み上げている。

しかし、汲み上げ切れていない汚染水が、
海へ流出していることがわかり

今、計画されているのが、
海側に遮水壁(赤いライン)を作り、
陸側には凍土方式による遮水壁 (水色ライン)を作るという計画だ。

うまくいくのかどうかなど誰もわからない。

汚水をどうするかの分かれ道は2011年6月にあったということが
東電会見の複数の記者による質問で明らかになってきている。

凍土壁ではない、そのころ始めていればすでに2年後、つまり
現在には完成しているはずの対策があった。ところが、
建設費を理由としてその決断が行われなかったのではないか
という質問が、先日から何度かくり返されている。

真相はまだ東電の口からは語られていない。

「船頭多くして船山に登る」というが、
東電の汚水は山に止めることができるのか。

後で読んでおきたいと思う資料にリンクをしておく。
■東京電力株式会社福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の処理設備及び貯蔵施設の設置に係る報告書への評価と指示について(原子力安全・保安院 原子力安全広報課 平成23年6月9日(木))
http://www.meti.go.jp/press/2011/06/20110609006/20110609006.html
■東京電力株式会社福島第一原子力発電所における高濃度放射性排水の高温焼却炉建屋への再移送について(原子力安全・保安院 原子力安全広報課2011年6月17日(金)))
http://www.meti.go.jp/press/2011/06/20110617008/20110617008.html
■迷走の始まりとなった「原子力発電所事故収束に向けた道筋」2011年12月
http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/release.html

2013年9月 3日 (火)

228.体質改善前に増税をしてはならない理由

ムダだムダだと言われ続けている「スーパー堤防」を
実際に見たことがない」という人にはお勧めの1日がある。

9月8日(日)2時から、河川工学の専門家の話を聞いた後、
実際のスーパー堤防や予定地がどんなものかを徒歩で見に行ける絶好の機会である。

Photo_2Photo_3

0001dw クリックで拡大できます

以下は、私自身が以前に2度ほど訪れて、
今年4月に某所でお話をしたときにまとめたPPT資料からの抜粋だ。

現場を見たときには実感できなかったが、
どんなところかと後でグーグルマップで見てみると、
「線」であるはずの堤防が、「点」でしかないことがクッキリと分かった。

Photo_4左下ができたところ、右上が予定地。

しかも、現在、強制的に人を追い出してまで作ろうとしている以下の場所
河川敷の幅が最も広い、最もスーパー堤防を不要としている「点」である。

Photo

こうした事業を自民党は「国土強靱化」、公明党は「防災」と呼ぶ。
そして、2014年度の国土交通省概算要求は前年度比17%増となり、
増税を見込んでいる。

誰のための増税か、
スーパー堤防にどれほど価値があるものかないものかを実感するには
まずは、現場に足を運んでみることをお勧めしたい。

2013年9月 1日 (日)

227.東電、増税、シリア

●東電福島第一原発
2013年9月1日、今日になって
H5エリアでも高濃度汚染漏れがタンクの配管から見つかったと発表があった。
H4エリア8月19日高濃度汚染水漏れ発覚の2週間後の発表。

日常パトロールも緊急点検もズサンだったか、
漏れを隠していたかのどちらかしかありえない。

8月30日会見ではTBSが空撮で
「他にも漏れている」様子があったと指摘していたから
「バレたのなら発表するか」というタイミングに見える。

●増税意味なし
概算要求や閣僚たちのコメントを見て
今回の増税には意味がないことがハッキリした。

社会保障費が足りないから増税で補うという考え方は視野狭窄過ぎる。
歳出に対して歳入が足りない中での財政再建のための増税だというなら、
歳出を切り詰めての増税でなければまったく意味はない。

焼け石に水どころか、
一方で水をかけて(増税)、一方で石を焼いている(歳出増加)。
歳出のムダは目に余り、その体質(霞ヶ関メタボ体質)改善前の増税は意味がない。

増税はなんのためにどのようにやるのかという共通認識すらない増税は意味がない。

●シリア状勢
平和憲法を持つ国家の首相として、
安倍首相はシリアを直ちに訪問して、世界にメッセージを発するべきだ。

 “他国の内戦に対して、米国が攻撃をしかける正当性は認められない。
 誰を守ることにもならない。正義もない。

 存在しなかった大量破壊兵器を根拠にイラクを攻撃した米国の
 化学兵器に関する発表を信じることができる根拠を日本は持ち合わせない。
 したがって、政治と対話による解決を日本国として主張する。”

米国が攻撃を断念したと言うまでシリアにとどまり、
国際社会の一員として、事実確認と対話を始めるべきだ。

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