207.憲法改正議論の前に問うべきこと
憲法改正議論の前にすべき総括がある。
行政は憲法のもとにある「法律」を適法に運用してきたかどうかだ。
例えば地方財政法 第四条
「地方公共団体の経費は、
その目的を達成するための必要且つ最少の限度をこえて、
これを支出してはならない。」
これが守られていれば、
建設したのに一滴も水を使わないダムができるわけがない。
ところが全国にたくさんある。
4月13日に、一滴も水を使わなかったダム建設に荷担した「前科」のある
北海道で、「川を住民の手に」という集会に参加した。
表向きの「目的」は利水や治水などであるが、
本当の「目的」は単に「地域振興」という名の土建業である。
そんなダムがあと二つ、計画されている。
はなから目的が表向きと実態と違っているのに支出をする計画だ。
自治体自身が、規制権者として財政当局の内部統制を効かせずに
土建担当部局や水道担当部局の暴走を許し、
財務省もまた統制者として機能せず、自治体の暴走を許し
補助金を出して「自治体の意志を尊重」を理由に法違反を助ける。
行政の裁量の名で、実は法を遵守せずにきた。
その法違反をもう一度犯そうとしているのが国交省であり
財務省であり、北海道であり、関係基礎自治体だ。
その典型例であるサンルダム、平取ダム
そしてすでにできた当別ダムについて徹底検証した本ができた。
地方財政法 第四条を念頭において読んで欲しい本だ。
北海道自然保護協会[編]
四六判上製/328頁/2500円
行政による法違反は、地方財政法に限った話ではない。
行政による違法行為を行政の裁量と偽って済ます
行政のあり方、およびその先にある司法のあり方をも総括することが、
憲法議論よりも先にある。
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