« 2013年4月 | トップページ | 2013年7月 »

2013年6月

2013年6月30日 (日)

213.小さな生息地ほど守るのが難しい

6月29日、最高裁まで行って敗訴した
落合川のホトケドジョウの「生きる権利」訴訟の記念集会に行ってきた。
 
帰り道に、藤田城治弁護士が
その落合川を見に行くというのでご一緒させてもらった。
 
問題となった川は「小川」だと聞いていたので驚かなかったが、
その美しさには驚いた。
 
湧水から流れいずる川だけあって水が透明で、
カモの親子があちこちでスイスイ泳いでいる。
 
Photo
 
昭和30年代以降、この周辺にバカスカと家を建ててしまったため
それらの家が浸水して、河川改修が必要だということになり、
川を新しく掘って直線化し、その残土で
もともとの小川が埋め立てられてしまった。
 
治水を頭にいれずに宅地化を進めておいて
そのツケを払わせられることになったのが
そこに元々住んでいた生物だ。
 
ホトケドジョウは今では絶滅危惧種になっている。
ホトケドジョウにだって生きる権利はある。
 
そうやって始まった裁判だった。
 
治水のために新しく川は作るのはよいとしても
もともとの川を埋立なくてもいいのではないか?
 
これに対し、事業者である東京都は
ホトケドジョウを強制移住(←藤田弁護士の表現)させるから大丈夫
という考えで進めてきた。
 
裁判をやっているうちにこの区間の事業は進み、
裁判官は和解による解決を提案した。
 
そこで原告は、ホトケドジョウの生息地を回復するために、
都が作ると事業開始前から説明していたビオトープの設置を作るよう提案した。
 
これに対し都は
「工事内容は『川の交流会』で市民との協議により進める必要があり
 原告からの提案のみで決定することには問題がある」と言い、
原告は、都の意見に耳を傾けて歩み寄った。
 
流域である東久留米市内の主だった環境保護団体と提案内容を共有して
ビオトープ創出の実行への賛同意見を集めたのだ。
 
ところが、裁判所での和解協議の日が近づいたところで、裁判長が交代した。
 
すると、都は、態度を急変させて、裁判所に対しては
和解ではなく、結審(裁判を終えること)・判決を求めた。
 
原告に対しては、『川の交流会』は裁判の途中だから開催しないと回答した。
 
『川の交流会』で市民との協議により進める必要があると言いながら
『川の交流会』は裁判中だから開催しないと言う。
 
裏切られた、と原告は憤った。
 
はしょって結論を言うと、和解は決裂して、
最高裁まで行ったが住民は敗訴した。
 
東京高裁は2011年2月16日に、以下のような
根拠のない判決を出している。
 
「本件工事の前後におけるホトケドジョウその他の魚類の
 個体数の増減は明らかでないが
 仮に個体数の減少がみられるとしても
 絶滅に至るなど魚類の生育に致命的打撃を与えたものではない」
 
最高裁は2012年2月2日、9ヵ月もたって
「適法な上告理由にあたらない」と原告の上告を棄却した。
根拠のない判決を支持したのだ。
 
「小さな自然ほど守ることが難しいですね・・・」
 
藤田弁護士とそんな話をしながら、東久留米駅へと
落合川沿いを歩いて帰った。
 
原告が守ろうとした場所は
ホトケドジョウが暮らしたほんの小さな川の一部だ。
日本の環境影響評価法や条例が適用されるかどうかは
川の規模で決まる。
 
こうして、小さな生息地は調査されることなく破壊され
人間は、多様で脆弱な自然に暮らす生物たちの生きる権利を奪ってきた。
 
東京都が事前説明に使ったパンフレットにあったビオトープは、
現在に至るまで作られていない。
 
(上記は、藤田城治弁護士のシンポジウムレジメ、
「ホトケドジョウ訴訟が突きつけたもの~ホトケドジョウの生きる裁判」を参考にしました。)
 
私がこの日、前座としてお話したレジメはこちら(PDF)です。

2013年6月28日 (金)

シンポジウム「環境市民運動と行政訴訟」

八ッ場ダムのような大きな事業でなくても
身近にある小さな水辺が
国のお金で破壊されるケースはあとを絶ちません。
 
身近な湧水地を埋め立てる工事に反対して裁判を起こし、
敗訴した人々が、明日、シンポジウムを開催します。
 
======================
第18回湧水シンポジュウム
環境市民運動と行政訴訟」~「落合川のホトケドジョウの
自然権(生きる権利)訴訟最高裁判決を受けての記念集会
 
東京都随一の湧水量・東久留米市落合川の河川改修のために
湧水地を埋め立てる工事に反対し、裁判に持ち込んだ
「ホトケドジョウの生きる権利訴訟」が昨年2月に最高裁で結審(敗訴)。
その1周年を期して各種環境市民運動による訴訟を検証するシンポジュウム。
 
日時:2013年6月29日(土)13:15~16:15
会場:東久留米市市民プラザ(シティーホール)
  ~西武池袋線東久留米駅西口からマロニエ富士見通り
   徒歩西に6分市役所1F~
主催:東久留米湧水・清流保全条例研究会
 
内容
1 総論 「日本における最近の環境市民運動と行政訴訟」    
    まさの あつこ氏(ジャーナリスト)
2 各論 
 ■「ホトケドジョウの自然権<生きる権利>訴訟」の意義
    担当弁護士   藤田 城治氏
 ■「絶滅危惧種ホトケドジョウの世界的価値」 
    出廷証人  宮崎 淳一氏(山梨大 准教授)
 ■「国立景観訴訟」~裁判に負けて判例で勝った「景観権」 
    上原 公子氏 (元国立市長)
 ■「八ッ場ダム建設反対訴訟」 
    深澤 洋子氏 (八ッ場ダムをストップさせる東京の会代表)
 ■「浜岡原発反対訴訟」~大地震で東京がメルトダウンの可能性 
    担当弁護士 只野 靖氏
3 パネルディスカッション 
「環境市民運動は行政訴訟にどう対応すべきか」
  コーディネーター まさの あつこ
  パネリスト 藤田城治、宮崎淳一、上原ひろ子、只野靖、深澤洋子
4 終了後 懇親会 会費500円 
(連絡先) 渡部 卓 tel 080-5420-3414
======================
 
お時間があれば是非。
 
主催者から「日本における最近の環境市民運動と行政訴訟」
を総論せよと無茶ぶりをされたときには、頭を抱えましたが、
人々は何に悩んで面倒な行政訴訟へと突き進むのかと考えると、
こうではないかという視点が整理できました。
 
こんな流れでお話をします。
1.行政の内部統制を求める市民運動
2.規制権限の不行使を補完する市民運動
3.政治判断を促す市民運動
4.住民投票条例の制定運動
5.自然の権利訴訟など行政訴訟に挑む市民運動
 

2013年6月27日 (木)

212.党利党略と政策論議を区別できないマスコミ

電気事業法改正案を廃案にしたのは野党だという報道を見かける。
「国対政治」に戻したのは野党だというマスコミの論調まである。
 
>野党は何を考えたのか、電気事業法改正案を先に成立させればいいものを
>この次に安倍首相の問責決議を行った。
 
これで誤解されると不本意なので、言葉を足しておきたい。
 
民主党は衆議院でこの法案に賛成している。
この改正案は民主党政権下で作ったも同然だからだ。
 
電気事業法改正案が成立していれば
民主党はそれを手柄にできる種類のものだ。
これは与野党対立法案ですらなかった。
 
 ただし、共産党は、改革が生ぬるいという意味で衆議院でアッサリと反対している。
 もっと改革せよ、というのは共産党の役割である。
 
 「なんでも反対」の党という批判を浴びせる人々がいるが、
 報道する者にとって注目すべきは「反対」というスタンスではなく
 法案にどんな落ち度があるかという中身だ。
 次に何がなされるべきかの重要なヒントがそこにはある。
 
しかし、マスコミは政策を報道しない。
党利党略と政策論議を区別する能力がないようだ。
 
参議院で、審議拒否や閣僚の出席拒否を行い、
法案審議を不可能にさせたのは「与党」だ。
 
通常、「審議拒否」を行うのは「野党」の手法であり、
今回、「審議拒否」を参議院で行ったのは自民党/公明党だ。
 
自分で法案を出しておいて、
対決法案でもないのに「審議拒否」をする愚行を行った。
 
挙げ句に閣僚までが「出席拒否」をして、国会を空転させた。
 
安倍首相に至っては、「ネジレに終止符を打つ責任がある」と
国会閉会後に会見で独り芝居を打った。
 
ネジレ解消の責任(選挙運動)どころか、
憲法には国会への出席義務が書かれている。
 
平気でそれを犯してネジレさせた首相が、
目の前で会見(選挙運動)を行っているのに
そのことを尋ねたマスコミがひとりもいない。↓
 
もはや怒っても仕方が無いので、
一歩下がって、
党利党略と政策論議を区別できないのが
今現在のマスコミの実力であることを、
有権者を含む国民が知ることがまずは一歩か。
 
 

2013年6月26日 (水)

211.なんで電力自由化に向けた法案が廃案になったのか

国会が劣化している。
 
十分に審議時間があったはずの電事法改正案が廃案になったと知り、
何が起きているのかと国会審議を国会TVで後追いして、驚いた。
 
風が吹けば桶屋が儲かる話ぐらいの回りくどい話だ。
 
1.裁判所に違憲とされた選挙区割りを是正するゼロ増5減法案について
 
衆議院で可決された後にこの法案が回ってきた参議院では
野党から呼びかけた「政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会」
での審議を、与党が拒否し続けた(*1)
 
この「参議院政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会」は
5月27日に別の法案を審議したのを最後に(*2)
政策論議を止め、いわゆる「国対政治」モードに入っていた。
 
2.轟木利治・政倫特委員長解任動議について
 
6月19日、自民党/公明党が、
轟木利治・政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員長(民主党)の
解任動議を提出した。(*3)
 
こうした解任動議は、審議したくない法案がある場合に
審議したくない少数派側(参議院の場合自民党と公明党)が出して
審議入りを邪魔する「国対政治」の初歩的なテクニックだ。
 
参議院での自民党/公明党の審議拒否により
ゼロ増5減法案は審議がされないまま60日が経った。
 
衆議院は憲法に基づき、ゼロ増5減法案を参議院が否決したと見なし、
6月24日、衆議院本会議で再可決して成立させた。
 
3.平田健二参議院議長の不信任案について
 
ところが、今日6月26日、参議院本会議では
委員会での法案審議を拒否し続けた自民党・公明党の側から、
本会議を司る平田健二参議院議長の不信任案が提出された。(*4)
 
理由は「ゼロ増5減法案が審議できたかもしれなのに」
6月21日に「休憩」ではなく本会議を「散会」した、
休憩にしておけば「再開」できたのにと、理解不能な理由である。
 
4.閣僚の参議院予算委員会への出席拒否
 
並行して、参議院予算委員会でも異変が起きていた。
ここでは、自民党/公明党の参議院議員が審議拒否をしただけではなかった。
6月24日、ついに全閣僚までが出席を拒否した。
 
これは憲法第63条違反であり、そのことによって第99条違反である。
石井一参議院議員が予算委員長(民主党)職権で委員会を開き、
その旨を説明した。(*5)
 
6月25日、自民党/公明党はまたも予算委員会審議を拒否。
全閣僚はまたも憲法第63条と99条違反(*6)を犯して、国会への出席を拒否した。
 
5.法案のほころびを隠すセレモニーについて
 
こんな中で迎えた通常国会の閉会の日、本会議で
平田健二参議院議長の不信任案に民主党とともに反対討論を行った
水野賢一議員(みんなの党)は「本会議を「休憩」ではなく「散会」したのは
 議院運営委員会の採決結果に従っただけの話」だが
「なぜ、それが議長の不信任案につながるのか意味不明」と述べた。(*7)
 
自民党/公明党は少数なので、この不信任案は否決された。
そんなことは分かっていたはずであり、要は単なるセレモニーだった。
 
実は、ゼロ増5減法案にはほころびがあった。
一票の格差是正に使った人口統計は古く、憲法違反は解消されていないのだ。
 
参議院には野党から対案が出されており、
委員会で慎重審議をすれば、そのほころびがあぶり出されて
衆議院で可決した法案が無傷では通らない可能性があった。
 
審議拒否は、それを避けるための、時間切れ戦略だった。 
 
それをカムフラージュして、
時間切れによる衆議院の再可決の責任を民主党にかぶせるためだけの
演出が、平田健二参議院議長の不信任案だった。
 
問題はこれに留まらなかった。
 
6.電力自由化を進める電気事業法改正案の廃案について
 
これに続いて、あろうことか、
野党は何を考えたのか、電気事業法改正案を先に成立させればいいものを
この次に安倍首相の問責決議を行った。
 
予算委員会への出席拒否もその理由の一つである。
問責決議は可決した。
 
しかし、問責決議に拘束力はなく毒にも薬にもならないセレモニーだ。
毒は他に回ってしまった。
 
これによって参議院は散会し、
電気事業法改正案が廃案になってしまった。
 
電気事業の電力企業による独占は、少なからず、
東京電力福島第一原子力発電所事故の遠因だ。
 
今回の電気事業法改正案は前政権時代に用意されたものであり、
今よりは少しマシになる程度のものだと言われているが、
電力改革の第一歩となるものだった。
 
しかし、これを安倍首相の問責決議のために廃案にしてしまった。
これも意味不明である。なぜ、そんな審議順を認めてしまったのか。
 
これによって私たちが得るものは何かと言えば、
私たち自身、国民の無気力感と政治不信であり、
それこそが、現体制の願いに他ならない。
 
これに対し、国民をバカにするな、という意思表示は、
残念ながら選挙でしかできない。
 
7.だから、皆さん、参議院選挙にいこう。
 
風が吹いて、目を痛めて、盲目となった人が三味線弾きになり、
三味線の皮に使うためにネコが狩られて、ネズミが増え、
屋根裏に穴があいて、雨漏りがし、雨を受けるための
桶を人々が買いに走って、桶屋が儲かった。
 
古い人口統計でごまかして違憲状態を続ける国会から
憲法を犯して国会への出席を拒否した閣僚まで、
すべては私たちの「一票」がストレートに積み上がって構成されたものであり
桶屋の話よりは分かりやすいはずだ。
 
だから、投票に行こう。
 
(*1)このページ↓の2013年6月26日 本会議をクリックし
 小林正夫参議院議員の討論を見てください
(*2)このページ↓から左下「会議名からの検索」にある
「政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会」をクリックしてください
(*3)上記(2)の動作に続いて以下をクリックしてください。
 2013年6月19日 政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会
(*4)このページ↓の2013年6月26日 本会議をクリックし
 岸宏一参議院議員の討論を見てください
(*5)このページ↓から左下「会議名からの検索」にある
「予算委員会」→6月24日をクリックしてください。
(*6)
日本国憲法第63条  内閣総理大臣その他の国務大臣は、両議院の一に議席を有すると有しないとにかかはらず、何時でも議案について発言するため議院に出席することができる。又、答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない。
日本国憲法第99条  天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。
(*7)このページ↓の2013年6月26日 本会議をクリックし
 岸宏一参議院議員の討論を見てください。
 
 
 

2013年6月23日 (日)

210.アベノミス:ヤラセ質問に怒るプーチン大統領

何の気なしに、世にも恐ろしい会見を見てしまった。
2013年4月に行われた安倍首相とプーチン大統領の共同会見だ。
 
日本の記者が北方領土問題について質問をする。
 帰属問題があるのにロシアは北方領土でインフラ整備を進めている。
 日本には受け入れがたいが、安倍首相はどう思うか、
 ロシアはそれを今後も続けるのか、領土交渉への影響をどう考えるのかと、
 ロシア政府に対して批判的な質問だ。
質問は紙に書かれており、記者はそれを読み上げる。
 
ブチギレ呆れる 日露共同会見 #nhk」というページでまとまっている。
 
しかし、映像を見るとプーチン大統領は記者ごときにキレているのではない。
ヤラセ質問にメモを見ながら答えている安倍首相を皮肉っている。
 
こんな流れだ。
 
安倍首相は、記者が質問を読み上げる間、
その難解でデリケートな質問にメモも取らずに、
自分の手元メモをルンルンと指先をはじかせながら読んでいる。(0:20~)
 
質問の通訳が行われている間、プーチン大統領は通訳を見ながら、
その視野の中に、涼しい顔をしてメモを読んでいる安倍首相を入れ、
記者を見比べ(0:55~)、何が起きているのかを考え、
怒りを静める深呼吸をする。(1:00)
 
そんなプーチン大統領の観察力に安倍首相は気づかず、
涼しい顔でメモを眺め続けている姿を
大統領の真横でさらしている。
 
ただし、プーチン大統領が自分への質問の通訳をメモり始めたとき、
安倍首相は、ハタとメモを取っていなかったことの不自然さに気づいたのか
ロシア語の通訳を聞いているタイミングでペンを持ったようだ。(2:10~)
 
果たして安倍首相の回答は、
記者と同様、手元のメモに目を落としながら行われた。
その横で、プーチン大統領は安倍首相をチラ見する。(2:40~)
 
安倍首相の回答が終わって、その通訳が始まると
プーチン大統領は再び誠実にメモを取り、
その通訳が終わると、確信に満ちた皮肉たっぷりな表情で
足をユラユラ楽しそうに揺らしながら、こう言い始める。(4:06~)
 
「私が注目したのは今、記者が紙から質問を読み上げたことです」
 
安倍首相は、ようやくプーチン大統領の観察眼に気づいたのか、目が泳ぎ、
ごまかしの微笑みをたたえながら、メモから顔を上げてフリーズする。(4:26~)
(ちなみに安倍首相の手元ペーパーは4:48に写っている)
 
プーチン大統領から安倍首相への皮肉の一撃は痛烈だった。
 
「その質問は他の人からもらったと思いますが、
 その人に次のことを伝えていただきたいと思います」
 
もちろん、「その人」とは横にいる安倍首相である。
 
「この問題(北方領土問題)は過去のものであって
 我々が作ったものではありません。(略)
 真にこの問題を解決したいと思います。」
 
安倍首相は、記者のヤラセ質問がバレたことを確信し、
意味のないタイミングで笑みを浮かべて平静を装おうとする。(4:55~)
 
そしてついにプーチン大統領の皮肉には、
侮蔑の表情と共に脅しも加わる。
 
「もしこのプロセスを妨げたいならばそれも可能です。
 そのためには激しく直接に質問し、
 同じように激しくて直接の回答を得ることができます。
 それ以外の方法はないと思います」
 
プーチン大統領は大きなため息をついて(6:03~)、
安倍首相の目を泳がせる(6:15~7:00)。
 
「しかし、私たちは解決策の模索のために集まったわけです。
 アリガト」
 
怒りを皮肉に昇華して回答を終えるプーチン大統領。
 
というわけで、これは
外務省か官邸かが安倍首相と記者に仕込んだヤラセ質問を
元KGBエイジェントのプーチン大統領に見破られて、
安倍首相が青くなった図ではないか。
 
外務省関係者は、この画像を見て、問題の深刻さを確認してはどうか。
 
ペンを走らせメモを取っているプーチン大統領と
あらかじめ置かれたメモと、閉じられたメモの前の安倍首相。
 
これを編集した人の機知に感嘆し、
二国の外交力について考えさせられた。
日本の記者クラブ文化は
日本の外交力をも貶めるリスクを抱えていたのだ。
 

2013年6月21日 (金)

209.諦めたら終わりなわけで

2013年6月23日(日)と7月6日(土)に北海道と東京で
サンルダムをテーマに集会などがあります。

20130623event6_2


■    ヤマメ、サクラマスたちの川を守ろう!   ■
■     北海道・サンルダムをとめるために    

北海道・サンル川は、サクラマスの子どもであるヤマメが多くすみ、
絶滅危惧種のカワシンジュガイが生息するなど、北海道でも貴重な
自然の残る川です。

この川が、今、サンルダム建設によって破壊されようとしています。
サンルダムがつくられる理由はどのようなものか?また、サンルダム
をとめて川を守るために私たちに何ができるのか? を、北海道の自
然保護運動にかかわってこられた小野有五さんにうかがいます。

お話 小野有五さん (「サクラマス守り隊」代表、北海道大学名誉教授)

日時 2013年7月6日(土) 午後5時30分~7時30分

場所 YMCAアジア青少年センター 302会議室
    (JR水道橋駅より徒歩5分)
    http://ymcajapan.org/ayc/hotel/jp/access-access.html

主催 水源開発問題全国連絡会
    HP http://suigenren.jp/damlist/dammap/sanrudam/

参加費 500円
予約不要
お問合せ先 070-6642-9014(西島)

2013年6月14日 (金)

208.「未来の子どもに残すのは借金じゃないんじゃないですかね」

東日本大震災後の後遺症とも言える予算付けが今、日本列島を覆っている。
 
昨年、自民党が法案として提出した国土強靱化基本法案は、憲法改正草案と色濃くリンクし、「自民党の願望むき出しの平成の国家総動員法」とも言うべき構想だった。国が決めたハコモノを推進する上で、国民や自治体は、単に協力をすればいいだけの存在として下に置かれていた。以下の通りだ。
 
国土強靱化基本法案 「第五条 事業者及び国民は、国土の強靱化の重要性に関する理解と関心を深め、国及び地方公共団体が実施する国土の強靱化に関する施策に協力するよう努めなければならない。」
 
これが万が一、成立していれば、公共事業を進める上で、国民は国が言う通りに賛成・協力しなければならない。立ち退けと言われれば、立ち退かなければならない国になるところだった。
 
昨年末、安倍政権が誕生した途端に、「国土強靱化担当大臣」が誕生した。そういう国作りをする意思がいよいよ明確になった。
 
そして今年、その法案の頭に「防災・減災に資する」という枕言葉がついて新たに自民党/公明党提案の「防災・減災に資する国土強靱化基本法案」が提出された。
 
上記の条文は、以下のように変わった。
 
防災・減災に資する国土強靱化基本法案「第二十七条 国は、広報活動等を通じて国土強靱化に関する国民の理解を深めるよう努めなければならない。」
 
しかし、実のところ、何も変わっていない。
 
法案を通すということは、この件に関しては、行政裁量を合法化するということに過ぎず、この考えに基づく予算付けは、すでに2013年度補正予算から始まり、個々の事業に法外な予算がついて行政裁量によって始まっているからだ。
 
以下は、昨日、議員会館で開催された「参議院選直前 緊急集会 『国土強靱化が日本を壊す』」で、「 NPO 法人 森は海の恋人」の副理事長 畠山信さんによる「巨大防潮堤計画は被災地住民を幸福にするか」 という講演の中で紹介されたスライドだ。
 
電光掲示板が建設予定の防潮堤の高さを示し、赤い点線がそのコンクリート防潮堤の予定断面図を示す。
 
Photo_4
 
海と人との関係は、近代に至るまで、その地域の人が自然発生的に決めてきた。しかし、東日本大震災後に津波に襲われた海岸は、国の意思により、決定的にそれを変えようとしている。数メートルから十数メートルの巨大な防潮堤で覆われようとしている。人と海、海とまちの関係を根本から変えてしまう事業である。
 
この計画がある仙沼市大谷地区では、住民3500人のうち1324人が、住民意見が反映される新たな計画作りを署名によって要請している。
 
国民は単に国が決めた事業に協力するだけの存在なのか、意思決定の重要な主体として地域づくりができる存在なのか、大きな岐路に立っている。
 
国土強靱化基本法案は10年で200兆円、1年で20兆円、「強靱化」の名で使いまくる構想だった。今回の「防災・減災」を枕言葉にした新たな法案は、それが出る前から、東日本大震災後の後遺症とも言える予算付けと予算執行によって具現化が始められている。
 
アベノミクスとは結局のところ、税金をばらまいて産業界を活気づけ、再び税金として吸い上げて、増税をしさらに税金をばらまくという構想だが、そのお金が国庫を通過するたびに、ハコモノ建設のための国債発行で借金が増えるだけではない。
 
それと反比例して、金では回収できない自然資源と、自然資源と人間との関係を減じていくことになる。昨夜、改めて、そう思った。
 
「未来の子どもに残すのは借金じゃないんじゃないですかね」
 
畠山信さんはそういって講演を締めくくったが、何を残すべきかというメッセージは、その問いのあとの沈黙から充分に伝わってきた。
 

2013年6月 6日 (木)

207.憲法改正議論の前に問うべきこと

憲法改正議論の前にすべき総括がある。
行政は憲法のもとにある「法律」を適法に運用してきたかどうかだ。
 
例えば地方財政法 第四条 
 
「地方公共団体の経費は、
 その目的を達成するための必要且つ最少の限度をこえて、
 これを支出してはならない。」
 
これが守られていれば、
建設したのに一滴も水を使わないダムができるわけがない。
ところが全国にたくさんある。  
 
4月13日に、一滴も水を使わなかったダム建設に荷担した「前科」のある
北海道で、「川を住民の手に」という集会に参加した。
 
表向きの「目的」は利水や治水などであるが、
本当の「目的」は単に「地域振興」という名の土建業である。
そんなダムがあと二つ、計画されている。
 
はなから目的が表向きと実態と違っているのに支出をする計画だ。
 
自治体自身が、規制権者として財政当局の内部統制を効かせずに
土建担当部局や水道担当部局の暴走を許し、
財務省もまた統制者として機能せず、自治体の暴走を許し
補助金を出して「自治体の意志を尊重」を理由に法違反を助ける。
 
行政の裁量の名で、実は法を遵守せずにきた。
その法違反をもう一度犯そうとしているのが国交省であり
財務省であり、北海道であり、関係基礎自治体だ。
 
その典型例であるサンルダム、平取ダム
そしてすでにできた当別ダムについて徹底検証した本ができた。
 
地方財政法 第四条を念頭において読んで欲しい本だ。
 
北海道自然保護協会[編]
四六判上製/328頁/2500円
 
行政による法違反は、地方財政法に限った話ではない。
行政による違法行為を行政の裁量と偽って済ます
行政のあり方、およびその先にある司法のあり方をも総括することが、
憲法議論よりも先にある。

2013年6月 5日 (水)

生きてますよ

なんと言いますが、
不器用なもので、片手間ではできない仕事を
かかり切りでやっている間、
中途半端なところでブログ更新を止めていました。
すみません。
 
ツイッターのダイレクトメールで
「身体を壊していませんか」と尋ねてくださったり、
「控えて控えて我慢していたんだけど生きていますか?」
と思い余ってお電話をくださったり、
いつになく、頻繁に「元気にしよる?」と電話をくださる方がいたり
いや、単に不器用なので、一つのことに集中していただけです。
 
普段は多事同時進行人間ですが
今回だけは、そうできない仕事だったのでどうもすみません。
この間、取材でさまざまな方にお世話になりました。
まずはお礼状を書いたり借りた資料の返送をすませます。
 
それから、半年ぐらい放置していた頼まれごとや
棚上げにしていた仕事や
引き受けたお話する機会の準備や
すでにお話をしたので共有すべき内容や
発信のタイミングを逸してしまった日本の重大時について
Better late than never.の精神でフォローしていきたいと思います。

« 2013年4月 | トップページ | 2013年7月 »

2015年6月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
無料ブログはココログ