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2013年3月 9日 (土)

188.旧計画の呪縛を解く(17)点から面への流域治水

利根川・江戸川有識者会議第10回(2013年3月8日)。

最大の山場は、
関良基・拓殖大学准教授(写真)が太田昭宏国土交通大臣宛ての
流域治水に関する意見書で、縦割りの打破を訴える
具体的な提言を行ったことから訪れた。

ダムに頼る「点の治水」ではなく、
流域で展開する「面の治水」という観点からの提言だ。

「実行する上で、
道路局や農水省や林野庁などが管轄する分野と競合する
「縦割り行政」の弊害がある」として、あえて大臣に対し、
治水行政の幅を河道の外側へと積極的に広げるべきだと訴えた。

今朝入手させてもらったその提言から要点をまとめると以下の通り。

1)住宅に雨水浸透枡の設置
 流域の住宅の屋根に降った雨を集めて
 雨水浸透桝を設置し、地下に浸透させていけば、
 内水氾濫の抑制にも、洪水時のピーク流量の低減にも寄与する。

(*内水氾濫とは、川の氾濫ではなく、 
 水はけが悪いせいで、都市部の平野が氾濫すること)

(2)ウッドチップ舗装 
 コンクリート舗装の比率を減少させれば、
 内水氾濫対策にも、ヒートアイランド現象対策にもなる。

(3)「田んぼダム」の整備
 降雨時に雨を一時的に水田に貯留し、
 河川への流出を抑制する。
 新潟県では11市村、計9,539haの面積で取り組まれている。

(4)森林保水力の向上
 近年の台風災害を見ても、死者の多くは、
 河川の氾濫によって発生しているのではなく、
 土石流等の土砂災害によって生じている。
 人命を守るという観点からは、土砂災害対策こそが喫緊の課題である。
 間伐材を崩壊の危険性がある斜面に打設すれば斜面を安定化させ、
 表層崩壊の防止に寄与する。

「以上の施策を流域全体で実施していけば、
 八ッ場ダムの何倍もの治水効果を生むことは間違いない」と関委員。

データ(下記意見書をクリック)に基づいた提言に慌てたのだとしか思えない。

強硬に17000トンにこだわる委員たちが
「っけ、素人が」と言わんばかりの
侮蔑的な表現をちりばめて反論を展開し始めたが、
動揺は隠せず、その言論に矛盾が生じ始めた。

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2013年3月8日
関良基・拓殖大学准教授から太田昭宏国土交通大臣への提言
流域治水に関する意見書
―流域全体で雨水の浸透・貯留機能を高め水害を緩和する

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