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2013年3月23日 (土)

199.旧計画の呪縛を解く(27)矛盾⑧山に降る雨

2013年3月8日の第10回の利根川・江戸川有識者会議模様、
続きです。

関良基委員点から面への流域治水の提言を行ったことに対して、

虫明功臣委員が
「都市河川なら利くが、利根川で『浸透』が利くようなところはほとんどない。
 『田んぼダム』も福島県でもやった。
 新潟県も知っているが、大洪水に効くようなものではない」と
反論したと書いた。

(関委員が持参した効いたデータには見向きもしなかった)

この反論に関良基委員がさらなる反論を行い、
その反論に今度は小池委員が反論した★が、
それは学術会議の回答にはそぐわなかった。

関委員曰く、
「虫明先生が田んぼダムの貯留機能が
 大雨のときには効かないと言ったんですけれども、
 これは全くそんなことはありません。ダム以上に効きます。
 
 関東地整に求めたいですけど、利根川流域全体の水田でこれをやったとして、
 新潟方式をやったときにどれだけピーク流量をカットできるか計算してください。
 八ッ場ダムを確実に上回ります。」

小池委員曰く
「2つの理由で効きません。
 八斗島の流量に支配する山地面積と水田面積の規模をお考えください。
 どれだけの割合であるかがおわかりになると思います。
 
 山地で降った雨が洪水を決めているんです、ほとんど★。
 ですから効きません。」

関委員曰く
「確実に効きます。八ッ場ダムは面積300haです。
 利根川全流域の水田面積はどのぐらいですか。
 八ッ場ダムを確実に上回ります。間違いありません。

 それはもちろん利根川全流域に占める面積としては
 微々たるものというのはそのとおりですけれども、八ッ場ダムは点です
 水田は少なくとも20万ha、30万haという規模でありますので、
 これは確実に水田は上回ります。」

売り言葉に買い言葉で、言葉が飛び交っているうちに、
メモを取っていて、「ん?」とわからなくなった。

小池委員は「山地で降った雨が洪水を決めているんです」と
断言したわりに、前のコマで書いたように、

八ッ場ダムの集水域である吾妻流域の山地の飽和雨量
3~4倍から無限大まで経年変化したのに、
パラメータ値の経年変化としては現れなかった」と回答(P.18)した。

普通なら「ではダムが要らなくなりました」という結論になりそうなものがならない。

関東農政局の「利根川の水田」ページを見ると、
 
「利根川は国土の約5%という全国一の流域面積を有しています。
  その流域には、全国の2割にあたる約2,500万人の人々が生活していますが、
 加えて全国の1割にあたる約28万haの水田も存在しています。」とあった。

河川整備計画は流域全体の治水の話であるにもかかわらず、
国交省からは、ダムの必要性を根拠づける目標流量の情報だけが提供され、
八ッ場ダムが不要となる議論には河川ムラ学者から理不尽に反論が及ぶ。

流域全体のことを住民参加で決めようというのが、
1997年改正河川法の趣旨だったのだが・・・。

住民を傍聴席においたまま、
有識者会議で、ごく少数の委員が良心と良識、常識に基づいて
巨大な河川ムラを相手に闘っていた。

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