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2013年3月20日 (水)

191.旧計画の呪縛を解く(19)会議打ち切り

「ああやってちゃんと議論する委員がいれば
 問題点は明らかになるんですね」
 
2013年3月18日、利根川・江戸川河川整備計画(原案)への意見を聴く
利根川・江戸川有識者会議(座長 宮村忠関東大学名誉教授)が打ち切られた。
 
傍聴を終え、議論が打ち切りになったことにしきりに憤慨しながらも
傍聴者の一人はそう感想をもらした。
 
利根川水系全体の河川整備計画の策定をするために開催されたはずの
利根川・江戸川有識者会議は、4年4ヵ月の空白期間を経て
 
昨年9月から連続3回(第5、6、7回)、
政権交代で再び中断して4回(第8、9、10、11回)開催された。
 
第1回から第4回までは
40分以上、国交省が一方的に資料の「ご説明」を行い、
おざなりな質疑が「残り」の時間で行われただけだった。
 
第5回から第7回までは、4年前までの4回の会議とは異なっていた。
 
1)治水安全度は50年に1度の規模の洪水から
  70年~80年に1度に引き上げられた。
 
2)目標流量 (八斗島)は約1.5万m3/秒から
  1.7万m3/秒に引き上げられた。
 
3)有識者に意見を聴く対象が、
  支流を含めた利根川水系全体から、八斗島という1基準点
  70年~80年に1度の目標流量1.7万トン/秒に絞られた。
 
4)現在の治水のあり方に批判的な委員が二人が新たに加わった。
 
5)日本学術会議で基本高水の検証を行ったときの分科会の委員長が
  委員として新たに加わった。
 
6)目標流量の論拠を質す中で、国交省にとって不都合な資料を
  4)の委員達が出させた。
 
目標流量の論拠は過去の実際の流量ではなく、
過大であると批判され続けている机上の計算であり、
しかも実績との乖離はまったく説明ができないことが明かになった。
 
しかし、「計算」に使われた定数(パラメータ)問題は積み残され、
2013年1月29日に、
問題のある定数ではじかれたに過ぎない目標流量の論拠はそのままで
利根川・江戸川河川整備計画(原案)が示された。
 
第8回から第11回までは
積み残された目標流量の議論に加え、
計画原案全体に対する意見が出はじめた。
 
環境影響、湿地再生措置、スーパー堤防などの事業メニュー、ダム事業・・・
それらを実施する事業費まで、あらゆる課題が掘り起こされ始めた。
 
しかし、計画原案が包含するすべての問題点がつまびらかにされたわけではない。
 
最大の問題は、共有された多くの問題でさえ、
まったく論点整理されずに終わったことだ。
 
河川行政の歴史を変える使命を負った日本学術会議
その役割を放棄して、問題の核心を探究しないまま、問題を積み残した。
 
利根川・江戸川有識者会議では、問題の核心に少し近づいたが、
国土交通省は傷が広がらないうちに、会議を終わらせたようにも見える。
 
3月18日(第11回)、「じゃぁ」という宮村忠座長の合図で、
泊宏関東地方整備局河川部長が突然、締めの言葉を投じた。
 
「河川整備計画原案に対する意見は出揃ったように思います。
 追加のご意見があるようでしたら、書面にていただきたい」
 
まったく締まらない締めの言葉だった。
 
前回の会議(3月8日)で明かになった問題を含めて、
旧計画の呪縛の正体を書いておく。
 
それが計画案にどう反映させれていくのかを見定めるために。

(出張で更新が滞るマイペースなブログでたいへん申し訳ない。)


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