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2013年3月23日 (土)

197.旧計画の呪縛を解く(25)矛盾⑥雨の定数KとP

(続きです)

同じ主張なのに結論だけ矛盾する会話は
と川の水量を結びつける係数であるKとPを巡ってさらに続く。

小池委員
 
「中小洪水で決めたK、Pと、大洪水で決めたK、Pは異なります。
カスリーン台風の大洪水の正確な流量がわかっておりませんので、
できるだけ大きな雨のKとPを定めて、
それを援用するのが工学的なやり方になります。」

に対して立ち上がって、猛然ととりついたのは関良基委員だった。
次のような要旨だ。

「今、小池先生は、カスリーン台風の最大計算流量が
 21,100 m3/sというふうに計算されているわけですけれども、
 そんな流量は出ないということを半ば認められたのと同じです。

 小さい規模の洪水で定めたKとPと、
 大きい洪水で定めたKとPの値は違うということを、
 今、小池先生は認められた。

  
 そこが問題であると私たちずっと言っているんです。

  
 
 つまり、(中小洪水である)10,000m3/sぐらい出るものから決めたKとPを
 (大洪水である計画流量の計算に)使っちゃいけないということを、
 今、小池先生は認められたんです。

 (しかし使ってしまう)だから、過大な値が出てきてしまう。
 日本学術会議では、その点が曖昧にされたまま、
 中規模洪水に当てはまったモデルが、
 大規模洪水に当てはまるかどうかはわからないという書き方で、
 それに対する結論を出さなかったんです。
 
 本来検証すべきことを検証されなかったと私は考えていますので、
 これは検証し直しをしなければいけないと思います。

 その際に、河川工学者だけで検証してはだめです。

 内輪の人間だけだとお互いにかばい合ってしまうので、
 それが今、世間から批判されていることで、
 それを根拠に何千億円という税金を使われるわけですから、
 納税者が納得できない。 

 
 
 河川工学者だけでこれをやると、なれ合いの検証になってしまいます。
 ですから、物理学者、あるいは確率統計の専門家を入れてください。
  
 

 降雨波形の生起確率は求められないと、
 小池先生はこの前おっしゃいました。
 

 降雨波形の生起確率を求める手段は、
 現在の水文学では確立されていません。

 でも、学術会議の回答書に何と書いてあるかというと、
 降雨波形の生起確率を求めて計算するのが総合確率法だと書いてある。
 言っていることと書いてあることが違う。

 『報告書を見てください。書いてあることを見ればわかります』と
 言っているんですけれども、見ても全くわかりません。

 書いてあることは、国民をだますような文言が並んでいるんです。」

(長くなったので続く)

 

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