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2013年3月20日 (水)

194.旧計画の呪縛を解く(22)矛盾③虫明委員の自己矛盾

点から面への流域治水 と行きつ戻りつで恐縮だが、
関良基委員が唯一「高く評価する」と述べた箇所は
そのP.77にある以下の点だった。
 
「6.1 流域全体を視野に入れた総合的な河川管理
 都市化に伴う洪水流量の増大、河川水質の悪化、湧水の枯渇等による河川水量の減少、流出土砂量の変化等に対し、河川のみならず、源流から河口までの流域全体及び海域を視野に入れた総合的な河川管理が必要である
 なお、雨水を一時貯留したり、地下に浸透させたりという水田の機能の保全や主に森林土壌の働きにより雨水を地中に浸透させ、ゆっくり流出させるという森林や水源林の機能の保全については、関係機関と連携しつつ、推進を図る努力を継続する。」
 
「ただし」と関委員は間をおいて、
「『推進を図る努力を継続する』とあるのは
 霞が関では『当面何もしませんと同義ではないか』」と笑いを取り、
「ちょっと具体策を入れておけば、30年間で行われるのではないか」と
分かりやすい説明を挟みながら、4つの提案を行った。
 
(1)住宅に雨水浸透枡の設置
(2)ウッドチップ舗装 
(3)「田んぼダム」の整備
(4)森林保水力の向上
 
たとえば、(3)については
新潟県が2002年に取り組み始めた田んぼダムのデータを引用し、
ピーク時の流出量を大幅にカットすることができると述べた。
 
調整板をつけて田んぼに15センチぐらい余分に溜まるようにすると
大きな洪水で50%~80%のピークカットにつながるというのだ。
 
これを利根川でやれば八ッ場ダムの何個分もの治水効果があるのではないか。 
この提案には傍聴から拍手が上がった。
 
これに即座に反対したのが虫明功臣・東京大学名誉教授だった。
 
ダムと河道整備と遊水地は三点セットで必要だ」として
虫明委員は利根川でのハコモノありきの立場を強調した。
 
「関委員が今上げた方策は利くところなら利く。
 都市河川なら利くが、利根川で『浸透』が利くようなところは
 ほとんどありません。
 『田んぼダム』も福島県でもやった。
 新潟県も知っている」としてその効果を否定した。
 
虫明委員は不思議なほどに慌てふためき、声を震わせ、
ヤジにまで反応しながら、関委員の発言を全否定することにエネルギーを
傾けているとしか思えない口調だった。
 
しかし、関委員の発言が、あくまで利根川河川整備計画原案の一部を
高く評価しての具体策の提案だったことは、
まったく見えなくなってしまったかのようだった。
 
利根川河川整備計画原案にある「総合的な河川管理」を
激しい口調で全面否定したことに近いが、最後にひとこと、
私は利根川河川整備計画原案に賛成だ」と
ヤジにかき消されそうになりながら述べた。
 
自己矛盾にまったく気づいていないかのようだった。
 
実に不思議な、何が言いたいか分からない発言だった。
 
しいて言えば、これは計画に対する意見ではない。
関委員の提案に対する打ち消し意見だった。
 
 
 

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