161.パブコメと撒き餌
世の中がおかしいと思っている政策マインドを持つ人、または業界ロビイストは、
そして今年は、このタイミングにあえて「ぶつけている」と思わざるをえない
「パブコメ」と「不正発覚」の発表が次々とある。
(後者はスキャンダル好きのマスコミへの撒き餌だなぁと思う。)
パブコメについては、例えば以下の通り。
■八ッ場ダムに関しては2月1日、その上位計画である
「利根川水系利根川・江戸川河川整備計画(原案)」(つまり一部区間)が
なぜ今か?と思う時期でわざわざ有識者会議を打ち切って突如公表された。
(しかしパブコメページをクリックしてもいっこうに原案にはたどり着かず、
検索をかけて、やっとここに→原案(PDF)がある。)
これについては 「八ツ場ダムをストップさせる埼玉の会」
が刻々と情報を上げているので必見。
■原子力規制委員会では1月30日に
原子力災害対策指針(改定原案)に対するパブコメが始まり、
http://www.nsr.go.jp/public_comment/bosyu130130.html
■まもなく原発事故を起こさないことを目的とすべき原子炉設置のための基準
(=必須要件の法令とすべきところ、たいした縛りにもなりそうにない「基準」)も
http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/shin_anzenkijyun/20130131.html
パブコメにかかる予定だ。
これらについては「避難の権利」ブログがぴったりとマークしているから必見。
そして撒き餌の部類は、
■2月1日、日本原電に元原子力安全委員会職員/原子力規制庁審議官が、
敦賀原発破砕帯調査に関するドラフトを事前に渡していた会見。
規制する側がその自覚なく、未だに「規制の虜」状態であることが
臨時記者会見動画(←2月1日18:00~)で分かるので、撒き餌だと思っても必見だ。
一週間かけて調査、公表したというわりに、何も調査する気がなかったことが
記者達と森本原子力規制庁次長とのやりとりで分かる。
懲戒処分にできる根拠から目をそらし
「文科省に出向」という小馬鹿にした処分で人の怒りを巧みに煽っている。
とにかくわざわざ一週間ずらした。
■笹子トンネル 過去の点検計画を取りやめ (NHK2月1日 18時37分)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130201/k10015231701000.html(←消えると思うが)
中日本高速道路は笹子トンネルで計画していた天井板撤去を
取りやめていたという発表。
『笹子トンネル天井崩落事故──生かされなかった教訓』(月刊世界2月号)で
米国での天井板崩落死亡事故を知っていたのに生かさなかったことを書いたが
撤去計画まであった。 しかも、
昨年12月2日に起きた死亡事故であるにもかかわらず、2ヶ月もずらして
わざわざニュースの立て込む2月1日を選んで発表(高度な情報隠蔽)した。
その意図または非意図に吐き気がする。
(ちなみに、この日、2月1日に私がでかけていったのは東京都知事の定例会見だった。)
なお、パブコメは日本では諸外国に遅れて成立した行政手続法に基づく
最も未熟でありながら重要な「情報公開と参加」の仕組みだ。
パブコメ情報はトップページに掲載すべきだが、原子力規制委員会の場合、
すでに新着情報からは押し流されている。
そこで、規制委員会の意見ページに「トップページに掲載すべきだ」と提案した。
以前、ウェブ掲載資料に番号がついていないのに会議では資料番号を使っているので、
資料番号をつけて掲載せよと提案したら、そうなった。
声は出さないと世の中は変わらない。
国交省の場合も同様だ。とにかく見づらいところに見づらいやり方で載せる。
負けるもんか、負けるもんか、という声が聞こえてくるが、
それが以心伝心による人々の声なのか、自分の声なのか分からない。
« 160.あと2年をどう過ごすのか | トップページ | 162.2600億円の税収に13兆円の補正予算? »
「変えるための努力をいとわない人々」カテゴリの記事
- 216.環境法改正の問題点を指摘する集会案内(2013.07.05)
- 209.諦めたら終わりなわけで(2013.06.21)
- 208.「未来の子どもに残すのは借金じゃないんじゃないですかね」(2013.06.14)
- 161.パブコメと撒き餌(2013.02.02)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント