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2013年2月17日 (日)

172.密室で決めた旧計画の呪縛を解く方法(1)

2013年2月14日午後1時、
国土交通省関東地方整備局は、昨年10月から中断していた
利根川・江戸川有識者会議を4ヶ月ぶりに再開した。
 
中断は2回目。
 1回目は2008年5月から2012年9月まで3年4ヶ月。
 2回目が今回の2012年10月から2013年2月まで4ヶ月。
どちらも政変が間に挟まれている。
 
河川管理者(利根川では国土交通省)の意のままに河川法は運用されてきた。
 
その間、利根川・江戸川有識者会議が意見を寄せる対象である
関係住民の意見もきいただけで放置されてきた。
 
 堤防の6割も脆弱な状態であることも、
 3.11後の放射能汚染問題も、
 化学物質汚染が生態系に与える影響問題も
 ウナギが生息できる環境かどうかも、
 人口減少も税収の減少も
 公共施設の老朽化も維持管理費の増加も、
 
時代が突きつけてくる課題を次々と放置したまま、
旧法に基づく旧建設省が、情報公開も住民参加もなく
密室で決めた「工事実施基本計画」を根拠に
半世紀前の個別巨大な治水プロジェクトにひたすら固執し続けてきた。
 
想定外の洪水が来ても、溢れてもすぐに決壊しない堤防で
その間に住民を逃がす考え方を広めることもなく・・・
海外で活用されているより安価な堤防補強策を積極導入することもなく、
 
1997年の河川法改正以来、
2013年2月現在まで16年間もひたすら放置して
旧体制を堅持して暴走してきた。
 
利根川水系河川整備計画が未策定のまま。
 
しかし、今回もまた、16年も経ってその一部区間でしかない、
本流の利根川・江戸川河川整備計画だけを対象とし、
しかも「想定内」の治水、つまり目標流量を定めるところから
はじまっている。ダムで貯留をするというダムありきの治水方法だ。
前政権がさすがに止めるとしたスーパー堤防まで復活だ。
 
旧法で決めた考え方からは一歩も前に進んでいない。
「違法である」とは言えないのは改正河川法附則2条
(河川整備基本方針及び河川整備計画に関する経過措置)で
旧法で定めた工事実施基本計画が無期限で認められてきたからだ。
 
バックフィットという言葉は原子力ムラだけではなく
河川ムラにもなかった。法改正時の経過措置にも注意が必要だ。
 
では、思考停止したままの国交省による
目標流量17000m3/sに妥当性はあるのかと言えば、
たったそれだけのことが紛糾したまま
4ヶ月も中断した、というのが、利根川なのだ。
 
しかも、2008年に中断する前は15000 m3/sが想定されていた。
中断していた間に、なぜか目標流量は上がり、
ダム事業の必要性は机上で増したのだ。

これではカタツムリだって宇宙に達してしまうほどのスピードだ。
いや日本語が変か・・・。
カタツムリが宇宙に達するよりも遅いと言いたいのだ。
そうしている間に、宇宙は遠のいた、みたいな話なのである。
 
今回の計画はそのほとんどが昭和55年に密室で決めた、
「工事実施基本計画」を踏襲したものに近いのだが、
この旧計画の呪縛を解く方法はあるんだろうか。
 

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