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2013年2月21日 (木)

177.密室で決めた旧計画の呪縛を解く方法(6)

千葉県内水産総合研究センター内水面水産研究所の小瀧潔所長から
質問に対するお返事を昨日いただきました。

出先の携帯で受け取り、書き取ったメモで
数字の確認を統計で行っていませんがご了承ください。

県の研究所から委嘱されている役割であるということで、
お返事を研究所と県に照会した後にご回答くださいました。

Q1)「利根川・江戸川の厳しい漁場環境とはどのようなことなのでしょうか。

A1)千葉県の場合、利根川だが、漁獲の減少と外来魚の問題があります。

○「漁獲」とは?

 「魚類とエビ」
 農水省の統計による千葉のデータに基づく回答です。
 昭和40年代には2000トンあった漁獲が、
 現在では100トンから200トンになった。

 シジミは40年代には漁獲があったが河口堰ができ、
 汽水域が淡水化したため-漁業補償も行った-、
 現在はゼロになった。

○漁獲の減少を具体的に聞いてみると(シジミは含まれていない)

 昭和43年 2200トン
 昭和44年 2400トン
 昭和45年 2600トン

 平成20年 198トン
 平成21年 119トン
 平成22年  177トンに

(私の聞き間違えが含まれる可能性があります)

○漁獲のピークは?

 昭和40年代半ばと昭和50年代半ばに二山ある。
 急に減ったのは平成9年とのことで、その前年と合わせて伺うと
 平成8年 7000トン
  平成9年 3000トン

○原因は「分からない」

○外来種については

 アメリカナマズの増加
 平成15年から平成17年に利根川の漁業者にアンケートを行った結果、
 昭和50年に初めて確認され、平成10年以降に増えたとの回答が多い。
 刺し網や延縄にアメリカナマズがかかるようになった。

 平成15年に22トン 
 平成17年に32トン

 その後のデータはなし
 手賀沼なども含めた利根川水系。

Q2) 利根川・江戸川におけるニホンウナギの生息域の保全措置や
  シラスウナギ遡上の回復措置を
  利根川水系河川整備計画に位置づける必要性は?

A1)ウナギは河川の中での暮らしの生態がよく分かっていないので
   ウチ(千葉県)として保全策を示せないのが現状。

 前回の有識者会議で地方整備局が説明した原案 のP.8に
 「河川環境の整備の保全に関する目標」が書かれた。
 そこに「河川の連続性の確保を図り、魚類の遡上、降下環境の改善等に努めます」と
 されたので、この目標に沿ってすすめるということかと思う。

○具体的には?

 調査に向けて、これから関係機関との調整に取り組む。
 農水省がウナギ対策関連事業として予算をつけた。
 (農水省予算概要にある)
 その中にうなぎの生息環境調査等がある。
 

 生態が明らかになっていないので。
 いままではGWまで遡上するのではないかと思っていたが、
 東大の先生の話だともっと遅くまで上がっているということだ。
 それを知らないといけないということで中国や台湾にも上がっている。

 来年度のことなのでまだ確定はしていないが、
 全国的な視点での調査が必要かと思っていいる。

○ウナギも含めて漁獲の原因をどのように考えておられますか?
 シジミは河口堰ということでしたが?

 
 私どもとしてはそこまで突き詰めていない。

○ウナギについてはダム建設が原因ではないかという見方も示されていますが?
 

 くちはばったい言い方になるが、いろいろな原因が絡んでいる。
 千葉の場合は都市化していることもある。

小瀧所長からのお返事は以上です。
大変丁寧にいただきました。感謝します。

しかし、聞きながら驚かざるを得ませんでした。

漁獲が昭和40年代以後、50年代、平成・・と、
減少していったことは分かっていたわけです。

ところが、ウナギは絶滅危惧IB類(EN)に選定されるまで、
対策以前の生態調査や原因調査を行わず、
傍観していたことになります。なぜでしょうか。

ウナギは10分の1に減少した漁獲の魚種の一つにしか過ぎません。

その象徴であると考えるべきでしょう。

経済優先、開発優先だったからでしょうか。
それで今後はどうするという方向性を千葉県は
県民と共に話し合ったのでしょうか?まだでしょうか?
多くの疑問がわいてきます。

こちらで紹介したようにフィールドや専門性の高い個人やNPOは
 塩害が起きないタイミング(がある)を見極めて海につながる水門を上げ、
 シラスウナギやアユの稚魚が入ってこられるようにしたら
 漁獲が上がるではないかと長年にわたって声をあげていました。

その声に耳を傾け、協議を行って早めに対策を取っていたら、
絶滅危惧種への指定は免れた可能性があります。

しかし、過去はともかく、重要なのはこれからです。

今回も専門性と関心の高いNPOや個人は
「有識者会議」の場には招かれていません。

しかし、今後は、利根川の自然再生や管理方法を順応的に
誰であれ関心と専門性の高い人々と
話し合いながら決めていく協議の場を設けることを
利根川河川整備計画に位置づけるというのは
とても重要なことではないでしょうか?

未来に向けて過去の失敗を繰り返さない事が大切だと思います。

 

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