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2013年2月24日 (日)

180.密室で決めた旧計画の呪縛を解く方法(9)

2月22日、通称「スーパ-堤防」、
正式名称「高規格堤防」の予定地をその住民のご案内で巡り歩いた。
 
今日から公聴会が始まる利根川水系の利根川・江戸川河川整備計画原案には
以下のように数行でしか説明がない。
Photo
 
これでは一体なんのことか分からない。
どこが対象かもわからない。
何年までいくらの予算で実施するのかもわからない。
 
P.7 には、「万一、堤防が決壊し、はん濫が発生した場合、壊滅的な被害が予想され社会経済活動に甚大な影響を与えることが懸念されるため、超過洪水対策として昭和62年に高規格堤防の整備に着手した」とある。
 
彼らが「パンフレット」と呼んでいる概要版p10
にも以下のような説明しかない。
 
「江戸川下流部においては、堤防が決壊すると
甚大な人的被害が発生する可能性が高い区間について
高規格堤防の整備を行います。
なお、高規格堤防の整備にあたっては、
まちづくり構想や都市計画との調整を行うことが必要であり、
関係者との調整状況を踏まえつつ順次事業を実施します。」
 
街と人をいったんどかして、堤防の幅を広くして
その上に街を再建する(二度引っ越しをさせる)計画だ。
 
では、そこまで堤防の決壊が心配で、幅を広げて
その上に町を作りなおす必要がある川とはどんな場所なのか?
行ってみるとこうだった
 
第一に、川(左側)が見えないぐらいに、河川敷が広い場所だ。
 
Photo_2
 
堤防内は、川であり、河川敷も川の一部である。
 
上記写真には、その河川敷にある野球場がと~~~く
小さく写っているが、長年暮らし続けている住民は、
今までピッチャーマウンドにすら水があがったことはない」という。
 
国土交通省が言うスーパー堤防が必要な川とはこんな場所だった。
 洪水が、野球場よりも遙か遠くにある川から溢れて
 何メートルにも渡ってこの河川敷を覆い尽くして、
 右側に写し込むこともできなかった堤防を決壊することが前提だ。
 
第二に、調整が必要な「まちづくり構想」とはどのようなものなのか。
 
 上記で述べた、とてつもない洪水を前提に、
 現在暮らしている人たちをどかして
 幅の広い堤防をつくって、その堤防の上に暮らさせるという計画だ。
 
 しかし、とてつもない規模の洪水が来ることを想定しているわりには
 計画はたったこの一区画(80戸余り)で、
 この80戸あまりの区画整理事業だけで43億円以上がかかる。
 スーパー堤防の費用は別である。税金の捨て場のようになっている。
 
18
 
「国は何がしたいのか?」と、
昨日お会いした「スーパ-堤防・まちづくりを考える会」の
代表代行であり住民の森須蘭さんが怒りまくっていた。
 
上流では「堤防のかかる負担を一㎝でも下げる必要がある」と言って
山に住む人をどかしてダムを作り、
 
下流では「堤防が決壊すると甚大な被害がでる」と言って、
街に住む人をどかして堤防を太らせる。
 
そのどちらも止めてくれといって裁判が起きているが
行政の暴走は続いている。
 
昭和62年(1987年)に密室で決められた旧計画だ。
 
それから26年。今日、オープンに開催される公聴会で、
この計画を利根川・江戸川河川整備計画から削除して欲しいという
住民の訴えが行われると聞く。
 
河川法16条の2では
「4 河川管理者は、前項に規定する場合において必要があると認めるときは、公聴会の開催等関係住民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない。」
とあるが、住民の意見はどのように反映されるのだろうか。
 

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川は誰のものか」カテゴリの記事

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