160.あと2年をどう過ごすのか
一昨年前、国交省がダム検証の場に提出した資料で、
八ッ場ダム事業はたとえ本体工事が着工されても、
完成までに7年を超え、事業費の増額が必要であることが織り込まれていた。
2015年(平成27年)になれば基本計画の変更が必要となる。
上位計画である河川整備計画の策定が1997年以来、サボタージュされたまま、
昭和22年の議事録発覚(東京新聞報道)で事業の根拠を失ったダム計画を、
国交省は今、ゴリ押しをしようとしているが、法治国家で三権のうち、
誰が「この事業は終わった」と言う勇気を持つだろうか。
◇「八ッ場あしたの会」が八ッ場ダム事業の見通し、
八ッ場ダム予算、河川整備計画に関する報道をまとめて転載している。
◇群馬県知事
平成25年度政府予算内示における八ッ場ダム建設事業の知事コメント(1月29日)
◇埼玉県知事定例記者会見:平成25年2月5日
19:50~あたり、堤防の漏水話が出てくる。
http://www.mlit.go.jp/common/000986328.pdf
◇八ッ場ダム住民訴訟通信(2013年2月1日発行)PDF
八ッ場ダムをストップさせる茨城の会が、
この間のニュースをわかりやすくまとめ、、裁判の予定(2月13日)を載せている。
◇八ッ場ダムをストップさせる東京の会「八ッ場ダムニュース」PDFが
3月29日の裁判の予定を載せている。
2004年9月に事業総額2110億円が4600億円に倍増された時点で
住民監査、住民訴訟が提起され、8年が経つ。
この間、すでに一度、工期が延長されている。
皮肉にも中止を宣言した民主党政権になってから
「生活再建事業」として道路や橋の工事が着実に進んだが、
この間、このままではダムは不要になると先読みをした自治体がひとつもなく、
未来世代に負担がかかるだけの事業への支出を違法であると断罪できる裁判官は
一人もいなかった。
ダムができるまではと待ち続けた長野原町民、
このままでは無駄になるだけだと裁判を続行してきた一都五県の住民、
数多の人生を少数の人間が左右することを独裁と言い、
参加によって利害調整が行われ、社会が可能な限り最適化されるのが
民主主義だとすれば、もちろん誰でも後者を望んでいるはずだが、
なぜ、日本は、いつまでもそこに到達できないのだろうか。
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