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2012年11月18日 (日)

120.増税で公共事業バラマキを許さない集会(後半その1)

2012年11月16日、公共事業問題に取り組む113の団体が参加して開催された、「公共事業徹底見直しを実現する集会」の後半は各公共事業分野の特徴や現状について分刻みの報告が行われた(写真はクリックで拡大)。(赤字は発言者から寄せられた訂正、追加、差し替え部分等です。訂正してお詫びします!!11.19)

司会は江戸川区でスーパー堤防問題などに取り組む稲宮須美さんと
茨城県で八ツ場ダムに取り組む神原禮二さん。

○道路住民運動全国連絡会/高柳俊暢さん
  千葉県で外環道路に42年間、26歳の大学院の学生時代から関わっている。道路問題の大きな特徴は事業費が膨大、何年たっても止めない。住民運動が強ければ、ほったらかしてゾンビのように復活すること。防災の見地から道路事業を進めることが起きている。一般道路や橋、トンネルや海岸沿いを防災しなければいけない。それを放置している。環境対策の名で費用が膨大になった。千葉の外環道路は1.0。果たして便益を費用が上回るのか?

Photo_11http://www14.atpages.jp/roadnet/

○水源開発問題全国連絡会/嶋津暉之さん
政権交代後、今後の治水のあり方に関する有識者会議が開かれたが、ダムに懐疑的な委員は選ばれなかった。14のダムが検証されるはずが、着工後すぐの止められる駆け込みダムは対象外となった。見直し対象となった八ッ場ダムの例では、代替案は富士川から1兆3000億円で水を引くバカバカしいものだった。中止となったダムは15あるが、予算がゼロから数千万円のやる気のないダムだった。

Photo_12http://suigenren.jp/

○ラムサール・ネットワーク日本/陣内隆之さん
那覇空港滑走路増設で大嶺海岸(奇跡的に残った最後の自然海岸)を埋め立てる計画だ。生物多様性に富む。環境アセスメントはまさに「アワセメント」そのもので、「環境保全への配慮は適正である」と判断した。しかし、サンゴ類やクビレミドロは移植技術がない。那覇空港の需要実績を見ても頭打ち。需要予測は過大だ。航空自衛隊と軍民共用を前提し、自衛隊が出ていく選択肢もあるが真剣な検討がない。沖縄は問題が山積みだ。

Photo_15http://www.ramnet-j.org/

Photo_13  
PPTは平宮跡埋立問題http://narapress.jp/hjk/

司会:神原禮二さん「今、衆議院が解散されました!(さっき衆議院議員がと書いていた。トホホ)

Photo_14

○スーパー堤防事業認定取り消し訴訟支援/渡邉拓美さん
堤防は「線」で「点」のダムよりお金がはるかにかかるとダム推進者たちは言うが、「スーパー堤防」の実態は、はじめから線にするつもりもない「点」にすぎず、治水にはテンで話にならない!これで12兆円を使おうという。江戸川区は、「洪水のときスーパー堤防は避難場所になる」と言っているが荒川区では避難するなと言う。江戸川区は、区内が水につかっていても氾濫している川に向かって堤防まで泳いで逃げろと言うのか?しかも江戸川区の優先順位は不思議で、危険で地盤の緩いゼロメートル地帯にはろくな水害対策をせず、区内では水害の心配の少ない地盤が高くていいところに「スーパー堤防」をつくろうとしている。治水より「スーパー堤防」を高層建造物の土台とする場所選びを優先するならわからないこともないが。

Photo_17 Photo_36  Photo_21

○ 日本湿地ネットワーク/伊藤昌尚さん
千葉の干潟を守る会 牛野くみ子 さん
東京湾に残された三番瀬の干潟。堂本知事時代に埋め立てはなくなったが、第二湾岸道路は止まっていない。三番瀬はラムサール条約の登録の要件を満たしているが、千葉県は時期尚早と繰り返している。

中池見湿地 笹木智恵子さん
中池見湿地には、大阪ガス基地があったが中止され、ラムサール条約の登録湿地になった。ルーマニアで行われたラムサール条約締約国会議に7月に行って来た。敦賀市長もラムサール湿地を守ると言った。そのまだブダペストで会議を開催しているときに、北陸新幹線が中池見湿地を通るという。計画アセスで発表された予定地よりも300メートルも中池見湿地側に食い込んできた。中池見は深さ80メートルの深さの湿地に40メートルの深さで泥炭が堆積している地形のレッドデータみたいなもの。その泥炭のお椀を壊すような形で北陸新幹線が通ると、泥炭、生き物たちの生息環境、湿地の形状が変わる。新幹線整備機構はルートについて、11月29日に市民説明会があるということで行って来る。

Photo_30 Photo_31http://www.jawan.jp/index-j.html

○渓流保護ネットワーク・砂防ダムを考える、水と緑の会/田口康夫さん
120年間、砂防ダムは90309基作られてきている。しかし、平均砂防整備率は20%。ハードでの対策の限界を示している。半年で機能不全になる中房砂防ダムなど新規砂防ダムの建設を見直し、既存砂防ダムのスリット化を進めるべきだ。小水力発電に砂防ダムを使うことは止めるべきで、まず用水路での普及を図るべきだ。11月23日の水郷水都全国大会 でも話しをする。

Photo_33 Photo_35  

○日本森林生態系保護ネットワーク/金井塚さん
林野庁を相手にしてきた。その予算の7割が林道予算。生産力がかなり落ち、熊が増えているが、増えているのではなく追い出されている。拡大造林、砂防ダム、ダムによって生産性が止まっている。役所も審議官も静的な自然感を持っているが、自然は動いている。大小の循環が必要だ。住民投票による条例の直接請求を(細見谷林道工事の是非を問う住民投票条例案で)進めることによって、林野庁が環境調査が不十分だと認めた。司法は、生態学の観点では受益者負担金という脇道による方法だったが、細見谷の大規模林道事業を最終的に止めることができた1審判決だが、ムダな公共事業をとめるエンジンになる。これはぜひ使っていただきたい。( http://confe.jimdo.com/ )(詳細:http://hosomidani.no-blog.jp/jumintohyo/cat5772361/ )

○全国自然保護連合/川村晃生さん
リニア新幹線は公共事業ではないが、問題は公共事業的に考えなければならない。JR東海は3兆円の借金がすでにあり、5兆円の借金をする。2045年に完成で9兆300億円ということだが、負担はかさむ。南アルプスにトンネルを掘るという大破壊をするので予算がどうなるか分からない。新幹線の乗車率が5~6割。乗客の確保がありうるか。収支が見合わなくなる。第二のJALのようになる。1時間に5本走らせ27万kWというがエネルギー問題を抱える。リニアが一番電力を使う稼働時に、1~3基の原発が必要になるのではないか。電磁波問題、原生自然の残る南アルプスにトンネルを掘ると生態系の問題が起きる。リニア沿線住民が集まってリニア新幹線沿線住民ネットワークを作る準備をしている。来年、広瀬隆さんを招いて相模原で集会をやる

Photo_38http://www006.upp.so-net.ne.jp/junc/ 

(続く)

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