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2012年11月 4日 (日)

107.利根川・江戸川有識者会議(26) 明かされたブラックボックスへの反撃

4. 小池俊雄東大教授の反論への
関良基拓殖大准教授の反論

飽和雨量の増加は国土交通省の資料でも明らかだ。なのに
どうして日本学術会議では認めないのかという関良基委員の問いに対し、
まるで国交省の官僚答弁のように回答を避けていた小池俊雄東大教授が、
ついに逃れられないと観念したように、
1年前に出した日本学術会議の回答説明した

○森林の保水力は上がったと当然認める。
○しかし、その分、都市化や河道の変化で相殺された。
○従って、森林の保水力の変化が検出できなかった。

これに対し、敢然と関委員が再びマイクを握りました。

関良基委員
「小池先生は、物理的なモデルであるかどうか、それから、
異なるモデルで比較してみて類似の結果が得られているかどうか
という主旨
のことをおっしゃったんですけれども、
私は大熊委員、野呂委員がおっしゃられたように
その英知を結集して作ったモデルが、
現実に流れた流量を再現していないという事実の方が大事で
その英知を結集して作った新モデルが実質で計算すると、
実際に溢れていないところを溢れたというれたというふうに
捏造をしない限り、
21100というのを正当化できないわけでして、
正当化できない以上、事実を重んじるべきである。

再現できていない事実の方が大事ですから。
科学は事実を元に出発しなければなりません。

物理モデル。モデルです。モデルでしかないんです。
いろんなモデルができて国民がまったく理解できないモデルがたくさん出てきて
確率が何かと言われても納税者は納得できません。
誰も分かりません。
そんなものに4600億円投入させられている納税者の気持ちを考えると
私は納得できません。

実際の流量を再現できていないですから、事実と異なるわけです。
事実と異なる以上、モデルが間違っていると考えるしかない、と私は思います。

科学の出発点は事実です。
事実をもとにモデルをつくる。
事実をモデルが説明できなければモデルが間違っていると考えるしかない

で、森林の方なんですけれども、
ゴルフ場ができました。都市化も進みました。
それは明らかに河川の流量を増やしてしまう効果を及ぼしていると思います。

しかし、国土交通省の新モデルの値を、パラメータを見ますと、
飽和雨量は明らかに上昇しておりまして

奥利根流域で2倍、烏川流域で2倍以上、
明らかに上昇していまして

1.5倍とか2倍とか上昇してきているものを
系統的変化がみられなかったと結論するのは、
明らかに科学的誤謬です。

都市化が進んでいるのは事実ですけれども、
飽和雨量の値が1.5倍から2倍に増大してきているという、
この動かしがたい事実からこの勘案すると
都市化のマイナス効果、ゴルフ場を作られたマイナス効果、
河道改修をしたマイナス効果を
上回る森林の成長によるプラスの効果があるとしか思えないわけです。
この飽和雨量の値を見る限り、系統的変化がないと結論することは、
納税者の合意を得られないと思います。

国民が本当に分からない限り納得できない。
ましてや4600億円が血税を多くの血税が投入されているわけです。
4600億円の血税を投入するに値しないと多くの国民が考えていて、
パブコメでも、91%が1万7千に否定的な見解でした。
そのパブコメを尊重して、国民が納得できる計画を立てるべきだと私は思います。」

傍聴席から関委員に対して拍手が沸き起こったのは言うまでもありません。

(続く)

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