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2012年11月 4日 (日)

102.利根川・江戸川有識者会議(21)3対4の1票差が議事録では「多数」

継続性がウリの行政にあって政策を転換するには、
1)政権が交代して理念をラディカルに変え、
 その理念に基づいて政権与党が行政機関を運営するか、
2)一つの政権にあっては、少なくとも日本では
 政策決定プロセスの要となる審議会(その事務局たる行政)が時代を読んで
 大臣の諮問に対して、従来の行政の継続性とは反する答申をし
 大臣がそれをオーソライズするか
3)行政と審議会が一体となり既得権者を利し、時代に合わない答申がでてくるのであれば、
 時代を読んだ大臣がそれを覆すべく、政権与党の理念に適った決断を下すか
そのどれかだ。

(ちなみに田中真紀子文部科学大臣が審議会の結論を覆して
 学校設置の申請認可を退けた件は短絡的な報道が目立つ。
 一方で学校教育法を中心とした政策をどうするのかという議論が
 民主党政権内であったのかどうかは分からない)

行政の隠れみのと指摘され続けてきた審議会やそれに類する合議体は
当然のことながら行政と一体の結論を持つものと考えられ
面倒を避けるためにも、行政と一体の結論を指示する有識者が選ばれてきた。

それを覆そうという試みが審議会等レベルで果敢に行われているのが
利根川・江戸川有識者会議だ。

会議体を設けて、規約9条で自主運営を定めているにもかかわらず、
自主運営の試みに対して、国交省は「意見を聴く場」でしかないと言い続け、
自主運営を妨げている。想定外の事態なのだろう。

現在進行形で起きており、これは行政学者や政治学者にとっても注目する価値がある。

その試みは第5回利根川・江戸川有識者会議で始まったが、
75.利根川・江戸川有識者会議(1)有識者の矜持で書いた通り。

八ツ場ダム事業に関して「もうほじくり返すような議論はいい加減にして」
というスタンスを明らかにした有識者宮村忠(以下、敬称略)は
(議事録http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000049797.pdf )
座長として相応しくない、選び直すべきではないかとの意見が第5回で出され、

言い出しっぺで立候補した大熊孝に挙手したのが
  野呂法夫、関良基、鷲谷いづみ
清水に推薦された宮村忠に挙手したのが
  清水義彦、小池俊雄、小瀧潔、虫明功臣
だった。宮村忠は手を挙げず、大熊孝は立候補だったので
本来なら4対4と言ってもよい3対4だった。

先日、その時の議事録が明かされたがその数は記録されていない。
「宮村委員が多数ということでございます」(P8~10)とだけ記録されている。

第6回でも、国交省が出してきた資料をもとに国交省の提案(目標流量)に
シャンシャンとお墨付きをつけることなく、おかしな点を質そうとする試みが行われた。
時間のある方は是非、議事録でも確かめて欲しい。第7回にも持ち込まれている。

9月25日 第5回利根川・江戸川有識者会議
(資料)http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000202.html 
(議事録)http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000068807.pdf
  75.利根川・江戸川有識者会議(1)有識者の矜持
  http://seisaku-essay.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/post-63ea.html

  76.利根川・江戸川有識者会議(2)出された論点
 
http://seisaku-essay.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/post-2a4a.html 

10月4日 第6回利根川・江戸川有識者会議
(資料)http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000204.html 
(議事録)http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000068808.pdf 
  85.利根川・江戸川有識者会議(7) 河川法16条の2 3項の解釈
 
http://seisaku-essay.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-77d2.html 
  86.利根川・江戸川有識者会議(8) 誤氾濫図の再々提出
 
http://seisaku-essay.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-6310.html
  89.利根川・江戸川有識者会議(11)東大モデルの誤差(II)
 
http://seisaku-essay.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/ii-5482.html
  92.利根川・江戸川有識者会議(14)説明できない国交省の不都合な真実
 
http://seisaku-essay.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-dc6b.html
  93.利根川・江戸川有識者会議(15)これが東大話法かぁ~
 
http://seisaku-essay.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-90ed.html 

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