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2012年11月

2012年11月25日 (日)

125.公共事業という争点(2)大阪の場合

橋下徹・前大阪府知事が官僚の抵抗で止め損ねた府営・安威川(あいがわ)ダム計画。
11月23日、その現場が雨雲で煙る中、行って来た。

「第三極」としてマスコミが連日報道し続けている橋下徹大阪市長が、期待されながら
知事時代に何故この計画を止められなかったのは何故かを見ておきたかった。

Photo安威川ダム計画予定地(2012.11.23撮影)

古賀茂明・大阪府市統合本部特別顧問は2012年10月13日(土)に
官々愕々 防災のための公共事業は新たな災いだ」で
民主党の「コンクリートから人へ」の頓挫と
嘉田由紀子・滋賀県知事による3つのダム建設凍結を比べて
民主党は「しがらみだらけの政党になってしまった」
「一度始まった工事を止めるにはどうしたらよいか」を
考えておくことは大事だと評論した。しかし、自分の雇用主が
足下にある45年も前の安威川ダム計画を止められなかったことへの論評はなかった。

答えは簡単だった。大飯原発の再稼働問題で、
電力が足りなくなるという脅しで再稼働を認めた前・知事は、
やはり同様に、安威川ダムに代わる有効な代替案はないという官僚の説明で、
ダムなしの過去45年間の事実を見過ごしたのだ。

二度あることは三度ある。

今度は、「太陽の党」と手を組んで「維新の会」が「脱・原発」「改革」の旗を
降ろしたことを昨夜知った。http://www.youtube.com/user/videonewscom/videos

イザとなると理念は吹き飛び、事実に基づく冷静な判断力を見失ってしまう弱さを
安威川ダム計画においても露呈させていただけだった。

「ダムが全部ダメとは思わない。ただ、ここは、
色々勉強したら、失うものの方が大きいと思った」と、
12年前から、安威川ダム建設に反対しているという
「安威川ダム反対市民の会」代表の江菅洋一さんに
現地をご案内をいただいた。

Photo_6

江菅さんに堤防の上に立ち、下流を指してもらった。
左から安威川、コンクリート補強をした堤防、芝生が植えられた堤防の余裕高、江菅さん。

コンクリート護岸を超えると破堤する(芝生のところはないも同然だ)からダムが必要、それに代わる代替案はないというのがダム建設の推進理由だが、コンクリート護岸を1㎝でも越えると破堤するなんてありえるのか、なんのための余裕高かと、江菅さんたちの疑問はまったく消えていない。

彼らは、後を継いだ松井一郎大阪府知事に対して
「大阪府営安威川ダム本体工事着工中止を求める申し入れ」を行う予定で、
府内外から協力して欲しいと呼びかけている。(28日まで)
詳しくはこちら→http://suigenren.jp/news/2012/11/09/3083/

Photo_5 (クリックして拡大可)

124.公共事業という争点(1)

ダム問題に取り組む各地の住民団体から毎日、日替わりで悲鳴が聞こえてくる。

たしかに、今回の選挙に関して言えば、圧倒的に脱原発が最重要テーマだ。
持続可能なエネルギーを地域からどう実現するかを自分も考え、
国民全体に向かっても考えさせられる候補者でなければならない。
自分の住んでいる選挙区にそうした候補者がいるかどうかを、それは誰かを
確かめてから投票することが最重要だ。

地域住民からは、先日紹介したような、へぇ!と参加させてもらいたくなる取り組みも行われている。

しかし、「税と社会保障の一体改革」だと言って増税法案を国会へ上程した後、
公共事業にも使えるよう条文を加えて修正成立させ、
●自民党が「国土強靭化基本法案」 
●公明党が「防災・減災ニューディール推進基本法案(骨子)」 
●民主党のクーデター組とも言える「新たな戦略的国土地域政策を推進する議員連盟」が
日本再生計画~ビジョン2030~
と、民・自・公が、別次元で手を結んでバラマキ政策を抱えている以上、
公共事業も争点であることは間違いない。

国債を紙切れにしてでも、自分の議席を土建票で得たいのか、
こうした利己刹那主義の候補者かどうかは見極めて投票すべきだ。

・・・最高裁に違憲と判断され、是正されていない「一票」を行使する、本来はあってはならない選挙ではあるが。

2012年11月22日 (木)

123.防災と環境保護の調整

2012年11月14日、「徳島県自然保護協会」や、徳島の河口干潟をフィールドに活動している「とくしま自然観察の会」が、国土交通省の政策決定者と実務者に対して、那賀川(なかがわ)河口左岸の高潮工事について、「防災と環境配慮の両立」が実現する工法について提案を行っている。

多くの河口や汽水域がそうであるように、那賀川の河口も、シオマネキやウラギクをはじめ絶滅危惧種の「ホットスポット」だからだ。市民団体や研究者による独自の調査だけでなく、国土交通省が実施した水辺の国勢調査によってもそのことが分かっている。

本来は、こうした場所は「地域社会に欠かせない貴重な財産」であり、「海岸や河口域の生態系の破壊は、川や海の自然と人間の関係のあり方に大きく影響する」ため、一見「防災」という人間にとっての「利益」は、長い目で見て本当に「利益」か、失われる永続的な「価値」と並べて考える必要がある。一度失われたら取り戻すことは困難だからだ。

そのため、日本以外の諸外国では、多様な生物やその生息域を侵害してきたことを反省し、絶対に守らなければならない種や生息域を決めて(種の保存法)、その線を越えて侵略しないことを前提として環境影響評価が行われ(環境影響評価制度)、絶対的に回避する、侵略を最小限化する、再生・復元する、やむを得ない場合には代償する、そしてその代償の仕方として「生物多様性オフセット」という手法もさまざま発展してきた。逆に言えば復元も代償もできないなら開発(侵略)を諦めるというルールだ。

ところが、日本には、こうしたホットスポットの「利用」と「保全」の調整制度が欠如している。未完成である。

リフレーズして言うと、「防災」のためにホットスポットを人間様が「利用」するが、人間が生き延びていく上では他の種と共存するためにその生息域を「保全」し、侵害しないことが重要だが、その二つを調整するルールがない。例えば、米国の「種の保存法」は史上最強の環境法と呼ばれることがあるのに対して、日本でできた「種の保存法」はザル法の典型で、環境影響評価を行っても希少種があることが分かってもその手続がアリバイ化されるだけで保全ができない。環境影響評価法もまた同様にしてザル法で、希少な河口を侵害するにも関わらず「堤防」という事業は対象外でザル穴から落ち、そもそも環境影響評価が行われない。

その二重のザル穴から落ちるホットスポットを救うための調整の提案が、今回の「とくしま自然観察の会」らのアクションだ。提案の概要は以下の通り。11月26日までの回答を求めている。要請書はこちら→「20121114nakagawa_hotspot.doc」をダウンロード

1. 工法の検討と変更
河口から1.4km周辺までの埋め立ては最大限回避し、失われる環境については、それ以上の面積を再生することを検討して欲しい。1.4kmより上流は、水辺を保全するために陸地の工事にとどめる工法に変更して欲しい。

2. 上記に伴う調査に関する専門家検討委員会の設置
適切な調査内容、調査法、評価法に関して、生態学・植生学・土木工学等の最新の知見を活用するための県内外の専門家、さらに絶滅危惧種の分布等について地域の状況に詳しい研究者などが、一同を会した形で、話し合いをする場の設置をして欲しい。

なお、付け加えて念を押すと、上記は、国際標準並の至極当然かつ優れた提案で、先述したように諸外国ではこうした参加(利用と保全の調整)の場が法律によって確保されている。日本においても早急に整備しなければならず、つい先日の月曜日(11月19日)にもこの道の専門家が集まった場所でそのような発言が行われたのだが(有益な情報がふんだんに共有されたので時間を見つけて報告またはどこかの紙媒体でいずれ執筆したい)、その具現化が諸外国に最大で43年ほど遅れている。

2012年11月21日 (水)

122.脱原発つうしんぼの紹介

脱原発の国会議員をひとりでも多く当選させることを目的に
衆議院選挙の候補予定者を対象に「脱原発つうしんぼ」なる
アンケートが始まったらしい。↓ 
http://datsugenpatsusenkyo.wordpress.com/2012/11/02/master/
呼びかけたのはサステナ(http://www.sustena.org/
協力する市民「(脱原発)つうしんぼマスター」を大募集!している。

と思ったら、さっそく「神奈川第14区を担当している氏家です」と
つうしんぼマスター体験が送られてきた。なんだか楽しそうである。
転載をさせていただく許可をもらったのでご紹介させていただきます。

===つうしんぼマスター・氏家さんから送られてきたレポート===

11月19日 事務所回りをしたので、報告します。

神奈川第14区の立候補予定者
相模原市 緑(東部)・中央・南区(東部)
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  本村賢太郎 42  党国民運動副委長    民主党 前
  赤間  二郎 44  (元)党青年局次長    自民党 元
  猪股  ゆり 28  市民団体役員      共産党 新
  松本  雅威 41  会社員         みんなの党 新
  今井  達也 25  党支部役員       社民党 新
  中本  太衛 47  (元)外務委員      太陽の党 元
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朝、まずは一番脱原発の考えで近いと思える候補から事務所訪問開始。

今井達也さん(社民党 新)

電話して、訪問の快諾をいただき、淵野辺の事務所まで
バイクでひとっ走り。今年一番の寒さに驚く。

今朝10時に候補者ご本人と面談し、15分ほどお話しました。
若いけれど、しっかりした青年で、落ち着があり、安定感がある。

一番魅力的と感じたのは、目の力。

僕の目をまっすぐに見て、選挙に立候補した想いや、
脱原発に対する決意を語ってくれました。
共通の知人も多く、話が弾み、本当だったらもっと多くの市民が気軽に
立候補できる制度が必要だよね、と意気投合。
供託金600万円とか、既成の大政党有利な選挙制度の中、
政治家を志す貴重な人物です。こんな真剣なまなざしで、国会の中で
脱原発の審議をやって欲しいなあ、と思いました。

ポスターには、ど真ん中に大きく脱原発が書いてあり、
やっぱり社民党は福島原発事故前からずっと一貫して
脱原発を訴え続けてきた政党だなあ、と納得。

つうしんぼで「最高点取ってください」とお願いしました。

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今井事務所からの帰り際に、日本共産党相模原事務所を訪問するも無人。
実は事務所は2階で、1階は会議作業スペースだったことがあとで判明。
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11時。一番緊張する事務所へ電話し、アポを取る

赤間二郎さん(自民党 元国会議員)

以前、うちの2軒隣のビルに競輪場外車券売り場計画が持ち上がった時に
経済産業省担当課長との面談をセットしてもらったことがあり、面識があるが
自民党であり、原発立地の地域経済から一概に反対できないという意見を
お持ちなので、考え方が違い、緊張、気を使う。  

11時過ぎに事務所の多賀氏と面談し、10分ほど立ち話でお願いしてきました。

回答が出ない可能性が高いので、
「脱原発国民投票のアンケート」に昨年赤間候補が回答していたのを
NETで見つけて、プリントアウトして持参し、
「脱原発つうしんぼ」 にも回答してください。脱原発に対する考え方が
違うかもしれないが、筋の通った政策・主張を是非聞かせて欲しいとお願いしました。

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午後、共産党事務所の1回も電気がついていたので、訪問。

猪股ゆりさん (共産党 新)

候補者ご本人は外に出て選挙活動中のため、
日本共産党神奈川県北部地区委員会委員長 藤原正明さんにご対応いただき、
30分以上話しこみました。
さすが共産党で、事務所の雰囲気がテキパキ、バリバリ、政党だなあと思いました。

自民党赤間氏の事務所は、男性は自治会のおじさん風、女性は事務職員風で、
政策論議などできない感じでした。
(その代わり地を回る選挙運動は忙しく準備進行していました。)

一方、共産党事務所では、すぐに政策論議が始まりました。
藤原さんとはかなり突っ込んだ話となり、TPPで農協との協力関係を志井委員長
が新潟で結んだことなどを教えてもらい、また、リニア新幹線が相模原市を通る問題
など、脱原発の枠を超えて情報交換。結局、アメリカの支配下にある日本で
さまざまな形の問題が起きていると、語り合いました。

猪俣候補本人に記入してもらえるよう、藤原さんから話してくれるそうです。

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松本雅威さん (みんなの党 新)

電話し、ご本人とお話しました。
まだ事務所が無いため、横浜市旭区西川島町のご自宅へメール便でつうしんぼを
送付することになり、切手を貼った返信用の封筒も同封。 

うーん。公示2週間前なのに、立候補する相模原市内に事務所が無いのは、
出遅れているんじゃないだろうか。
野田首相のスタンドプレー突然解散・第3極には準備させない作戦の効果でしょうか。

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中本太衛さん (太陽の党 元 すでに維新の会かも)

電話し、事務所の方ととお話しました。候補者ご本人ではなく事務所の人。
かなりそっけない対応だったので、名前聞くな忘れちゃった。
相模大野の事務所にはほとんど人が居ないため、ポストに入れておいて欲しい、
とのこと。電話も転送となっており、相模原市外にいる様子

「おいおい、選挙戦始まっているのに、地元事務所空っぽでいいの?」と、
突っ込みを入れたくなるが、電話じゃわからないよね。事務所訪問してみたい。

こちらも、切手を貼った返信用の封筒同封でメール便で送付しました。

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松本氏、中本氏には、土曜日あたりに電話をかけて、回答の投函をお願いします。

これで、今井、赤間、猪俣、松本、中本各氏への配布は終了です。

残っているのは 現職衆議院議員の本村けんたろうさん(民主)
20日に矢野さんが「脱原発つうしんぼ」を持って行ってくれる予定。

事務所訪問は、知らない世界が覗けるので、わくわくワンダーランド。
本村事務所にもアンケートもって、行ってみたい。
矢野さんに電話して、同行しようかしら。

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「脱原発つうしんぼ」の配布のめどは立ちました。
あとは土曜日ごろに確認の電話を入れて、
26日月曜日に記入済みアンケートの受け取りに、もう一回りできるはず。

そのころには選挙準備も進んでいて、
また違う事務所の雰囲気が味わえると楽しみです。

昔のゆるーい公職選挙法だったら、お寿司なんか出てきたりしたんだろうなあ。
(かみさんが、お寿司目当てに選挙事務所訪問していたアホなおじさんの話を
昨日してくれたので、こんな結びになっちゃった。)

以上です。

===↑つうしんぼマスター・氏家さんのレポート↑====

つうしんぼマスターを誘い実践するいろいろなウェブサイトができていて、
たとえば脱原発選挙かながわ http://611kanagawa.org/ なんてページもある。

2012年11月18日 (日)

121.増税で公共事業バラマキを許さない集会(後半2)

2012年11月16日、公共事業問題に取り組む113の団体が参加して開催された、「公共事業徹底見直しを実現する集会」の後半その2(最終)である。各公共事業分野別の報告のあと、個々の事業に取り組む人々からこれまた分刻みの報告が続いた。(赤字は訂正箇所

○泡瀬干潟埋立/小橋川共男さん(泡瀬干潟を守る連絡会
今年度、事業が進んでいる。国が今、埋め立てをやっている。東埠頭のしゅんせつ土砂をいれる土砂処分場です。必要性も緊急性もない。沖縄市の要望にそった形で埋め立てをしている。2010年の裁判で経済合理性がないという判決を受けた。面積は半分になったが事業費は変わらない。市が立てた計画がうまくいったとしても2億3億の赤字が出る事業。国がムダな税金を使い、沖縄の資源環境を破壊する最たるものだ。

○辺野古埋立事業/安部真理子さん(日本自然保護協会
今進められているのは日米合意に基づくV字型の案。環境影響評価の補正評価書を作っているところ。有識者研究会が助言をしたが、とんでもない助言だということが明らかになってきた。オスプレイ配備は評価書まで書いてなかった。埋め立て土砂についても書かれておらず、今も分からない。有識者会議は、本土のダムのしゅんせつ土砂を埋めればいいじゃないかというが、どういうつもりなのか!評価書ではジュゴンやウミガメを保存できる保全措置が示されていない。今後の補正評価書で公告・縦覧が行われる。

○成瀬ダム/奥州光吉さん(成瀬ダムをストップさせる会
1530億円の巨費を使っているが、295億円しか使っていない。検証を一昨年から始まり、第4回検討の場まできたが、コストをメインに検証して成瀬ダムが有利としている。一番腹立たしい目的は「流水の機能維持」。ダムで水を貯めておいて、貯めた水を流すことで580億円の効果を代替案で実現すると専用ダム建設で690億円かかるという論理だ(怒)。

○最上小国川ダム/草島進一さん(最上小国川の清流を守る会
最上川の支流でアユで有名な川。年間3万人が来て温泉に泊まり、22億円の経済効果がある。漁協は反対を続けている。9月に住民訴訟を開始し、12月27日に公判がある。たった40軒の旅館や家屋を対象にした治水ダムだが、旅館街は川にせり出している。浸水被害と言ってきたのは内水被害(川からの洪水ではなく、川に排水ができなった被害)。赤倉温泉の中に県が作った堰があり、土砂が貯まっている。県が原因を作り出している!訴訟の中で明らかにしていきたい。

○思川開発事業(南摩ダム)/高橋比呂志さん(思川開発事業を考える流域の会
南摩ダムは鹿沼市に建設が計画される多目的ダム。水資源機構の事業。科学的な根拠がないとして裁判をしている。八ツ場ダム、湯西川ダムと合わせ3つの訴訟で利水と治水の争点がある。南摩ダムは県南の市と町が参加しているが、計画が存在せず、水道事業の認可を得ていない。ところが栃木県は2分の1の補助金を受けていると判明した。八ツ場ダムでは、足利市などが治水上、利益を受けると10億4千万円の治水負担金を負担しているが、利根川に接してもいない。公開質問状を出したところ、足利市長は貝となって答えない。答えない理由すら答えない。鹿沼市長は南摩ダムの水は買うが使わないと堂々とムダ使い宣言をした!

○八ツ場ダム/渡辺洋子さん(八ッ場あしたの会
1都5県の議員の会、あしたの会、市民連絡会など3つの会が連携をして進めている。昨年12月、前・前田国土交通大臣が小渕優子の後援会に長野原町で万歳三唱で迎えられ、再開を表明した。しかし川内博史さんが会長、初鹿明博さんが事務局長の議連の監視のもと、八ッ場ダムは本体着工されずに来た。ダム推進派は民主党が八ツ場ダムを政争の具にしていると批判しているが、自民党こそがこの三年間、政争の具にしていた。川原湯温泉駅に降りると4本目の橋ができているが、計画から60年、吾妻渓谷にコンクリートは打ち込まれていない。この地域には、文化遺産が濃密に分布していることが分かった。ダムに代わる代替案として、国の史蹟として保全する遺跡パークを提案していきたい。

○設楽ダム建設事業/市野和夫さん(設楽ダムの建設中止を求める会
愛知県の一番東の豊川のダムは、「流水の正常な機能維持」が6割のムダなダム。住民訴訟を初めて6年になる。一審は行政裁量を認めた。二審では打破して、勝利判決を勝ち取りたい。12月20日に結審し、3月には判決が出るかと思う。裁判で勝つことを目標にしているが、その他にやれることで地元地権者の協力を得て、立木トラストで頑張っている。

○ 内海ダム再開発/ 藤田恵さん 寒霞渓の自然を守る連合会を代弁
何故反対するか。県は水が足らないというがウソ。平成9年に構想がでたが、平成9年は小豆島で一番大きなダムができ、貯水量は161から390万トンと2.5倍に増えた。四国の早明浦ダムが貯水率が0になったときも70%を越えていた。水は有り余っている。昭和49年と50年の水害で被害がでた。洪水対策で必要だといったが、土砂が家屋を潰しての犠牲であり、川の氾濫では亡くなっていない。強制収用を前提とした事業認定取り消し訴訟で、原告側の証人尋問が年内にあるはずだったが、来年の連休明けにすると言ってきた。

○石木ダム/岩下和雄さん(石木ダム建設絶対反対同盟
県営の小さなダムだが、13世帯が生活をしている。もう40年になるが計画を変えず、必要性を訴えているが治水も利水もムダなダムだと分かってる。ダム検証で国も継続を決めたが、地域の理解を得るよう付帯意見がついている。県は話し合いをしたいと言っているが、土地の交渉の問題だと言う。それなら、事業認定の申請を取り下げてから話し合いをすべきである。市議会は早く事業認定をせよと言い、このままでは私たちは話し合いはできない。事業認定が認可されると、土地収用法によって家屋敷が取られる。長崎県内外から支援を受けている。

○川辺川ダム/中島康さん(子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る熊本県民の会
コンクリートから人へと言っていた政権が、人から大きくコンクリートになって消滅した。ダム中止生活再建特措法に期待をかけていた。今までダムを作ればカネになる。これはダムを作らなくてもカネになる法律だった。解散で廃案になったが、もう一度、閣議決定させたい。路木ダムはウソで固められたダム。知事がウソの片棒を担いでいるが、地域住民の無関心が反対運動を阻み、半分、できあがっている。

○サンルダム・平取ダム・厚幌ダム/佐々木克之さん(北海道自然保護協会
サンルダムは国交省の検証が終わり、平取ダムは地勢局の検証が終わって作ることになった。地元は地域振興のためにサンルダムを作るという。平取ダムはアイヌの聖地に作るが、調査費で雇われてしまい、反対ができない。サンルダム予定地の下川町でもダムのダも言えない状況が作られている。ちゃんとした議論ができないのが最大の問題。決まったけど絶対に作らせないという気概でいく。

○当別ダム/安藤加代子さん(当別ダム周辺の環境を考える市民連絡会
計画から42年という時をへて完成し、まったくムダなダムが増えた。札幌と石狩と当別の市民が集まり、水道水に関心を寄せてきた。札幌にはすでにダムが3つあり、30%以上の水が余っている。当別ダムも完成したが13年後の2025年までは水は使わない!ところが一滴も水を使わないのに、来年から125億円のうち50億円を札幌市が払う。維持管理費も払う。ダムが完成しても水道料金の値上げはないと言ってきたが、石狩市も当別も値上げする。利水の理由を失った代わりに推進される「豊平川水道水源水質保全事業」もムダ!

○ 東京外かく環状道路/大塚康高さん(外環ネット
埼玉、千葉、練馬、世田谷、武蔵野など7市等の住民で外環ネットを構成している。全国で交通センサスという調査をやった。東京を含む周辺はすでに交通需要が落ちている。2回連続落ちている。なかでも外環に沿う国道8号線は2割も減っている。その2割をさばくための計画が外環だったはずだった!9月5日に着工式があった。立ち退きを防ぐために地下を通すというが地下に入る道路を三鷹から造るという問題に取り組んでいる。

以上が取材メモ。 関係URLはこちら→http://suigenren.jp/news/2012/11/21/3297/ 

【まとめ】共通した問題は、1)高度成長期に計画されたが必要性や経済合理性を失い、単なる金食いムシとなった事業であるにも関わらず、2)選挙で選ばれた政治<国と地方の議会>が政策転換をさせられず、3)それどころか辻褄を合わせるために行政機構がつくウソがまかり通ったまま、4)議会はそれを是正させる能力も持っていない。そして5)ほとんどの場合、司法による行政チェック機能も働かない。5)ひたすら官僚機構が前任者の進めた事業を踏襲して、歪みきった社会を維持しようとしている、ということに尽きる。

その解決に向かって動いている人々の分刻みの報告を聴いていて共通しているのは、それぞれの人々は次に何をやるべきかが見えていることだ。その声が「コンクリートから人へ」というスローガンに凝縮されたはずだったが、官僚に囲まれその声が聞こえなくなっていったのが民主党政権だったということになる。そして自民党政権ではハナからその声に耳を傾けることすらしなかったから倒れたのであり、未だにそこ声は届いてはいないのである。

∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞

手前ミソだが、「水資源開発促進法 立法と公共事業」は、「ハコモノ事業推進スキーム」とも言える数々の法律はその使命をとうに終えていることを、その一つの例として描いた本である。その根拠法を廃止しないことには、この法律に連なる政官業学の官民のピラミッド組織は壊れないことを描いてみた。

公共事業に知識のない人でも2時間あれば読める。面白く、そしてムカツク」と、これを読んだ友人からは感想が寄せられてきた。是非、面白くムカツイて欲しい。一つの時代はとうに終わり、そしてそれを終わらせたくないと考えている構造とはどのようなものかを読みとって欲しい。

そしてそれを壊すには、遠回りのように見えても、実はその根拠法を廃止し、部署(ムラ)を丸ごと閉じて、そのムラに閉じこめられているまだ若い才能ある人たちを開放し、本当に必要とされる次の時代へと送り込むことが必要なのだということに目を向けて欲しい

衆議院が解散された2012年11月16日は長い1日だったが、すべての毎日がそうであるように未来に続く一日だったと後で振り返ることができるようにしたい。

2012年11月16日の目次:午後1(国交省前)、午後2(集会に訪れた議員達)、午後3(集会に集った弁護士達)、午後4(集会を企画した主催者達)、そしてこのコマ、そして夕方(官邸前)。

120.増税で公共事業バラマキを許さない集会(後半その1)

2012年11月16日、公共事業問題に取り組む113の団体が参加して開催された、「公共事業徹底見直しを実現する集会」の後半は各公共事業分野の特徴や現状について分刻みの報告が行われた(写真はクリックで拡大)。(赤字は発言者から寄せられた訂正、追加、差し替え部分等です。訂正してお詫びします!!11.19)

司会は江戸川区でスーパー堤防問題などに取り組む稲宮須美さんと
茨城県で八ツ場ダムに取り組む神原禮二さん。

○道路住民運動全国連絡会/高柳俊暢さん
  千葉県で外環道路に42年間、26歳の大学院の学生時代から関わっている。道路問題の大きな特徴は事業費が膨大、何年たっても止めない。住民運動が強ければ、ほったらかしてゾンビのように復活すること。防災の見地から道路事業を進めることが起きている。一般道路や橋、トンネルや海岸沿いを防災しなければいけない。それを放置している。環境対策の名で費用が膨大になった。千葉の外環道路は1.0。果たして便益を費用が上回るのか?

Photo_11http://www14.atpages.jp/roadnet/

○水源開発問題全国連絡会/嶋津暉之さん
政権交代後、今後の治水のあり方に関する有識者会議が開かれたが、ダムに懐疑的な委員は選ばれなかった。14のダムが検証されるはずが、着工後すぐの止められる駆け込みダムは対象外となった。見直し対象となった八ッ場ダムの例では、代替案は富士川から1兆3000億円で水を引くバカバカしいものだった。中止となったダムは15あるが、予算がゼロから数千万円のやる気のないダムだった。

Photo_12http://suigenren.jp/

○ラムサール・ネットワーク日本/陣内隆之さん
那覇空港滑走路増設で大嶺海岸(奇跡的に残った最後の自然海岸)を埋め立てる計画だ。生物多様性に富む。環境アセスメントはまさに「アワセメント」そのもので、「環境保全への配慮は適正である」と判断した。しかし、サンゴ類やクビレミドロは移植技術がない。那覇空港の需要実績を見ても頭打ち。需要予測は過大だ。航空自衛隊と軍民共用を前提し、自衛隊が出ていく選択肢もあるが真剣な検討がない。沖縄は問題が山積みだ。

Photo_15http://www.ramnet-j.org/

Photo_13  
PPTは平宮跡埋立問題http://narapress.jp/hjk/

司会:神原禮二さん「今、衆議院が解散されました!(さっき衆議院議員がと書いていた。トホホ)

Photo_14

○スーパー堤防事業認定取り消し訴訟支援/渡邉拓美さん
堤防は「線」で「点」のダムよりお金がはるかにかかるとダム推進者たちは言うが、「スーパー堤防」の実態は、はじめから線にするつもりもない「点」にすぎず、治水にはテンで話にならない!これで12兆円を使おうという。江戸川区は、「洪水のときスーパー堤防は避難場所になる」と言っているが荒川区では避難するなと言う。江戸川区は、区内が水につかっていても氾濫している川に向かって堤防まで泳いで逃げろと言うのか?しかも江戸川区の優先順位は不思議で、危険で地盤の緩いゼロメートル地帯にはろくな水害対策をせず、区内では水害の心配の少ない地盤が高くていいところに「スーパー堤防」をつくろうとしている。治水より「スーパー堤防」を高層建造物の土台とする場所選びを優先するならわからないこともないが。

Photo_17 Photo_36  Photo_21

○ 日本湿地ネットワーク/伊藤昌尚さん
千葉の干潟を守る会 牛野くみ子 さん
東京湾に残された三番瀬の干潟。堂本知事時代に埋め立てはなくなったが、第二湾岸道路は止まっていない。三番瀬はラムサール条約の登録の要件を満たしているが、千葉県は時期尚早と繰り返している。

中池見湿地 笹木智恵子さん
中池見湿地には、大阪ガス基地があったが中止され、ラムサール条約の登録湿地になった。ルーマニアで行われたラムサール条約締約国会議に7月に行って来た。敦賀市長もラムサール湿地を守ると言った。そのまだブダペストで会議を開催しているときに、北陸新幹線が中池見湿地を通るという。計画アセスで発表された予定地よりも300メートルも中池見湿地側に食い込んできた。中池見は深さ80メートルの深さの湿地に40メートルの深さで泥炭が堆積している地形のレッドデータみたいなもの。その泥炭のお椀を壊すような形で北陸新幹線が通ると、泥炭、生き物たちの生息環境、湿地の形状が変わる。新幹線整備機構はルートについて、11月29日に市民説明会があるということで行って来る。

Photo_30 Photo_31http://www.jawan.jp/index-j.html

○渓流保護ネットワーク・砂防ダムを考える、水と緑の会/田口康夫さん
120年間、砂防ダムは90309基作られてきている。しかし、平均砂防整備率は20%。ハードでの対策の限界を示している。半年で機能不全になる中房砂防ダムなど新規砂防ダムの建設を見直し、既存砂防ダムのスリット化を進めるべきだ。小水力発電に砂防ダムを使うことは止めるべきで、まず用水路での普及を図るべきだ。11月23日の水郷水都全国大会 でも話しをする。

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○日本森林生態系保護ネットワーク/金井塚さん
林野庁を相手にしてきた。その予算の7割が林道予算。生産力がかなり落ち、熊が増えているが、増えているのではなく追い出されている。拡大造林、砂防ダム、ダムによって生産性が止まっている。役所も審議官も静的な自然感を持っているが、自然は動いている。大小の循環が必要だ。住民投票による条例の直接請求を(細見谷林道工事の是非を問う住民投票条例案で)進めることによって、林野庁が環境調査が不十分だと認めた。司法は、生態学の観点では受益者負担金という脇道による方法だったが、細見谷の大規模林道事業を最終的に止めることができた1審判決だが、ムダな公共事業をとめるエンジンになる。これはぜひ使っていただきたい。( http://confe.jimdo.com/ )(詳細:http://hosomidani.no-blog.jp/jumintohyo/cat5772361/ )

○全国自然保護連合/川村晃生さん
リニア新幹線は公共事業ではないが、問題は公共事業的に考えなければならない。JR東海は3兆円の借金がすでにあり、5兆円の借金をする。2045年に完成で9兆300億円ということだが、負担はかさむ。南アルプスにトンネルを掘るという大破壊をするので予算がどうなるか分からない。新幹線の乗車率が5~6割。乗客の確保がありうるか。収支が見合わなくなる。第二のJALのようになる。1時間に5本走らせ27万kWというがエネルギー問題を抱える。リニアが一番電力を使う稼働時に、1~3基の原発が必要になるのではないか。電磁波問題、原生自然の残る南アルプスにトンネルを掘ると生態系の問題が起きる。リニア沿線住民が集まってリニア新幹線沿線住民ネットワークを作る準備をしている。来年、広瀬隆さんを招いて相模原で集会をやる

Photo_38http://www006.upp.so-net.ne.jp/junc/ 

(続く)

119.増税で公共事業バラマキを許さない集会(前半)

2012年11月16日、国交省前官邸前のアピールに続き、
日本各地で公共事業問題に取り組む113の団体が参加して、
衆議院第一議員会館大会議室で、
「公共事業徹底見直しを実現する集会 
増税でバラマキを許さない!」が開催された。

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橋本良仁さん(道路住民運動全国連絡会)が開会の挨拶。

「全国からムダな公共事業をやめようという思いで集まった。
ダム、道路、スーパー堤防、リニア新幹線、干潟・湿地埋立、
日本の川や海や空が、「公共事業」の名のもとに壊されてきている。
福島原発事故を機に、減災、防災という名のもとで行われている。
許されない。今日がまさか解散の日になるとは思わなかったが。
これも何かの因縁だ」

国会議員の挨拶の後、

弁護士の市川守弘さん(日本環境法律家連盟 副代表)さんが
「増税で公共事業バラマキを許さない」を基調講演した。
原告住民を勝たせる少なからぬ実績を持つ、知る人ぞ知る弁護士である。

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大雪山(北海道)、やんばるの森(沖縄)、路木ダム(熊本)など
市川氏がこの日、挙げた訴訟事例の中から一つ、
特筆すべきだと私が思う事例を要約、補足、一般化して書くと、
自治体が個人の受益者負担金を肩代わりした公金支払いへの違法判決を勝ち取った
細見谷渓畔林訴訟(公金違法支出損害金返還請求事件)の例だろう。
(詳しくは:http://hosomidani.no-blog.jp/jumintohyo/cat5772361/ )

公共事業の中には「受益者負担」といって、
経済的な利益を受ける者が「負担金」を支払わなければならない事業がある。
ところが、多くの事業で、ありもしない「受益」を作り出して、自治体に推進させたり、または、自治体もグルになり、個人が払うべき「負担金」を「肩代わり」して、
私益を税金で賄ってシレっとしている例が横行している。
しかし、これをキッチリ調べて記事や訴訟になったケースが実はあまりない。
市川弁護士の世の中にあまり知られていない業績の一つはこれをやったことだ。

市川弁護士は、「こうした補助金を出させない、ということを当たり前にすれば
農水省事業はガタ減りをするはず」と受益者負担金の肩代わり問題の追及を
全国に広めようと訴えた。

とそこへ、意外な飛び入りがあった。宇都宮けんじ弁護士 だった。
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「石原都政は世界の都市と競争するという都政だった。
福祉を切り捨て、貧困を創り出した」とそれに代わる今後をアピールした。

続いて、弁護士鈴木堯博さん(日弁連 元公害対策環境保全委員長)からは
「公共事業改革基本法案(試案)」について特別報告

日弁連は弁護士法1条「基本的人権の擁護と社会正義の実現」を原点に「法律制度の改善に努力」することが原点で活動。鈴木弁護士らは公共事業については現場主義で現地調査に基づき意見表明を行ってきた。その集大成として「公共事業改革基本法(試案)」を作ったとして法律案(試案)を紹介した。

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現在の公共事業の評価制度には多くの問題がある。環境に及ぼす影響を無視、費用便益評価はお手盛り、情報公開・市民参加の手続きが欠如している。たとえば高尾山を貫く圏央道の裁判では、高速道路の便益額に「その他道路」を恣意的にいれていた。しかし、こうしたことが見抜かれない。公共事業の評価結果は2002年から3年間で、
・事前評価で不採択が妥当とされたのは0%
・再評価で中止が妥当とされた事業は1.5%
・事後評価で改善措置が必要とされたのは0.1%
2009年までを累計で計算してもほぼ同じだったという。

そこで、日弁連の公共事業改革基本法(試案)は、こうした点を克服する考え方でなりたっている。情報公開の保障、双方向性の市民参加の保障、環境保全優先性、国と地方公共団体の役割分担、審議会改革、独立・中立の「第三者機関」によるチェック、不正行為の禁止、費用便益分析算定データの公表について規定した。

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「これをどう実現するか。ムダで有害な公共事業の中止を求め、裁判を起こし、負けてもねばり強く訴え続けることで、全国に批判的な世論を盛り上げ、国会内の動きを作り広げていこう。」と鈴木弁護士は訴えた。

・・・後半に続く。

利根川・江戸川有識者会議の続き、そして大飯原発の破砕帯問題の話もその後に続けます。sweat01(仕事もエベレスト並に山積み・・・・)

2012年11月17日 (土)

118.官邸前から議員会館 解散最中の議員達

続きです。

2012年11月16日、「公共事業徹底見直しを実現する集会実行委員会」の呼びかけで集まった国土交通省正門前でアピールの後、官邸前に30分以上遅れで到着(これはあまりいただけない展開・・・。こちらでご案内をしたので、もしもご案内した通りに2時においでになった方がいたら申し訳ありません。)、短時間で官邸前アピールを行って、3時から衆議院第一議員会館で院内集会が始まった。主催者発表で参加者は160人だった。

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衆院解散の日でありながら少なくない党から議員達が挨拶に立った。
挨拶があった順番でここでは写真のみで紹介すると、

22_2 社民党・福島瑞穂参議院議員

23_2 共産党・赤嶺政賢衆議院議員(その時点では)

24 民主党・大河原雅子参議院議員

Azuma国民の生活が第一・東祥三衆議院議員(その時点では)
同党からは広野ただし参議院議員も挨拶をした。

28民主党を離党したばかりの
初鹿明博・前衆議院議員(解散後に到着したので)

まさに解散さなかの院内集会となった。
こんな最中では一人も議員は来ないのではないかと思っていたが、来るものである。

意外だったのは国民の生活が第一で、政権交代前のさらに
遙か前、民主党が結成される前の自由党であった時には
いかに選挙前とは言え、挨拶になど来ただろうか?と思うのである。
政権交代を通して、微妙にいい意味で変化を感じとれたのはこの人々である。

その他の議員たちは常日頃からムダな公共事業削減には積極的で
いつもの姿である。

この輪がかすかな変化があるだけで、さほど広がらないうちに解散となってしまったのは
この問題にあらゆる角度から取り組んできた者として著しい力不足を感じる。

いや、かすかな変化こそが次へつながるはずなのだ・・・と思うことにする。

117.秋晴れの空の下の国交省正門前と「新・仕分け」

11月16日(金)、今日も秋晴れ。

午後1時、増税前に止めるべき公共事業があると
九州から北海道まで全国から国土交通省正門前に人々が集まった。

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目的はともかく市民の現れるところに現れる警官たち。

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増税した税金で無駄な公共事業をするなとの要請書を「会議室がないから正門で受け取る」としていた国交省は中に入れろという市民と押し問答。

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しかし、押し問答の末、人数を10人に絞って入ると、会議室に通されたと言う。会議室がないってウソじゃないかとブーイング。

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リニア新幹線9兆円、スーパー堤防12兆円、そして外環道は1兆3千億円。

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「ムダな公共事業をやめろ!中止しろ!」

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過ぎゆく車にもアピール。

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「石木(いしき)ダムは要らない!」「成瀬(なるせ)ダムは要らない」
「設楽(したら)ダムは要らない!」「サンルダムは要らない」「山鳥坂ダムは要らない」

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「国交省、聞いているか、八ツ場ダムも要らない!」

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「リニアは公共事業ではないがJR東海には3兆円の借金がある。まだやるのか。需要予測が過大だ。公的資金を投入したJALの二の舞になるのか」

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数々のムダな公共事業リスト。

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官邸前に移動。2時からの予定がすでに2時半・・・。
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国会前の銀杏は美しいが・・・・。

丁度その頃、この移動の通り道にあった中央合同庁舎4号館では
衆議院を解散をした野田レイムダック首相にハシゴをはずされた「新仕分け」が行われていた。

水資源開発促進法 立法と公共事業」P.72~73に書いた理由やその他の理由で
今さら期待も幻滅もしないと思っていた。

しかし、念のために見てみると、オープン・ガバメントのなれの果てともいうべき姿を呈していた。
・傍聴者を受け入れない、
・取材者は事前登録もしくは国会記者証が必要で
・たった4人の仕分け人が官僚軍団に取り囲まれ、ご説明を受ける。

奇妙奇天烈な 「新しい審議会ショー」だ。何が「新」なのかと見ると、
一部の国民しか利用してないツイッターで意見を寄せることが加わったようなのだ。
http://www.cao.go.jp/gyouseisasshin/contents/01/shiwake.html 
恐ろしいことになった。こんなことで「新・仕分け」と標榜しようとしていたのか。

恐ろしいのはこうした形式だけではない。

仕分けられる前提となっている来年度の「復興特別会計関係要求額」だ。
東日本大震災と原発事故に乗じた史上最大最悪の焼け太り、
政権交代が産んだモンスター官庁、モンスター予算の中身である。

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こんな概算要求を出させたまま、解散してしまったのである。

2012年11月16日 (金)

116.金曜夜官邸前写真

2012年11月16日、衆議院解散の日、
金曜日夕方恒例、首都圏反原発連合の呼びかけにより
こんなプラカードを持った人たちが、集まっていた。

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先日、出馬意思を表明した宇都宮けんじさんが登場し大盛り上がり。
「東京なのに」「宇都宮」、「弁護士なのに」「け・ん・じ」

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115.北海道の大地から声明が届く日

国土交通省が進めるサンルダムの検証に対し、2012年10月29日に
今後の治水対策のあり方に関する有識者会議が検証するにあたって、
 
北海道民から

1.北海道開発局住民アンケートではダム希望は7%にすぎない
2.地域振興のためにダム建設をすすめるのは許されるか?
3.サンルダム建設ではなく、名寄川の河道掘削案がベスト。

などについて、しっかりと議論をして欲しいと要請があったことは
「代替案のあるサンルダムよりサクラマスの遡上する川を!」で書いた。

Photo_2 大地を流れるサンルダム2007年秋

結論を言う。一切、議論は行われなかった。
国交省が明らかにした議事要旨でも明らかだ。
http://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/tisuinoarikata/dai26kai/dai26kai_gijiyousi.pdf

これに対し、「北海道脱ダムを目指す会」からは以下の声明が出されている。

声明 
 国交省・北海道開発局・北海道知事の無責任で傲慢な
 「回答しない政治」から
 「説明責任を果たす政治」への転換を!

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声明はサンルダムと共に、平取ダムについても向けられている。↑↓写真は2007年秋に撮影。

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内容は
1. 高橋はるみ北海道知事、北海道開発局旭川開発建設部・室蘭開発建設部および国交省・今後の治水対策のあり方に関する有識者会議はいずれも、私たちの「サンルダムと平取ダムについての意見・疑問」に無回答のまま、その上で具体的な根拠も示さず「早期完成」を述べており、極めて無責任である

2. 今、行政には透明性と説明責任が求められている。説明責任とは、権限をもつ行政が、主権在民の憲法に基づき、行政自身の行動について事前・事後に説明する責任のことである。裏を返せば、「説明できないことはしないこと」だ。

とするもの。「121031_how_about_some_accoutability.doc」をダウンロード

北海道脱ダムをめざす会構成団体
・(一般社団)北海道自然保護協会 会長 佐藤謙   
・十勝自然保護協会 共同代表 安藤御史・佐藤与志松・松田まゆみ
・北海道自然保護連合 代表 寺島一男  
・富川北一丁目沙流川被害者の会 代表 中村正晴
・平取ダム建設問題協議会 代表 松井和男
・苫小牧の自然を守る会 代表 舘崎やよい 
・ユウパリコザクラの会 代表 藤井純一  
・イテキ・ウエンダム・シサムの会 代表 佐々木義治
・胆振日高高校退職教職員の会 代表 高橋 守
・自然林再生ネットワーク 代表 前田菜穂子  
・下川自然を考える会 会長 千葉永二   
・サンルダム建設を考える集い 代表 渋谷静男
・環境ネットワーク旭川地球村 代表 山城えり子
・大雪と石狩の自然を守る会 代表 寺島一男   
・旭川・森と川ネット21 代表 平田一三
・当別ダム周辺の環境を考える市民連絡会 代表幹事 安藤加代子

この声明にただの一人でも異論を唱えることができる人がいるだろうか?

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上記写真、平取ダムの予定地も、アイヌの聖地を沈めて裁判に負けた二風谷ダムと同様、アイヌの聖地です。

この有識者会議の実態について報告を頼まれたので、
土曜日、東京で、代替案とともに、冒頭9時から15分弱で報告します。

水源開発問題全国連絡会「総会」
  日時:11月17日(土) 9時~12時 
  場所:全水道会館 5階中会議室 (JR水道橋から徒歩3分)

(拡大でクリック)

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この会議が「非公開」で開催されてきたことはこちらで何度も伝えてきました。
その「非公開」ぶりはエスカレートし、
バリケードと施錠と共に開催するようになりました。
私はジャーナリストとして傍聴ができます。
しかし、この事業によって大自然が奪われる道民や未来世代の代弁者は
なぜ、議論なき、結論ありきの河川ムラの実態を見ることすらできないのでしょうか。

この総会では、現地、そして同様の問題を抱える各地からも現場における事実と建設的な意見が寄せられるはずです。

詳しくは水源開発問題全国連絡会のウェブで→ http://suigenren.jp/

2012年11月15日 (木)

114.バラマキ公共事業を許さない集会

明日は解散というとき開催される集会がある。

ただでさえ未来に借金を残すだけの未来社会を不安定に陥れるハコモノ事業が多い中、

今年の通常国会では財務省所管の消費税増税法(正式名称:社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律)が衆議院で修正、成立し、その目的とは真っ向から矛盾する附則18条2項で「成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分する」と増税分を公共事業に使ってよろしいとしてしまったことは記憶に新しい。

増税前に止めるべき公共事業問題に取り組む各地の市民から次々と報告があるという。

11月16日(金) 
13時~ 国土交通省前アピールと要請
14時  内閣府前アピールと要請
15時-18時「公共事業徹底見直しを実現する集会」
     場所:衆議院第一議員会館 大会議室
     (2時30分から入口で入館証配布、誰でも参加可)

基調講演 増税で公共事業バラマキを許さない
       市川守弘氏(日本環境法律家連盟 副代表)
特別報告 「公共事業改革基本法案(試案)」について
       鈴木堯博氏(日弁連 元公害対策環境保全委員長)

道路、ダム(砂防ダムを含む)、スーパー堤防、リニア新幹線、湿地埋立他
市民団体からの報告

○道路住民運動全国連絡会
○水源開発問題全国連絡会
○ラムサール・ネットワーク 日本
○スーパー堤防
○日本湿地ネットワーク
○渓流保護ネットワーク・砂防ダムを考える、水と緑の会
○日本森林生態系保護ネットワーク
○全国自然保護連合
○東京外かく環状道路
○泡瀬干潟
○辺野古埋立事業報告
○当別ダム
○サンルダム・平取ダム・厚幌ダム
○成瀬ダム
○最上小国川ダム
○思川開発事業(南摩ダム)
○八ツ場あしたの会
○渡良瀬遊水池
○設楽ダム建設事業
○内海ダム再開発
○石木ダム建設絶対反対同盟
○川辺川ダム

国会議員挨拶 随時
主催 11.16公共事業徹底見直しを実現する集会実行委員会
詳細チラシ

113.選挙権から被選挙権の行使へ

川原湯温泉駅の入り口付近に、今、再び、十字架ができつつある。八ツ場ダムができた場合に必要になる湖面一号橋だ。2009年、民主党政権が八ツ場ダムを中止する、見直すと言いながら、もし中止となれば不要となるのに着工に同意を与えてしまった橋だ。

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一方、長年、八ツ場ダム事業を推進してきたのは、小渕優子衆議院議員、山本一太参議院議員、そして、八ツ場ダム推進議員連盟の事務局長の萩原渉群馬県議をはじめとする旧政権だ。

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今度の選挙を象徴する風景だ。

前回の衆議院選挙は単に「自民党」ではダメだという消去法で「民主党政権」が誕生した。

3.11以降、自治体選挙では消去法形の選挙権の行使ではダメで、被選挙権の行使へと市民が大きく動き始めた。東京都知事選はその最大の局面にとなるのかもしれない。

11月14日に行われた宇都宮健児さんの集会には、1400人も集まったという。
http://www.kakugo.tv/index.php?c=search&m=detail&kid=194

原発軸に論戦スタート 刈羽村長選 朝日新聞2012年11月14日
http://mytown.asahi.com/niigata/news.php?k_id=16000001211140005

112.遺跡は何を語るか-群馬県長野原町

11月14日、群馬県の小川晶・県議、角倉邦良・県議が、八ッ場ダムの水没予定地や付替道路予定地から発掘された遺跡の発掘調査現場を視察した。群馬県教育委員会事務局の西田健彦・文化財保護課長、群馬県埋蔵文化財調査事業団の中沢悟・八ッ場ダム調査事務所らの説明を受けながら、縄文時代から江戸時代に至る5箇所の遺跡を回った。

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東宮遺跡

川原畑地区の東宮(ひがしみや)遺跡は江戸時代、1783年(天明3年)の浅間山噴火で「泥流が家を押しつぶすような形で埋もれたと考えられる」(課長)遺跡だ。21軒が流され四人が死亡した記録が残っている。田んぼが作られていた場所を1.5メートルほど発掘したところ、泥流の下から住居跡が掘り出された。

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229年前の8月2日、大噴火で山体崩壊を起こした浅間山は5日となり、土石なだれとなって鎌原村(現、嬬恋村)を襲い、沼を飲み込みながら泥流となって吾妻川を流れ下っていったことが以前からの調査で知られている。

東宮の発掘からは、木が倒れた方向で泥流がこの場所では逆流をしていたことが分かったという。「一気に上から泥流が来たというよりは、何かの理由でジワリジワリと泥流が逆流した場所ではないか。21軒も流され、4人だけが亡くなったというのは、たとえば家族や家畜とまずは逃げて、もう少し何かを取りに戻って流されてしまったということかもしれない」と課長らは当時の様子に想像をふくらませた。

そんな想像が湧いてくるのは、生活の場を彷彿とさせる出土遺物が出てきたからだ。特徴的なのは梅干し。空気に触れて一瞬にして色あせたが食べられるほどに赤い梅の実が出土した壺の中から出てきたという。下駄、キセル、団扇、小判、麻の実が詰まった桶などが出土している。

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電信柱が立っているところは除けて発掘したために掘った深さが分かる。写真は掘り出された石垣。住居跡は発掘、報告書作成後に埋め戻されている。

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江戸時代と変わらないであろう秋の空。

三平遺跡

二つ目に訪れたのは、工事中の湖面一号橋につながる道路予定地の下から出てきた三平(さんだいら)遺跡。平安時代の暮らし方の跡が見える遺跡だ。

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手前から遺跡、建設中の湖面一号橋、対岸の山肌に造成された打越代替地に建った住居が並ぶ。

この遺跡で特徴的なのは落とし穴だ。何を採るためだったのかは推測の域を出ない。「シカかイノシシか・・・」動物の通り道に掘り、落としてそれを食べたのではないか。ラッパ型でストンと落ちやすく、細長くすることで出ようと思っても胴がつかえて出られない形状ではないかという。人の身長以上の深さだ。

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住居と考えられる跡もある。赤ちゃけた焼土の跡でかまどの場所が分かるという。下の写真では手前側のでっぱりのところがそれらしい。この地域では西から東に風が吹くので、東側に設けられたかまどが多いと言う。

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平安時代と言えば、文書に残っている紫式部のような貴族の世界を私たちは思い浮かべるが、庶民の生活はこんなに小さな住居で営まれていたのか。知るすべはそうは残されてはいなさそうだ。

なお、この住居跡の真ん中にある穴は、住居があったときとは違う時に作られたものだったのではないかという。どちらが先か、この穴が何に使われたのかは分からないものらしい。

上原Ⅰ

三つめに訪れたのは、現在、限られた人員を集中させて発掘をしている林地区の上原I。道路と造成地予定地となったため発掘調査が入り、前期・後期の縄文時代から平安時代の4軸の住居跡や落とし穴10基などが出てきた。写真右手に上原Ⅱ~Ⅳまである。

発掘中の高さと、左端の21世紀の高さが埋まっていた土の深さを示す。草などが腐っては土になり、斜面の中腹なので上から雨などで流れてくる土もたまるので、深くなるのだという。奥に見えるのは掘って出てきた土。

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縄文式土器が見つかった住居跡。半円形の住居なのかと思えば、こうした調査は公共事業地の下のみ掘るものだそうで、左半分は今後も土の中に埋まり続ける。もしこれから1万年後にここを掘る人がいたら、縄文時代の居住跡を半分壊して道路を作った今の私達の行状が読みとれるのだろうか。いや、この電子文書がなんらかの形で1万年後に残ったら、そう思考していた事実を知ってもらえるだろうか。それとも・・・・・。

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今回の視察に加わった縄文遺跡の専門家、文化財保存全国協議会の勅使河原彰氏によれば、この土器の左側が口、右側が底。

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「闇夜の烏です」と群馬県埋蔵文化財調査事業団の中沢悟・八ツ場ダム調査事務所長らがこれから発掘する穴を表現した。発掘中の専門家が、薄いオレンジ色に見える「火山灰のばらつきや粒が他とは微妙に違うことで分かる」と解説してくれるが、筆者が目を凝らして見てもまったく分からない。発掘作業には素人である長野原住民も雇用されているが、個人差はあるが半年ぐらいで見分けることができるようになる人もいう。勅使河原彰氏も感嘆していた。

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こうした発掘現場で作業を共にすれば、「家族同然となる」「かあちゃんと過ごすよりも長い時間を過ごすもんなぁ」という。現地採用も行われるので、地域にとっては貴重な現金収入の機会となる一方で、住民の土地が買収され立ち退き後に初めて行われる調査であり複雑な思いが交錯することだろう。

美しく掘り出された竹の子のように見える縄文土器の底。

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発掘現場で見ると、博物館などでは考えたこともないことが頭に蘇った。

エクアドルのアマゾン川源流で、こんな形の土器を火の中にドンと立てて使うのを見たことがある(現場でこれを見ながらメキシコと言ってしまったが、エクアドルの間違いです!)。IHヒーターがあるわけでもなし、焚き火に直火で使う土器の底が平らである必然性はなく、縦長でとがっている方が火の中に突き立て易い。すわりの悪い格好をしたのは、火の中につきたてて使う調理器具だったのでは?と縄文時代への妄想が膨らんだ。

このような遺跡はどこにでも出てくるというわけではない、むしろ山あいでは珍しいのだと言う。縄文時代の前期は地球温暖化で内陸まで海が入り、栗などの落葉広葉樹が豊富だったからではないかという。

横壁中村遺跡

四番目は、長野原名物「丸岩」から見下ろせる横壁地区の中村遺跡。水没予定地住民の移転先として作られた代替地や道路の下から縄文遺跡が出た。すでに盛土をして道路になってしまったところで説明を受けた。

2万平米にわたる大規模な集落跡で、7千年から8千年ぐらい前の長い期間の累計で200軒ほどがあった場所だ。十数軒から成る直径およそ200メートルの環状の集落も見つかった。特徴的なのはその環状集落の真ん中にお墓がすえられていたこと。「死んだ方も合わせて家族として一緒に暮らしたのではないか」という。こうした環状集落の円をつないで描いてみると、川の向こうまでその集落が続いている。縄文時代は、吾妻川は今とは違う流れ方をいたのだろうという。

この同じ場所には中世の館(立派な屋敷)や4~5軒の掘っ立て小屋も見つかった。

「ここは太陽が丸岩の向こうに3時を過ぎると沈んでしまい、とても寒い。それでも時代を超えて住居として使われたといういことは、一つには川は強酸性で使えなかったが、山からの沢水が良かったのだろうということ、一つには多様な動植物が手に入り生活がしやすかったのだろうと考えられます」との説明にうなづくばかりだ。

電信柱や電線を除けば、これが彼らが見ていた風景だ。

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石川原遺跡

最後に川原湯地区の石川原遺跡に来た。2009年に「十字架」で有名になった橋と川原湯温泉の間に位置する。江戸時代の田畑と屋敷集落が見つかった。数万平米の広さがあると考えられるが、川原湯地区にはまだ未買収地があるために、一部のみしか調査は進んでいない。駅への帰り道、水没予定地にはまだまた、従来の暮らしを続けている家屋や畑が残っていることに気づかされた。

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今回の視察に長野原町から参加した地元住民からは「予定地一体を遺跡パークにしたらいいのではないか」との声も聞かれた。口にした者もしなかった者も、同様のことを考えた人は少なくなかったのではないか。

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専門家も加わっての県議二人の視察に同行取材させていただいたことに感謝します。

・・・鈍行列車で帰る途中、日経メールニュースで「16日解散」と入っていた・・・。

2012年11月12日 (月)

111.「水資源開発促進法 立法と公共事業」に書いたこと

知人がブログで紹介してくれるとのことで、短く自分の本の紹介文を書きました。
それに少し手を加えて一足先にこちらでも自書紹介をさせていただきます。
拡散・転載・転送歓迎です。

「水資源開発促進法 立法と公共事業」(築地書店)は、半世紀前にできた法律名を冠し、平易で一気読みができるように書いた、無駄な事業が何故止まらない?止められない?に答える種明かしの本です。

「無駄な公共事業」の代名詞となった「長良川河口堰」が1995年に運用開始してから17年が経ちます。しかし、未だに一滴も使われない工業用水を抱えるその長良川に、今度は、隣の揖斐川に2008年に完成した「徳山ダム」から導水する「木曽川水系連絡導水路事業」という計画が存在します。ところが、長良川と同じ名古屋市などが受益地である徳山ダムの水が要るはずもありません。

国の借金が刻々と1000兆円に近づく今、何故、このような無駄(*)が止まらないのでしょうか。その謎を明らかにしたのがこの本です。

こうした事業を必要としているのは他でもない。事業を行っている独立行政法人水資源機構そのものでした。建設事業費を地方に負担させ、本社や支社にいる無用な職員給与を捻り出すマネーロンダリングのような行為を行っています。この秘められたカラクリを黒塗り資料等を元に取材で明らかにしました。

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問題の所在はすでに1980年代から会計検査や行政監察によって繰り返し指摘されていました。しかし、役割を終えた法律(政策)に終止符を打つ廃止立法を成立させるべき国会の役割が果たされてきませんでした。本書には「水資源開発促進法」を廃止すべき立法事実を淡々と列挙しました。

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「水資源開発促進法」は、利根川、荒川、豊川、木曽川、淀川、吉野川、筑後川の7水系の水資源(ダム)開発のためだけに作られたものです。ところが、それを根拠に設立された特殊法人水資源開発公団(現、独立行政法人水資源機構)は、歴代の国土交通官僚トップである「技監」の天下り指定席を確保しつづけ、全国の一級河川109水系のありようを左右しています。

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出典:新理事長紹介(独立行政法人水資源機構)2011年10月(多分間もなくリンク切れするかと・・・)
http://www.water.go.jp/honsya/honsya/pamphlet/kouhoushi/2011/pdf/1110-03.pdf 

この法律の廃止とそれを根拠に持つ組織の解体は、河川ムラのためにある河川行政から未来の国民のための河川行政へと向かわせるために不可欠なプロセスです。全109水系で行われている数々の無駄な事業に終止符を打つことにつながります。また、この法律の廃止はその他の役割を終えた公共事業政策にも波及すると考えています。

それだけにこのプロセスには激しい抵抗が予想されます。ご一読いただければ幸いです。

まさのあつこ(政野淳子)

(*)血税を吸う水資源機構がこれから新たに建設しよう、建設を続けようとしている事業には、関東では思川開発事業(栃木県)、霞ヶ浦開発事業(茨城県)、関西では丹生ダム(滋賀県)、川上ダム(三重県)、中部では木曽川水系連絡導水路事業(岐阜県~愛知県)、九州では小石原川ダム(福岡県)などがあります。また、水資源開発促進法を根拠にしている自治体や国土交通省の事業には、安威川ダム(大阪府)、設楽ダム(愛知県)、八ツ場ダム(群馬県)などがあります。(本書ではその一部を例示してあります)

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2012年11月11日 (日)

110.利根川・江戸川有識者会議(27)ブラックボックスのまとめ

おさらいです。
第7回利根川・江戸川有識者会議(平成24年10月16日)で、
関良基委員が述べた意見をまとめると次のようなものでした。

2011年6月8日に日本学術会議に提出された谷誠委員と窪田順平委員の資料に基づけば、
八ツ場ダムが建設される吾妻川流域(第四紀火山岩)は、
降った雨の32%しか川に流れ出て来ず、残り7割は地下に浸透する。
しかし、国交省は40%ぐらいが川に出てくるという計算をする。

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同じく谷・窪田委員の資料に基づけば花崗岩類の地域では
約68%が川に流出する。しかし、国交省は100%として計算している。

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出典http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/bunya/doboku/giji-kihontakamizu.html
http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/bunya/doboku/takamizu/pdf/haifusiryou09-2.pdf 

定数を意図的に操作すれば、流量は過大に計算される。
裁判所ではすでに論じられたブラックボックスが
ようやく国土交通省が設置した会議においても語られ始めたのだ。

逆に言えば、今までは、国交省が導きたい結論に反する学者は
招かれざる客として、人選からはずれていたことを物語る。

5.虫明功臣委員の反論

この説明に対し、「御用ができる学者でいたい」と以前、私に語り、長年、
「御用」を務めている虫明功臣・東京大学名誉教授の意見は次のようなものだった。

「関委員は第四紀と第三紀は一時代しか離れていないから
同じようなもんだという発言があったが全く違う。
第三紀層は海の中で堆積して陸化したものですから
噴火した火山とはまったく違う

花崗岩と第三紀を一緒にするのはいいが、
第三紀と花崗岩は1になっても不思議はない。流域の土壌は飽和に近い。
ただ第四紀の火山岩類というのはいつまでもいつまでも浸透する」

・・・書いていて気が付いたが、そうだとしたら、1ではなく「0.68」という数字を出している
2011年6月8日に日本学術会議に提出された谷誠委員と窪田順平委員の
資料に異論を唱えていることとなる

関委員の言っていることを否定しようとして、
日本学術会議のデータを、根拠をあげずに覆そうとしたことになる。

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国交省の結論と合わない都合の悪いデータにスポットがあたった瞬間
論拠なくそのデータを否定するというのは、東大の風土とも思えないが・・・。

虫明委員は、続けて加えて、違う観点から次のような意見も述べました。

「(目標流量については)どういう安全度を考えてという議論をすべき。
日本のように沖積地、氾濫源に住み、治水安全度は相対的に低いと思う。
施設整備を進めることと、それでできないことはソフト対策をやる。
後者について議論は始まっています。
大規模水害に関する検討会を三年以上やりましたけれども、
実際に氾濫したときにどう対応するかという議論は進んでいて、
ここは、ただ、この議論の場じゃない
我々は、河川法で決められている河川整備計画を議論する。」

(これについては後述したい)

6.虫明功臣委員の反論への関委員の反論

さて、虫明委員の意見(前半)に対する関委員の意見は、以下のようなものだった。

第三紀層、第四紀層は全然違う」という虫明先生の指摘がありました。
「違う」んです。第三紀は「0.4」じゃなくて、「0.7」だという違いがありまして、
まったく違う。0.4ではないですが、1にはならない。
花崗岩もそうだと思います。実際のデータでそうなっております。
しかし、国交省はかならず1.0と決めている。
先入観を排して決めれば1.0にならないと思います。」

虫明委員からの再反論なし。勝負はついた。
データを否定する根拠を虫明委員は持っていないのである。

【ブラックボックスについてのまとめ】

さて、まとめてみると、小池委員は
 ○森林の保水力は上がったと当然認める。
 ○しかし、その分、都市化や河道の変化で相殺された。
 ○従って、森林の保水力の変化が検出できなかった。
と述べた。しかし、小池委員はこの「主張」を裏付ける根拠を、
虫明委員がそうだったように、何も示していない。

日本学術会議に提出された回答でも、同様に、なんの論拠もなく突然、
言葉でそう「主張」されているだけで、実際にあるのは以下のデータである。

10

出典:関良基委員提出資料(p.8)

このデータは、国交省ですら、新しいモデルを構築する際に
昭和33年から平成19年に到る10洪水では
年々増加する飽和雨量を用いなければ、
その再現計算ができないという事実を示している。ここでも勝負があった。

・飽和雨量による川への流出量への変化(関委員と小池委員)、
・地質の違いによる川への流出量の変化(関委員と虫明委員)

この双方が国土交通省が明かさない「ブラックボックス」として機能し、
ダムの必要性の根拠となる数字の操作が可能だったことが明らかになっただけではない。
そのカラクリが明らかになってしまった後でも
平然とそのカラクリを否定する主張を述べて、
事実とは合わない結論(日本学術会議の回答)を支持しているのが
小池委員と虫明委員である。

宮村忠委員は、こうしたまとめを一切行わずに
「ではこれで」と国土交通省の事務局に司会を渡した。

おさえていくべき共通認識をおさえずに、なぜ、官僚に丸投げができるのだろうか。
こうしてダム事業のいい加減さは放置され、
できた途端に無駄と分かるダムが建設され続けてきた。

ここ↓から始まったブラックボックスの話はここで一端終わりです。
1. 地質の差で、山に降って川に流れてくる量が違うこと
http://seisaku-essay.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-2141.html
(明かされ始めたブラックボックスⅠ)
2. 飽和雨量によって、山に降って川に流れてくる量が違うこと
http://seisaku-essay.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-5bfb.html
(明かされ始めたブラックボックスⅡ)
3. 小池委員の反論
http://seisaku-essay.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-0d8b.html
(明かされ始めブラックボックスⅢ)
4. 小池委員の反論への関委員の反論
http://seisaku-essay.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-0957.html
(明かされたブラックボックスへの反撃)
5.虫明委員の反論(このコマ)
6.虫明委員の反論への関委員への反論(このコマ)

議論の端々で明らかになったその他の問題についても記録していきたいと思います。

ちょっと休憩

泳げる川
食べられる川
飲める川

このことは言葉で言ってわからなくても
写真なら伝わるのかもしれない。

朝起きて宿の二階から下を眺めると
前の晩には真っ暗でわからなかった風景が現れた。

おぉ。私はこの川の向こうから国境を越えてやってきたのだ。

Mg

泳げる川。1993年10月10日撮影 まさのあつこ (クリックして拡大可)

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『水資源開発促進法 立法と公共事業』(築地書館)を刊行しました。
読んだ方からは、タイトルは固いけど一気に読めて分かりやすい!と
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2012年11月10日 (土)

109.国際会議でのフリーランス記者の扱いは?

福島で12月15~17日にIAEAが開催されます。
フリーランスってどうなるんだろうかと記者仲間からメールが来ました。

http://www-pub.iaea.org/iaeameetings/20120216/-The-Fukushima-Ministerial-Conference-on-Nuclear-Safety

そこで、昨日、↑ここにあった外務省のメディア担当に電話をしてきくと、
「今、まさに扱いを協議している」とのこと。

海外からの参加登録は11月15日が〆切だというのに悠長な話です。

「フリーランス(記者)の扱いは国際標準で頼みますよ。
ダブルスタンダードはなしで」とお願いをしておきました。

私は行くとも行かないとも決めていませんが、
お知らせしておきます。

2012年11月 7日 (水)

108.大飯原発の活断層を巡る学者の議論を見て

今日11月7日(水)は午後、
原子力規制委員会の「大飯発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合」
http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/ooi_hasaitai/
第二回会合が開かれる。

大飯原発敷地内に活断層が走っているのではないかと
警鐘を鳴らしてきた渡辺満久教授(東洋大学・変動地形学)の議論は
見ておきたいと思い、11月4日の第一回評価会合を動画で見た。

他のメンバーの素性は分からずに見始めたが、
岡田篤正立命館大学教授が動画1:56:30~で
http://www.youtube.com/watch?v=D3lSO4r2fK8&feature=plcp 
「地形が分かる人が見たら、馬蹄形にへこんでいますよね」と言った瞬間
変だと思った。八ツ場ダムの水没予定地が地すべり地形だらけであり、
「馬蹄形」は見慣れているが、岡田氏はそうとは言えないところを指している。

変だと思ったのはそれだけではなかった。
問題となっている地層を論じる時も、
活断層だと即断するのは危険だといって周辺図を論じる時も、双方とも
岡田教授は自分の資料で根拠をあげて語るのではなく、
渡辺教授の作った分かりやすい資料で、その持論を展開した。

地すべりを主張するなら、自らの資料に十二分にそう書けばよいところ、
自らの資料では“すべり”と曖昧な表現でしか書いていない。
http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/ooi_hasaitai/data/0002_11.pdf
しかも、「見たことがないトレンチ。異様だ」とも述べた。
「見たことがない」なら判断ができないはずが・・・・。

一方で、活断層であると主張した渡辺教授の資料には活断層であることが明言されている。
http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/ooi_hasaitai/data/0002_14.pdf
そして、渡辺教授は、岡田教授に対して
「岡田先生は大断層、大破砕帯を調査してきている」、F6はそうではないと指摘。
これに対し岡田教授は、小さな断層も見てきたとは言うのだが、
今回のような断層は「見たことがないトレンチ。異様だ」と言ったのだから説得力がない。

市民団体情報を見ると、岡田教授は元原子力委員会委員だったとある。
残念ながら、なるほどと合点がいってしまった。

もう一方で、地すべり説が否定できないことを繰り返す岡田教授を
勇み足で唯一擁護した重松紀生・産業技術総合研究所主任研究員は
渡辺教授から「海から陸に向かって乗り上げるような地すべりはありえない」と言い返されて、
「あ、そうですね」と引き下がった。

そして、この有識者会合を率いる肝心の原子力規制委員会の
島﨑邦彦・原子力規制委員会委員長代理は
「横ズレは全然みてなかったんですが
東の端にある横ズレが、本当にそうであれば重要なもの。
私は見落としていたので、コメントのしようがない」とコメント。

この重い責任を持つ委員長代理は、見るべき所がどこかが分かっていなかったか、
調査受け入れ側(案内役)がしっかり問題箇所を見せなかったことになる。

残る廣内大助・信州大学教育学部准教授も
「僕も正直そっちの時間が少なかったものですから
現段階ではもう少しじっくりその部分を調べて欲しいと申し上げたが
写真を見る限りにおいては活断層、動いていてもおかしくはないんじゃないか。
解釈図を見る限りで矛盾はない」と発言。

岡田教授は形勢が悪くなったのを感じてか、
自分が地すべりの専門ではないことを述べた上、
「ここが分からない。判断できない。地すべり学会から専門家を入れて、
こういったことが起こるのか起こらないのか判断すべきだ」と言い始めた。

廣内大助・信州大学教育学部准教授は
地すべりかもしれないから地すべりの専門家に聞くのはいいが、
地すべりの専門家は活断層の専門家ではないから
活断層であることを否定できないだろう、との主旨を発言し、ごもっとも。

今回の調査の目的は、敷地周辺に活断層の定義に当てはまるところがあるかどうか、
12.5万年以降に動いたかどうか、これから動く可能性があるかどうかだった。

そして、島﨑邦彦・原子力規制委員会委員長代理は次のように4日の議論をまとめた。
「“すべり”があって12.5万年以降のものと見られる。
活断層によるものと考えても矛盾はないが、
地すべりの可能性が否定されているわけではない」

岡田教授の顔をつぶさないように気を使った前半のコメントだけでも
十分に黒からグレーだが、マスコミでは
活断層説と地すべり説が互角に近く取り上げ、結論を避けたもの目立った。

しかし、注目すべきは、地すべり説は論拠も説得力もなかったことだ。

学者は、根拠なしには何かを肯定も否定もできない資質を持っている。
だから、地すべり説を主張した側の論拠が崩れ、破綻している限りは
現実の世界では否定されたと見てもいい。

しかし、学者の合議でも、活断層であることは否定できなかった。
これで本来は十分だ。

重要なことなので、2時間を超えるが、報道を鵜呑みにせず
http://www.youtube.com/watch?v=D3lSO4r2fK8&feature=plcp 
見てみて欲しい。こうした議論の見方にみんなで慣れよう。

さて、この会議の模様は11月2日の現地調査の模様と共に
5日(月)の報道ステーションで報じられ、
それを見た地質の専門家から翌朝6日(火)にメール
が来た。

先に裏とり情報を言うと、
関西電力と電力中央研究所と原子力規制委員会に確認をしたところ、
関西電力の情報で、現地調査に関西電力側として当日対応したのは30名で
以下のメールに出てくる佐々木俊法氏を含めて電力中央研究所から2名、
関西電力の本店から4名、事業本部から数名が大飯原発の人間に加わって
参加していた
というのである。この人たちが、少なくとも島崎氏、廣内氏に
問題の箇所を見せることに意識を払わず、時間を配分しなかったとも言える。

岡田教授もまた、「一時間見ただけで早急に結論を出せという。
我々こういうトレンチだと本当に長い間時間をかけて
いろんなものを測定しながらですので、やり方としてまずいと思いますよ」と
最後に述べている。
これだけ問題となった活断層論であるにもかかわらず
5人中3人が「見おとした」「時間が少なかった」「1時間見ただけ」と
述べる現地調査とはなんだったのか。さて、

報道ステーションを見た地質の専門家から来たメールをかいつまむと以下の通り。

『報道ステーションで大飯原発のトレンチ内で
渡辺満久氏と議論して「ボーリングデータで活断層が判断できるのか」と
やり込められていた関西電力側の中心人物(長身でめがねをかけた面長の人物)は
電力中央研究所の一組織で地球工学研究所主査の「佐々木俊法氏」という人です。
なぜ、電中研の彼が関西電力側の人物としてでてきたのかを考えると面白いです。

トレンチ調査業務を請け負ったのは原子炉を作った三菱グループで、
ダイヤコンサルタントという地質調査能力が業界で疑問の多い大手コンサルです。

しかし、あのような掘削トレンチを見ても
地質断層や活断層・地すべりの関係を見抜けない状況からは、
両者のひどさがよくわかります。

話題の岡田篤正氏の地スベリ説が駄目だという決定的な場所は、海岸の露頭ですね。
海側の下の地層が断層を挟んで陸側の上の地層に乗り上げる「逆断層」が
2箇所も画像に写されているあの画像をみれば、活断層の専門家でなくても、
地すべりで説明するのは無理があるというのが私の印象です。
岡田氏がなぜあそこまで「地すべり」にこだわるのか理解に苦しみます。
地震に伴う活断層の変位がきっかけで滑り落ちたとしか思えませんが・・
 』

そんなわけで、今日11月7日(水)は午後、
原子力規制委員会の「大飯発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合」
http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/ooi_hasaitai/
第二回会合が開かれる。

2012年11月 4日 (日)

107.利根川・江戸川有識者会議(26) 明かされたブラックボックスへの反撃

4. 小池俊雄東大教授の反論への
関良基拓殖大准教授の反論

飽和雨量の増加は国土交通省の資料でも明らかだ。なのに
どうして日本学術会議では認めないのかという関良基委員の問いに対し、
まるで国交省の官僚答弁のように回答を避けていた小池俊雄東大教授が、
ついに逃れられないと観念したように、
1年前に出した日本学術会議の回答説明した

○森林の保水力は上がったと当然認める。
○しかし、その分、都市化や河道の変化で相殺された。
○従って、森林の保水力の変化が検出できなかった。

これに対し、敢然と関委員が再びマイクを握りました。

関良基委員
「小池先生は、物理的なモデルであるかどうか、それから、
異なるモデルで比較してみて類似の結果が得られているかどうか
という主旨
のことをおっしゃったんですけれども、
私は大熊委員、野呂委員がおっしゃられたように
その英知を結集して作ったモデルが、
現実に流れた流量を再現していないという事実の方が大事で
その英知を結集して作った新モデルが実質で計算すると、
実際に溢れていないところを溢れたというれたというふうに
捏造をしない限り、
21100というのを正当化できないわけでして、
正当化できない以上、事実を重んじるべきである。

再現できていない事実の方が大事ですから。
科学は事実を元に出発しなければなりません。

物理モデル。モデルです。モデルでしかないんです。
いろんなモデルができて国民がまったく理解できないモデルがたくさん出てきて
確率が何かと言われても納税者は納得できません。
誰も分かりません。
そんなものに4600億円投入させられている納税者の気持ちを考えると
私は納得できません。

実際の流量を再現できていないですから、事実と異なるわけです。
事実と異なる以上、モデルが間違っていると考えるしかない、と私は思います。

科学の出発点は事実です。
事実をもとにモデルをつくる。
事実をモデルが説明できなければモデルが間違っていると考えるしかない

で、森林の方なんですけれども、
ゴルフ場ができました。都市化も進みました。
それは明らかに河川の流量を増やしてしまう効果を及ぼしていると思います。

しかし、国土交通省の新モデルの値を、パラメータを見ますと、
飽和雨量は明らかに上昇しておりまして

奥利根流域で2倍、烏川流域で2倍以上、
明らかに上昇していまして

1.5倍とか2倍とか上昇してきているものを
系統的変化がみられなかったと結論するのは、
明らかに科学的誤謬です。

都市化が進んでいるのは事実ですけれども、
飽和雨量の値が1.5倍から2倍に増大してきているという、
この動かしがたい事実からこの勘案すると
都市化のマイナス効果、ゴルフ場を作られたマイナス効果、
河道改修をしたマイナス効果を
上回る森林の成長によるプラスの効果があるとしか思えないわけです。
この飽和雨量の値を見る限り、系統的変化がないと結論することは、
納税者の合意を得られないと思います。

国民が本当に分からない限り納得できない。
ましてや4600億円が血税を多くの血税が投入されているわけです。
4600億円の血税を投入するに値しないと多くの国民が考えていて、
パブコメでも、91%が1万7千に否定的な見解でした。
そのパブコメを尊重して、国民が納得できる計画を立てるべきだと私は思います。」

傍聴席から関委員に対して拍手が沸き起こったのは言うまでもありません。

(続く)

106.利根川・江戸川有識者会議(25)明かされ始めブラックボックスⅢ

「いえ、解明されていないと思います」
とぴしゃりと関良基委員に指摘されて、
小池俊雄委員はようやく東大話法を諦めて、ようやく、ここで一気に、
二つの疑問に真っ正面からの回答および反論を始めます。
一つは中規模の洪水をもとにしたモデルでカスリーン台風のような大規模な洪水が再現できるのか、(出典:関良基委員提出資料(p.7))
もう一つが森林の保水力の問題です。

3. 小池委員の反論

ここでは再び、
小池委員が関委員に聞かれたことと答えを「紫」
関係しているように聞こえるが関係ない答えを「赤」として、
問いに対する回答を探しながら言葉を追っていきます。

小池俊雄東大教授による回答(前のコマからの続き)

「もう一つの観点ですが、1万トンを切るような洪水で
万トンの洪水が本当に算定でできるのか
これは非常に大きな水文学、大きな科学的チャレンジでございます。
間違いないことでございます。

ただし、こういう問題で、私たち科学的な二つの観点を持ちます。
できる限り物理的なモデでこれを表してみる。
もちろん、人間がおよぶ知というのは限りがありますので、
それから計算できる内容にも限りがありますので
パーフェクトではありませんが、過去さまざまな流域に適用して、
当てはめてきた物理的なモデルというものを適用する、その
結果を見る
それが一点目です。

2点目は、異なる方法で推定し、
その結果が類似であるということを、
ま、確認する
ということが2点目でございます。

その二つのプロセスを経て、
私共は国土交通省が推定をした2万1千トンを
妥当だと判断した
次第でございます。

それから森林の問題が、ご議論の中でございました。
あのですね、大熊委員からもご指摘がございましたが、
その森林のプロセスが、私どもの、連続時間の分布型モデル、
あるいは京都大学のモデルで、あるいは、さきほどいったような方法で
昭和33年34年の観測データがあるところで、

これが明確に系統的にずれているという傾向がございましたら、
それが森林土壌
の変化の一つであろうというふうに当然、判断いたします。

ところがさきほど言いましたように、京都大学のモデル、私どものモデル、
それから、このぉ、新モデルといわれるもので3つ見ましたが、
その系統的な差はみられませんでした。

系統的な差が見られる見られないということの一つの判断は
Nashの係数というものを考えています。
ただし、この報告書を読んでいただければわかると思いますが、
私どもは森林の土壌の機能というものに踏み込んで、記述しております。
これは河川水文学、森林水文学、が、がっぷり四つに組んで議論し、
最終的に合意した内容でございます。

で、その内容は何かと言いますと、
ま、あとでご覧いただければありがたいですが、
降雨すべてが洪水になるような、大きい出水であっても
流出波形をゆるやかにする機能は、森林土壌であるがゆえに維持され、
保水力として評価できる
、というような記述をこの中にいれました。

で、まぁこういうことがあるのであれば、森林土壌が変質をすると、
結果として、洪水ピークに聞くということを、私どもでは、合意したわけですが

記述していますように、長期にわたる樹木の利用と、落葉の採取によって、
森林土壌が失われたような地域、これ、
火山岩のマサ土地帯は別でございますけれども
これが、あのぉ、洪水に、ピークに影響を与えるほどまでに
それが見れるか見れないかということと、え~、
この戦後直後の森林のデータを見ると、
確実に確かに貧弱な林層であった現在、その林層は大変回復している。

と同時にですね、そういう林層のところを見ると、都市化もある。
河道も変化している。そういうような変化では、
洪水を逆に大きくするような効果がありますので、
森林の土壌の変化というものが、その他の変化と相殺
されて、結果として、
さきほど言いましたように検出できなかった
ということが私どもの結論でございます。
そういうことを学術会議の中で、森林水門学という分野、
河川水門学が相互に議論しながら合意できた内容でございます。」

というわけでやっと真正面からの答えです。まとめると

○森林の保水力は上がったと当然認める。
○しかし、その分、都市化や河道の変化で相殺された。
○従って、森林の保水力の変化が検出できなかった。

日本学術会議が国交省の2.1万トンを擁護したブラックボックスは
この3行に凝縮されていることが分かりました。

これに対し、敢然と関委員が再びマイクを握りました。(続く)

105.利根川・江戸川有識者会議(24)平然としどろもどろになった東大教授

2. 飽和雨量によって、山に降って川に流れてくる量が違うこととその次のコマの続きです。

「人間鍛えればバネになる」というTVコマーシャルが昔ありましたが
鍛えると平然としどろもどろになることもできるのだなぁと思う場面がありました。

小池俊雄委員が大熊孝委員に
第7回(2012年10月14日)利根川・江戸川有識者会議で、
カリフォルニア大の研究所グループが日本が4、5の格子で
スッポリ覆われるぐらいの全球データ解析を10キロ程度にダウンスケールして
「2002年、3年のデータでチューニング」したと誇らしげに話したのは、
半世紀前の地球環境と、最近の地球環境では差があると考えているからでしょう。

ところが小池俊雄委員が関良基委員に
飽和雨量の増加は、近年の森林保水力の増加を示しているのではないか、
しかし、日本学術会議で「変化は見られない」としたのはどういうことかと問われると、
それに対するストレートな返事は返って来ずに、
別の質問が返ってきた話の続きです。今回の小池教授の話は回答ではなく、
関委員の
説明を理解せずに確認質問をしているので、
平然としどろもどろになる、とはどういう雰囲気が醸し出るものかに、
ご興味のない方や、忙しい人は読まなくても大丈夫です。

質疑は単にスピーカーごとに色分けします。

小池委員
「関委員が16663という数字を出したのは
直線をお使いになったからだというお話がございましたがそうですか?」

関委員
「最終流出率を(1ではなく)0.7に変更いたしました。
奥利根と烏川において、最終流出率を0.7に。第三紀層と花崗岩層です。
そうするとこうなりました」

小池委員
「それはそのときに直近の十数の洪水でそれに合わせて
パラメータをチューニングされたわけですね。」

関委員
「国土交通省のパラメータをそのまま使いまして、
最終流出率だけ0.7にしたんですけれども、
直近の洪水に当てはめて計算できました。
誤差は(小池:あ)国土交通省の計算よりも高い精度で計算できました。」

小池委員(慌てたようにどもりながら、平然と)
「ちょ、そのとおり、だ、その通りだと思うんです。
ですから、そう言う結果になったんだと思います。(略)
パラメータ・チューニングをまず直近の洪水でやってください。
昭和33年、34年の結果を検証して、それが妥当であると言うことから先はじめて、
こういう検討ができるというふうにご理解いただきたいと思います。」

関委員
「計算した結果、合ったんです。
国土交通省よりもむしろ計算精度が高かったんです。」

小池委員(平然と慌てて)
「あ、そうですか、そしたらばあの、その、ぉ、け、結果をごらん、
えー、見せていただければ」

関委員
「見せます。ウェブ上でもホームページ上でも、
裁判資料でも東京高裁に私は提出してありますので、あります。
やはり0.7であるところを1.0とする方がはるかに
その有効降雨を慎重に分離してあるかどうかよりも
200ミリの雨から作ったモデルを300ミリに当てはめるのに際して
0.7と1.0の乖離ということの問題の方が、
有効降雨をちゃんと分離してあるかどうかというよりも
遙かに大きな誤差を生むと私は思います。」

小池委員
「そういう考えがないわけではございませんが、
これは降り始めからの積算降雨になります。
ですから最初の段階で、土の中にどれだけしみこんで、
そして飽和状態になっていったかという物理現象を、に近いモデルということ。
その、お~、最終だけを見られる。
45度の直線からどれだけ離れているかということを見られる問題と
積分しながら、300ミリの雨も、100ミリを通過し、
150ミリを通過していくわけですから、
そういう段階でピークがどういうふうに形成されていくかというところが
違ってまいりますので、必ずしも有効降雨モデルをどういうモデルにするか
ということを物理的な現象とピークの形成というものが論理的にいいますか、
結合していないといけない、と思います。
私どもは、あのそういう、こういう研究をやっている研究者が推薦され、
そして、どういう精度で、どういう雨の検証から始めて、モデルの検証を始め、
ま、こういうイベントモデルだけでは表現できないような物理現象を
物理的に表現できるモデルとして比較して、そして解を比較しました。
その過程の中では、関委員からご質問があった飽和雨量のメカニズムの問題、
二山洪水と地質の関連性、こういうものを一つひとつ解き明かしていって
疑問はある程度とれたんではないかと思います。」

関委員
いえ、解明されていないと思います

小池委員(メガネの奥で目をギラっさせながら)
最後までちょっと、あの、お話しをさせていただきます。」

関委員
「はい」

小池委員
「そういうことで、この学術会議の検討の中では、
新モデルと言われる貯留関数法の有効降雨モデルを最初に設定して、
そして最近の洪水でパラメータを定め、
過去の洪水でどれだけ合っているかを示し、
そして、算定したカスリーン台風時のイベントモデルによって
算定したカスリーン台風時の洪水ピーク流量と、
それからさきほど申しました解析結果からダウンスケールしてやってきた
という連続期間のモデルの推定結果から、非常に近い値がでました。」

そして、ここからようやく答えへと向かっていくのですが・・・・(続く)

104.利根川・江戸川有識者会議(23)東大話法Ⅱ小池俊雄東大教授の回答

前後するので分かりにくくて恐縮ですが、
東大話法かぁ~ からの続きです。

第7回利根川・江戸川有識者会議において
小池俊雄東大教授は大熊委員からの質問に長々と回答した後、

関委員から今、お話しがあったことでございますが、
いくつか誤解があるのではないかと思います
」と後半部分を回答し始めました。

関委員が小池委員に尋ねた質問は、
データで見ると明らかな森林の保水力の経年変化が、
日本学術会議の回答では検出されなかったと書かれていているが
どういうことなのか
ということです。

これに対する小池委員の回答は、聞かれた変化する「飽和雨量」に加えて、
有効降雨モデル」「1次流出率」という
専門用語をちりばめたものでした。
さらに「折れ線」「直線」という「有効降雨モデル」とは
どのようなモデルかを見たことがない人には分からない言葉がドンドン使われました。

これらは、前のコマでお話しした「飽和雨量」という言葉と共に、
次のように使われる言葉だと考えると、少し分かるかと思います。

例文による解説========
たとえば一次流出率が0.5の流域で、100mmの雨が降り続けると
降り始めてから飽和雨量に達するまでは、50 mmが土壌に染み込み
50 mmが川に流れ出てきます。
そして、降り始めてしばらくして飽和雨量に達すると、その後の流出率は変化します。
最終的に流出する率が1.0と言えば、土壌にしみ込まずに100%川に出ること。
最終的に流出する率が0.7と言えば、土壌に30%、川に70%いくことを意味します。
それをグラフに表してどれだけの流量が川に流れてきたかを示すのが
有効降雨モデルです。

そして、降り始め(一時流出率)から降り終わり(最終的な流出率)が変化しなければ
有効降雨モデルをグラフにすると直線グラフとなり
降り始めと降り終わりの流出率が変化するのであれば、
有効降雨モデルは折れ線グラフになります。

たとえばそれを飽和雨量150mmの流域を例に作るとこんな感じで、
この図は飽和雨量に達した後の流出率の設定によって
再現計算した洪水の規模に差が出ること
特に、中規模の洪水に合うようにモデルを作ると
大規模な洪水の計算は過大になってしまうことを表したものです。↓

Photo_3

出典:関良基委員提出資料(p.7)
========例文による解説終わり

しかし、このことが分かっている傍聴者や記者はほとんどおらず、
こうした言葉が出てきた瞬間に頭がフリーズし、
小池委員が言っていることが正しいのかゴマカシなのかが分からなくなります。

そこで会議を取材中、茶道について聞いたある話を思い出しました。

作法を知る者は、もしも自分よりも先にお茶を飲んだ方が
茶道の作法を知らずに「無作法」で飲んだ場合、
自分も茶道の「作法」に沿わず、「無作法」で飲むことが作法である。
自分だけが「作法」に沿って飲むことこそが「無作法」である。

東大教授の小池委員は、「飽和雨量」も「有効降雨モデル」も「1次流出率」も
世の中のほとんどの人が知らないことを知っているはずで、
ましてや自分以外で出席している多くの「有識者」でさえ
水文学の専門家でもない限りは理解の範疇を越えていることが分かっている中で、
一人滔々と専門用語をちりばめて喋りました。それだけで、
修行が足りない私はムカムカくる・・・typhoon。話がそれましたが戻ります。

以上の不十分な解説でもさらに分からない言葉が出てくると思いますが
関氏に聞かれたことと答えを「紫」。
関係しているように聞こえるが若干ずれた答えを「赤」として。
問いに対する回答を探しながら言葉を追っておきました。

そして結局、大文字は忙しい人はここだけ読めば本質は分かるのではないかと私が思ってトホホと笑ってしまったところである。

第7回利根川・江戸川有識者会議における小池俊雄東大教授の回答:

関委員から今、お話しがあったことでございますが、
いくつか誤解があるのではないかと思います

関委員が計算されたのが、流出の方が、1万・・・(小池委員が資料を探している)
ございました。ちょっといくいつか、ご指摘というか、
お聞きしながらご説明しないといけない部分があろうかと思いますが、
この新しい貯留関数モデル、現行モデルと新モデルと言われるものですが

これは、現行モデルについては、
大熊先生から間違っているというお話しが、
専門家としてお呼びしましたときにご指摘いただきましたので、
我どもも、最終的にはラインバイラインでソースコードを読みました。
私共の学術の観点からは正しいということを確認しました。

それで、ここの今、関委員からお話しがありました
吾妻川流域の総雨量と総流出量のグラフでございますが、
第四紀火山岩類は先生がご指摘のように、飽和雨量を設定して

それまでの流出率とその後の流出率、という考え方をしないほうがいいと
私共はご指摘し、そして、国土交通省もそういう方向で、第四紀火山岩類の、
こういうのを有効降雨モデルといいますが、過去のデータを使って、
どういう雨の成分が、どの段階で流出成分になるのかということを表すモデルです

それに対しまして、それ以外の地質区分につきましては、
有効降雨モデルは飽和雨量を定め、1次流出率と
それから今関先生がお話しした1.0という流出率に折れ線で表示する方がよい。

それは、どういうふうにして決めたかと言いますと、
過去のそれぞれの地点の雨量、総雨量と総出量をプロットしていただきまして、
これを分科会に出していただきました。

でそうやって分科会の専門家の目で見たところ、
確かに、第四紀火山岩類は直線で折れ線なしでやるべき。
それ以外のところについては
飽和雨量を設定して、1次流出率とそれから流出率を1でやるのがよい、
有効降雨モデルというものをご提案しました。
それに沿って国交省は新モデルを作っていただいたわけです。

確かに、関委員のおっしゃるように、
この資料の6頁、下の図で、宝川というところでございますが、
花崗岩類のところで、谷委員が宝川森林試験地というのがございますので、
そのデータを使ってお作りになった図でございますが、

直線でもいいように見えます。

Photo_4

で、これをどうしようかということで、
実際の流量観測地点のそれぞれ4つの
これ、今度、もしも、あれでしたら
データをちゃんと見せていただけるといいのですが、
有効降雨モデルを作ったときの図をみますと、

この直線でやるよりは、その、ぉ~、折れ線で
有効降雨を設定して、
1次流出率と流出率でやった方がいいという判断を私共は判断しました。

その有効降雨モデルができて初めて、
これを入れて、直近といいますか、最近15年ぐらいでしたかね、
のデータを使って、この貯留関数のパラメータを決定していただきました。
これ、決定するわけです。
昭和33年34年を使うわけではなくて、
最近15年間のデータだけで、このKとかPとか言う値を決定いたします。
決定致しまして、それを適用すると、34年に適用して結果を見るということを致します。

その結果、それも計算結果が違っているといけないということで
そのパラメータを使って、これは私どもは直接貯留関数を走らせて計算しました。
その計算結果と国土交通省の計算結果はぴったり一致しましたので
国土交通省の計算結果は、間違いではないと私どもは申し上げた。

ちなみに現行モデルにつきましても同じようなモデルを作って
検討もしましたが、これについては省略致します。

で、関委員が16663という数字を出したのは
直線をお使いになったからだというお話がございましたがそうですか?

というわけで、ここに到る長い説明を追っても

1.飽和雨量のデータで見える森林保水力の経年変化が
 日本学術会議の回答では検出されなかったと書かれていているが
 どういうことなのか」ということへの返事は見あたらない。

10_2

出典:関良基委員提出資料(p.8)

2.いくつか誤解があるのではないかという発言から始まったが、どうやら16663という数字が誤解だと言いたかったようなのだ。21000と国交省が言い、日本学術会議がお墨付きを与えた形になった「過大」と批判されつづけてきた数値のことである。

(続く)

103.利根川・江戸川有識者会議(22)明かされ始めたブラックボックスⅡ祈るように語られた森林保水力のこと

少々おさらいです。
第7回利根川・江戸川有識者会議(平成24年10月16日)では、
http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000207.html
関良基委員が国交省が川を流れる流量を計算するときの
「定数」のおかしさを指摘し始めました。

一つ目の「定数」の話は地質の違いで、降った雨が川の流量が違うという話でした。
降った雨が100%川に出るか、40%か、70%かで川の流れに差が出てくる。
日本学術会議で議論した学者でも68%しか出てこないと示した地質でも、
国交省は100%が川に出てくると計算しているので、
計算上の洪水流量が過大になっている
という内容です。さて続きです。

2. 飽和雨量によって、山に降って川に流れてくる量が違うこと

二つ目の「定数」は「飽和雨量」でした。
飽和雨量とは土壌に雨が染みこんでいってやがて飽和して
地表を流れるようになるまでの量のことです。

横の欄が時間の経緯で、最後の縦の欄が新モデルで使った各支流での定数「飽和雨量」、
右に並ぶ縦の欄が利根川水系の本流に流れ込む支流名です。
見て分かるように左から右へ、飽和雨量は大きくなっています

10
関委員はこの資料(P.8 http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000067956.pdf
を示しながら説明しました。
地図で示しますが、青く描かれている利根川の北西端(八斗島)からさらに北西に広がる支流です。
Photo

出典:利根川水系河川整備基本方針の資料(59/122頁のPDF)より

上の表(クリックで拡大)で見るように、
流域ごとに違う「150」「∞」「200」「130」という定数を
新モデル」として国交省が出していますが、かつて

国交省は2008年1月に裁判所には八斗島上流域48mm
2010年10月に国会には31、65、115、125mmに経年変化する飽和雨量を出しました。

Photo_2  

これがダムの必要性をひねり出した操作(捏造)だと批判され、
その操作が合理的に説明できなくなり、
操作(捏造)を認める代わりに「関係資料がなくなった」ことにして検証が始まりました。

(関係資料がなくなっても数字そのものが違うので操作は明らかですが、
この重要な事実をテレビも、日経、読売、朝日、毎日、産経新聞も報じません))

そしてやはり経年変化していたことを示す新しい資料が
日本学術会議に出されたことで証明されたはずでした。

関さんは10月16日、立ち上がって、マイクを握りしめ、有識者会議の委員だけでなく、
傍聴席にいる記者の良心に訴えかけるように次のように語りかけました。

「奥利根流域の飽和雨量を見てください。
吾妻川流域、烏川流域、神流川流域と4つ大きく比較しますと、

奥利根では昭和33年は90ミリくらい、
それが平成10年だと151とか2倍ぐらいに上がってきています。
これは森林保水力の増加です。

同様に烏川を見てください。昭和33年、110ミリなんですが、
平成13年230ミリ、平成14年249ミリ、というふうに経年的に上がっている
というわけで、明らかに国交省も計算して合わせようとすると、
飽和雨量を上昇させなければ合わない。

飽和雨量が上昇しているといことは、森林保水力が上昇しているはずなのに、
それを認めていない。これを見れば、誰が見ても上がっている。

国交省も計算の中で使っているんですけれども、なぜか認めない!

日本学術会議の回答を見ますと、
パラメータ値の経年変化は検出されなかったと書かれていて
意味不明です。小池先生に質問状を出させていただいたが答えない。

パラメータ値は国土交通省の資料でも明らかに上がっています。
パラメータ値の経年変化は、検出されたように見えるんですが、
どういうことなのか、
お聞きしたいと思います」

(続く)

102.利根川・江戸川有識者会議(21)3対4の1票差が議事録では「多数」

継続性がウリの行政にあって政策を転換するには、
1)政権が交代して理念をラディカルに変え、
 その理念に基づいて政権与党が行政機関を運営するか、
2)一つの政権にあっては、少なくとも日本では
 政策決定プロセスの要となる審議会(その事務局たる行政)が時代を読んで
 大臣の諮問に対して、従来の行政の継続性とは反する答申をし
 大臣がそれをオーソライズするか
3)行政と審議会が一体となり既得権者を利し、時代に合わない答申がでてくるのであれば、
 時代を読んだ大臣がそれを覆すべく、政権与党の理念に適った決断を下すか
そのどれかだ。

(ちなみに田中真紀子文部科学大臣が審議会の結論を覆して
 学校設置の申請認可を退けた件は短絡的な報道が目立つ。
 一方で学校教育法を中心とした政策をどうするのかという議論が
 民主党政権内であったのかどうかは分からない)

行政の隠れみのと指摘され続けてきた審議会やそれに類する合議体は
当然のことながら行政と一体の結論を持つものと考えられ
面倒を避けるためにも、行政と一体の結論を指示する有識者が選ばれてきた。

それを覆そうという試みが審議会等レベルで果敢に行われているのが
利根川・江戸川有識者会議だ。

会議体を設けて、規約9条で自主運営を定めているにもかかわらず、
自主運営の試みに対して、国交省は「意見を聴く場」でしかないと言い続け、
自主運営を妨げている。想定外の事態なのだろう。

現在進行形で起きており、これは行政学者や政治学者にとっても注目する価値がある。

その試みは第5回利根川・江戸川有識者会議で始まったが、
75.利根川・江戸川有識者会議(1)有識者の矜持で書いた通り。

八ツ場ダム事業に関して「もうほじくり返すような議論はいい加減にして」
というスタンスを明らかにした有識者宮村忠(以下、敬称略)は
(議事録http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000049797.pdf )
座長として相応しくない、選び直すべきではないかとの意見が第5回で出され、

言い出しっぺで立候補した大熊孝に挙手したのが
  野呂法夫、関良基、鷲谷いづみ
清水に推薦された宮村忠に挙手したのが
  清水義彦、小池俊雄、小瀧潔、虫明功臣
だった。宮村忠は手を挙げず、大熊孝は立候補だったので
本来なら4対4と言ってもよい3対4だった。

先日、その時の議事録が明かされたがその数は記録されていない。
「宮村委員が多数ということでございます」(P8~10)とだけ記録されている。

第6回でも、国交省が出してきた資料をもとに国交省の提案(目標流量)に
シャンシャンとお墨付きをつけることなく、おかしな点を質そうとする試みが行われた。
時間のある方は是非、議事録でも確かめて欲しい。第7回にも持ち込まれている。

9月25日 第5回利根川・江戸川有識者会議
(資料)http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000202.html 
(議事録)http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000068807.pdf
  75.利根川・江戸川有識者会議(1)有識者の矜持
  http://seisaku-essay.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/post-63ea.html

  76.利根川・江戸川有識者会議(2)出された論点
 
http://seisaku-essay.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/post-2a4a.html 

10月4日 第6回利根川・江戸川有識者会議
(資料)http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000204.html 
(議事録)http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000068808.pdf 
  85.利根川・江戸川有識者会議(7) 河川法16条の2 3項の解釈
 
http://seisaku-essay.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-77d2.html 
  86.利根川・江戸川有識者会議(8) 誤氾濫図の再々提出
 
http://seisaku-essay.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-6310.html
  89.利根川・江戸川有識者会議(11)東大モデルの誤差(II)
 
http://seisaku-essay.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/ii-5482.html
  92.利根川・江戸川有識者会議(14)説明できない国交省の不都合な真実
 
http://seisaku-essay.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-dc6b.html
  93.利根川・江戸川有識者会議(15)これが東大話法かぁ~
 
http://seisaku-essay.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-90ed.html 

101.女性強姦、オスプレイ夜間飛行、子どもをぶん殴る=沖縄から出ていけ

怒りを発散してからでないと(こんな言い方で大変申し訳ないが)
どうしても利根川・江戸川有識者会議の続きが書けない。

沖縄タイムスが11月2日に号外で報じた以下の件です。
■飲酒外国人が住居侵入し少年殴る 米軍ID所持 2012年11月2日

内閣官房長官記者会見で概略こんなやり取りがあった。
平成24年11月2日(金)↓ 3:51ぐらいから(動画)
http://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/201211/02_p.html

記者: 日米地位協定の改定については?
藤村官房長官:運用の話として改善されてきている。

記者: もし日本人がやったら間違いなく逮捕だと思います。
藤村官房長官:間違いなく逮捕というのは先入観がありすぎだ。

・・・酔っぱらって人の家に忍び込んで、子どもをぶん殴って逃げた。
逮捕しなければ、その警察は「怠慢」でしょう?

想像してみてください。子どもが痛みで目を覚ますと、
そこには見知らぬ男がいて自分を殴っていた。その恐怖。
あなたが親なら、その男を警察に突き出さないですか?

あたなが国なら、その男を警察が逮捕できないルールを変えようと思いませんか?

藤村官房長官が言った「運用の改善」とは、
米兵がどんな罪を犯しても、日本政府は統治国家として何もできないという協定が
「殺人」か「強姦」なら起訴前に犯人を引き渡す運用になったというもの
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/sfa/rem_03.html
こうした機会に当然の主張をしないで何が外交か?何が防衛か?

よく日本は51番目の米国の州だと揶揄される。
日本だったら警察が逮捕するかどうか分からないと藤村官房長官がいうなら、
これが米国本土で起きた事件なら、こうした男はどうなるのか、
聞いてみたらどうなのか。

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