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2012年10月14日 (日)

82.馬脚を現した東電の「原子力改革監視委員会」

昨日のうちに手がつけられなかったことを順不同で書く。第一に、
10月12日、東電の新体制が目指している結論がすでに見えてきて残念なこと。

結論から言う。東電「原子力改革監視委員会」の設置は
柏崎刈羽原子力発電所の再稼働を狙ったものだと言わざるを得ない。
順を追って書く。

この委員会の設置が9月11日に発表されたときのことについては、
東電が原子力改革新体制を発表―報告書を読んでない新幹部
(9月21日号の週刊金曜日の金曜アンテナ)で書いたが、
この時、東電が私たち取材陣に口頭で説明した新体制とは以下の通りだった。

(1)取締役会の諮問機関として「原子力改革監視委員会」が対策を提言
(2)社内外の実務家・専門家からなる「調査検証プロジェクトチーム」が
  四つの事故調査報告を踏まえて(1)と一体で事故を検証
(3)結果と提言を受けて、廣瀬社長を長とする
「原子力改革特別タスクフォース」で実行する体制である。

図でも次のように示されていた。

Photo

出典:http://www.tepco.co.jp/cc/press/2012/1219542_1834.html 
http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu12_j/images/120911j0101.pdf

ところが、蓋を開けてみると、
原子力改革監視委員会」の位置づけはそれとはまったく違う。
東電アーカイブ(見せたい姿だけ公開している)と
IWJさんのユーストリームを見て気づいた。
http://www.ustream.tv/recorded/26083038
http://www.ustream.tv/recorded/26084013

1.「原発は安全で地震には耐えた」でスタートしている

原子力改革監視委員会に就任したデール・クライン氏(元米国NRC委員長)は、
「独立していることが重要だ」と冒頭(自社アーカイブで放映)では述べながら、
記者の質問に答えて(自社アーカイブでは見せていない)
原子力発電所は安全であると考えている」というスタンスを明確にし、
地震に対する耐性はあり、津波がバックアップシステムを損傷した」と語っている。
東電が出した報告書を前提にしている。
地震で壊れたことは残された最大の検証ポイントの一つであるにもかかわらず、
地震では被害がなかったことを「顔合わせ」に来た日に言う人が委員長に就任した。
国会事故調報告でそこは課題として残したはずの櫻井正史氏(元国会 東京電力福島原子力発電所事故調査委員会委員、元名古屋高等検察庁検事長)も同席していながら
異を唱えていない。

2.監視対象者(東電)に誘導され、独立していない。

9月11日に示された改革スキームとはベクトルが違う。
「原子力改革監視委員会」は9時半から12時まで会議を開催したが、
彼ら自身は「顔合わせ」をしたに過ぎず、
実際には、原子力改革特別タスクフォース
(タスクフォース長・廣瀬直己東電社長)から「原子力改革の進め方」の
レクチャーを受けた形になっている。
 (IWJ http://www.ustream.tv/recorded/26084013   10:30~) 

つまり、「原子力改革監視委員会」がまだ何もしていない段階で、
タスクフォースが「原子力改革監視委員会」を誘導している形だ。
東電の52%は国有化され、こうした委員会開催も
その半分が税金で開催されているはずが、東電に先導され、
互選で決まったというデール・クライン委員長は自ら「独立した委員会だ」と
自己紹介しながら、「すでに改革は始まっている」と
顔合わせの日に語ってしまう構図へと最初から変容している。

3.誤つぶやきのお詫びおよび訂正

ちまたには「東電が社内事故調の見解を一変し反省」
という情報が流れ、私も9月11日に取材に行った意味があったのかなと思い、
==========================
まさのあつこ @masanoatsuko
9月11日に東電会長・社長を追及したが→ http://t.co/6fCOJTYh
今日までに少し反省したらしいhttp://t.co/sruhCiPt 07:42 PM - 12 Oct 12
==========================
とツイートしたのだが、申し訳ないがこのつぶやきは全く「誤つぶやき」だった。

原子力改革特別タスクフォース(タスクフォース長は廣瀬直己東電社長)が
「原子力改革の進め方」を発表して、この↓P.7に
http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu12_j/images/121012j0101.pdf 
事故を振り返ってみると、問題は事前の備えができていなかったこと」と
赤字で書いたことは間違いない。しかしこれは
1と2を織り込んだ「原子力改革監視委員会」に先んじた自主的な反省であり、
「原子力改革監視委員会」を誘導する形になっている。
国民が望んでいる真相究明後の反省ではない。誤つぶやきをお詫びして訂正する。

4.誘導される結論<柏崎刈羽原子力発電所再稼働>があからさまに見えている。

今後も「原子力改革監視委員会」を誘導するであろう「原子力改革特別タスクフォース」は、
記者による質問で以下のような構成であることが分かっている。

ブラックボックスで独立委員会を誘導する総勢30人
・常勤10名(原子力部門半数、原子力部門以外の部門半数)
・ 緊急時の対応、海外の電力会社に勤務し安全文化、緊急時対応を専門とする外部コンサルタント(在日米軍、日本の自衛隊、海外電力会社勤務経験者、国内のリスクコミュニケーション専門家)に問い合わせ・議論をする。

このような匿名文化を払拭し、責任体制を明らかにすることが
改革の第一歩であるにもかかわらず、
外国人二人、国会事故調元委員、大前研一氏、東電会長という奇妙な人々を
表の看板「原子力改革監視委員会」に掲げて、
実際はブラックボックスに入れたどこの馬の骨とも(失礼!)
明らかにされない30人が、東電の「原子力改革」を牛耳ることになる。

そして、その第一回目の誘導資料として、32頁の資料の23頁目から
安全対策の取り組み(柏崎刈羽原子力発電所の例)が紹介されている。

新体制は、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働を目的としているのではないか
という点について、9月11日に、新潟日報の記者ともう一人の記者が
何度か疑問を呈していた(それが記事になっているかどうかは分からない)。

彼らの直感は当たっていたと、私は思う。

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