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2012年10月20日 (土)

93.利根川・江戸川有識者会議(15)これが東大話法かぁ~

続きです。

国交省の資料には、国交省の説明では納得しえない
「乖離」や「矛盾」がいくつもある。

そして、その「乖離」は
河川ムラで相互補完<誤解>をさせるものでしか説明がつかないことが見えてきた。

国交省の過大な氾濫図や氾濫量の算出と連動し、
それが真実らしく思えてしまう誤解を起こさせ、補完しているとしか思えないのが、
京大モデル東大モデルによる流出解析だ。

説明してくれとシンプルに頼んでいるのが大熊氏で、
数字が操作されている、と考えれば説明ができるとしているのが関氏である。

後者については後日補足をするが(sweat01仕事がたまる一方だ)、
ここでは国交省から回答を得られない大熊氏が、
同様に矛盾をかかえたまま
関氏の質問に真摯に応えていない小池氏に対して
真摯に行った質問とその答えを記録しておく。

実は、この間、その記録を別の研究者に見てもらった。
すると次のような感想がおくられてきた。

 東大話法を思い出してしまいました。
 東大と京大がつくったシステムは、
 アメリカで再解析された情報を全て入れることができて、
 それを利用することができるので、
 関先生のやるようなおおざっぱな計算ではなく、より緻密なもので、
 と煙にまいていると感じました。

 ところが、そのときの雨等のローカルなデータはないから、
 それはこちらで考えなければならない、
 と肝心なところをぬけぬけと言い抜けてしまうという、
 実に東大話法だと思った次第です。

なるほど、それが世の中で話題になっている<東大話法>なのかと
妙に納得した。先入観を与えてはなんだが、
これが<東大話法>なのだと思いながら聞かないと、
とても一般の人にはついていけないから、申し訳ないがこの感想を先に
掲載させていただいた。

先入観を持ちたくない方はこちら→「prof. Toshio Koike's remarks .doc」をダウンロード

大熊氏の質問はこうである。

「何度も言うように、2.2万トンと1.7万トンの乖離が
 説明できるようにやってください。(国交省に向かって4度目の追及)
 説明できるように流出解析をやってくださいと言っているわけです。

 小池さんにお願いしたい。
 平成10年に流出解析していただいたらどうなるのか。
 今までの小池さんの説明だけでは納得できない。

 昭和33年は合っているが、最近の洪水である平成10年はズレている
 平成10年にパラメータを合わせて、昭和33年がどう再現されるか
 やってみてくれませんか?」

(そして、この背景には関氏が回答を得られなかった「誤差」の問題もある。
http://seisaku-essay.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/ii-5482.html )

これに対する”前半”だけで十数分朗々と続いた小池氏の答えを読んでいただく上で、
何が質問だったか煙に巻かれないよう、分類しておきたい。
大熊氏に聞かれたことと答えを「とする
・「下線太字は演技がかった強調口調になっているところ。
印象づけたいのだろうが、聞かれたこととは関係ない答えを「」とする。
関氏に聞かれたことと答えを「とする。(色弱の方にちょっと分かりにくいかもしれない。お許しを)
太字は上記感想の「肝心なところをぬけぬけと言い抜け」たところである。
大文字は忙しい人
ここだけ読めば本質は分かるのではないかと私が思うところである。

というわけで前フリが長くなったが、これが東大話法らしいです。

小池俊雄・東大教授の発言(~大熊氏の質問に答えて)

「いくつかご指摘がありました。
大熊先生から最初にありました。
ちょっと勘違いされておられるようなので。

私のモデルはこれは2002年、3年のデータでチューニングをして。
過去に。ですから2002年。最近のデータでチューニングしたものが、

最近のデータで外れているとご指摘があったものでございます

それで、
この東京大学のモデル京都大学のモデルをなぜ使ったのかを
簡単にご説明したいと思いますが

関先生を専門家として学術会議でお呼びしました。
そのときにいくつかご指摘がありまして、
一つは飽和雨量、特にキャスリン台風のときの飽和雨量の算定がおかしいのではないか。
それから二山洪水、カスリーン台風は二山洪水。
それを貯留関数で表現するのはおかしいのではないか。というようなご指摘。
さきほどご指摘ありましたが、地質が考慮されていない。
それから森林の話はがありますが、これはまた後でお話しさせていただきます。

それで、こういうことを解析しようとしますと、
流域の土壌の中で水の動きがあるのか
飽和雨量というのは二つの要素でつなぎます。
それは、直前の雨が降ったかどうか、
それからどれぐらいの長い日にちをかけて
土の中の水分が蒸発したり蒸散したり、流下したり。この二つで決まるが、
この検討で使われている貯留関数モデル、こういうものではイベントモデルといいますが、
こういうものでは表現できません。
長期にわたって連続的に計算のできる物理的なモデルが必要でございます。

で、それが私どもの京都大学と東京大学のモデルでございます。
ところがこれはどういうふうに計算するかと申しますと、
土の中で蒸発したりするわけですから、
それを計算するには、
気温だとか、太陽の日射だとか、
それから雲がありますと赤外線で暖まります、
こういうようなものを全部計算しないといけない。

ところが、昭和33年とか34年にそういうデータがございませんので、
通常では計算できません。

ところがですねぇ、気象予測の技術が進みまして、
地球全部の気象を計算するという計算システムができあがっていますが、
最先端のそういうモデルを使って
過去から今の最先端のモデルと当時集められるデータをぜ~~んぶ集めてきて、
地球全体の気象の毎日毎日の計算をするということが行われてきています。

これはアメリカとヨーロッパと、っから日本が先進国でありまして
この計算で、1948年から現在までの計算が行われています。
専門用語で再解析と言います。

で、え~これはアメリカ大気海洋庁の環境予測センター、え、
国立環境予測センター、エンセプトと私たち呼んでおりますが
それが1948年から全っ計算をしておりましてですね。
これが一番長い定量的なデータです。
しかし、これは全球を解析しておりますので、

日本で見ますと、5つか4つぐらいの大きな格子になってしまって
とても利根川の解析には使えません。

ところがカリフォルニア大学のサンディエゴ校の
スクリプツ研究所のグループが
日本付近でこのデータを使って10キロのこれは

ダウンス―リングと言うんですけれども
大きな格子のデータから細かい格子のデータを

1948年から現在まで作ってくれておりまして、
このデータを膨大なデータなんですが、私どものこういうデータを
管理するシステム、ディアスと言いますが
そこにアーカイブしてございます。

で、これが使えますので、それでは
2002年から2003年にチューニングしたモデルを使って
昭和33年ですね、1958年59年という

昔の流れを再現するということをやりました。

で、さきほど、大熊先生がご指摘になったのは実は
平成10年を昭和57年も、その計算でやっている。

ただし、この計算、日射とか赤外、風はまぁ信用できるんですが
雨はやはり非常にローカルに降りますので、
雨のデータだけについては国土交通省から、ま、100点、

120点ぐらいあるデータでしょうか。これをいただきまして、
あの、私どもの、お~、この~、報告書にも記載しておりますがぁ、
これを細かな格子のデータにいたしましてぇ、
昭和33年から入れて計算を致しました

で、こういうふうに致しますと、これは、あの、イベントではなくて、
え~、まぁ、前回も申しましたがぁ、6月から10月まで、連続的に計算しました。
そうしますと、雨が降る洪水の前の余剰水分の状況とかがぁ、
ちゃんとでております。

で、え~、まぁ、ご指摘のあったぁ、飽和雨量の問題とか二山洪水の問題が、
どういうメカニズムで起こっているかということを、
私どもは説明しようとして、このモデルを適用致しました。

で、そうやって適用しましたら、え~、前回もお話ししましたが、
6月から10月まで大変よく、ぅ~合っている

え~、2002年3年のデーターでぇ、適用したぁものがぁ、
昭和33年のデータ58年のデータまで大変よく合っている。
合っている合っていないじゃ、なかなか難しいので、
私どもは科学技術の中ではNashの係数というものを使って
それを評価しました。それも前回お話ししましたので、ご覧、ご記憶だと思いますが
こういうもので見ますと
この再現精度が極めて良い、ということが分かります。

で、ただ、今回いただきましたご指摘の中にも、平成10年が10%、
さきほど大熊先生からもございましたがぁ、
そういうピークぅがぁ、まぁずれるということは
、さきほど
お話ししましたようにぃ、
全球の計算結果からダウンスケールして出てきた結果を入れて、
こう過去から現在まで均一な形で計算をするということをやったから、
そのイベントだけを合わせるということだけでは
いろいろな方法がありますけれども、
全体の水の現象を、水が流れる現象を表すにはこういう方法が妥当ということ。

で、え~、この方法を使えるのは実は、東京大学のモデルだけでございましてぇ、
え~、京都大学のモデルはぁ、土壌水分を直接計算していないものですからぁ。
私どもが計算した土壌水分をぉ、京都大学で入れてぇ、
そして6ヶ月計算した。キネマティックウェブモデルと言われるものでございます。

でぇ、報告書の中を見ていただきますと、
なぜか東京大学のモデルだけよくご指摘があるんですけれどもぉ、
京都大学のモデル、もぉ、計算結果を、この6ヶ月、計算して
それぞれの洪水のときだけの、まぁ計算結果を出しておりますが、
こういうふうにして計算しておりますのでぇ、えーと
ピークが10%から15%ぐらいずれているところがございます。

このピークのバラツキが、さきほど大熊先生がおっしゃいましたが、
系統的なものであれば、そういう解析で、え~、確かに
ま、たとえば、あの、計算結果が系統的に過大評価をするということであれば、

え~と、これ、最っ近のモデルで、最近のデータでチューニングしているので、
え~と、そのぉ、平成10年が、ということがなかなか説明ができないんですね

ですから、私どもはこれはぁ、
あの、このバラツキの範囲である、いうふうに考えました。

で、一方、今回頂いたご指摘の中には、
キャスリン台風のときに差をもってやっているではないか。
その差よりも、大きい可能性があるというご指摘でございましたが、

さきほど申しましたように、
たいっへん残念なことに、このデータ、全球データは
1948年、昭和23年以降しかないんです。
私ども、あと1年っだったんですがぁ、
え~、昭和22年のデータがございませんでした。

でぇ、それで、私ども、データがありませんので、
昭和22年の計算を、そういう雨が降る前、土壌水分がどういう状態であったか、
要するに飽和雨量を合理的に算定するにはどうしたらいいのかということを
審議会、あぁ分科会の中では議論を致しまして、
過去四回のぉ、その計算結果。その計算ず~っとやってきて
9月のカスリーン台風が来る前までその計算でやってきて、
9月のカスリーン台風の雨を入れてやる。そうすると、え~
ま、4つの土壌水分状態になっていているわけで、
そこから洪水を計算すると、報告書の中でお示しているような幅になった。
いうわけで。それが報告書の内容でございます。

ということで、まず、あのぉ最初に大熊先生にお話を、がございましたが、
こういう分布型の連続時間モデル、という、
ま、これは私ども、最初に報告書の中でもぉ、
今、流域モデルはどういう状況です、ということを書いてあって、
貯留関数のようなイベント型モデル、
どうしても、いろいろな仮定を置かなければいけないモデル、と
こういう物理的な基盤を持つ、連続的な分布型の連続時間モデル、
こういうもの、があります。
で、最後に、ある種、提言ということお話し、記述しておりますが、
まぁ、あのぉ、なかなかこういうモデルというのは、
過去にデータがないと適用できなかったんですが、今申し上げたように、
それに代わるデータが作られてきておりますので、
こういう科学技術のぉ、ぉ、先端的な知見をもとに
えのぉ、計画を作り、そして、国民の皆さんに理解いただけるような努力をして欲しい
ということを附帯意見として申し上げた次第でございます。

それで、それが前半部分です。
関委員から今、お話しがあったことでございますが、
いくつか誤解があるのではないかと思いますが。」

小池氏の回答、次回以降に続く・・・(多分、もっと簡略に)

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