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2012年10月14日 (日)

85.利根川・江戸川有識者会議(7) 河川法16条の2 3項の解釈

「有識者会議」と名付けられて召集されたからには
有識者としての役割を果たしたい!
と思ってくれる有識者が参加する会議を見るのはドキドキする。
行政ベッタリの守旧派委員との手に汗を握る対立を
見ることができるからだ。10月4日にもそんなことが起きた。
当人達にしてみれば捨て身の覚悟が必要なのであり、ひたすら頭が下がる。

一回目のことはこちらで書いた。
 75.利根川・江戸川有識者会議(1)有識者の矜持
 資料はこちら→第5回利根川・江戸川有識者会議(2012年9月25日)

そして、2回目のことがまだ書けていなかったが、これから書く。
資料はこちら→第6回利根川・江戸川有識者会議(2012年10月4日)
今回は、有識者会議の運営についての改革案が提案された。関良基委員から
学識を有する傍聴者の意見も聴くべきではないか」との提案が行われ、
宮村忠座長は関東地方整備局の泊宏河川部長の意見を聞き入れ、
裁決を行わないように進行しようとしたり、淺枝隆委員が話を逸らそうとしたりした。

しかし、関委員の再三のリクエストで、ついに採決を取ることになった。
規約の第9条には
「この規約に定めるもののほか、会議の運営に関し必要な事項について委員総数の2分の1以上の同意を得て行うものとする」とあるから、そうせざるを得ない。
ところが、賛成には挙手をさせたが、反対の決は泊河川部長が
この場は国交省が意見を聴く場であり国交省が決めると繰り返して断固阻止をした。
結局、結果は以下の通りであった。

利根川・江戸川 有/無識者会議名簿
      「消し線」は欠席、○は傍聴者意見を聴くことに賛成  ×は不明

×淺枝 隆 (埼玉大学大学院教授)
 石野 栄一 (株式会社埼玉新聞社編集局長)
 江崎 保男 (兵庫県立大学教授)
○大熊 孝 (新潟大学名誉教授)
 岡本 雅美 (元日本大学教授)
 川上 俊也 (株式会社茨城新聞社編集局次長)
×小池 俊雄 (東京大学大学院教授)
×小瀧 潔 (千葉県水産総合研究センター内水面水産研究所長)
 阪田 正一 (立正大学特任教授)
 佐々木 寧 (埼玉大学名誉教授)
×清水 義彦 (群馬大学大学院教授)
 須田 雅彦 (株式会社上毛新聞社論説室論説副委員長)
○関 良基 (拓殖大学准教授)
○野呂 法夫 (株式会社中日新聞社東京新聞特別報道部次長)
 福岡 捷二 (中央大学研究開発機構教授)
 藤吉 洋一郎 (大妻女子大学教授)
×宮村 忠 (関東学院大学名誉教授)
 虫明 功臣 (東京大学名誉教授)
 山越 克雄 (株式会社下野新聞論説委員)
○鷲谷 いづみ (東京大学大学院教授)
×渡辺 鉱 (株式会社千葉日報社論説員)

つまり、21人中11人が欠席。
10人中4人が傍聴者意見を聴くことに賛成。
宮村座長は残り5人の態度を表明させないままに終わった。
前回は座長の互選という「挙手」しにくい判断で
「挙手」をしなかった委員が多く、河川行政の歴史が変わり損ねた

しかし、今回は比較的「挙手」がしやすい事柄だった。

最後に10分でも15分でもいいから傍聴者からの意見も聴くべきだと思います」(関良基委員)

それだけに泊河川部長は、自ら規約違反を犯してまで身を挺して挙手をさせず、
賛成が「過半に達していない」と宮村座長が事態を収拾した形となった。
挙手をすれば「反対」の方が少なかった可能性は大きかっただろう。
再考の余地が生まれたはずである。

なんせ出席した10人のうち4人は賛成だったのだ。

このモヤモヤ感は、10月12日に開催された
八ツ場ダム等の地元住民の生活再建を考える議員連盟」総会後の
ぶら下がり取材で若干晴れた。目からウロコが落ちるコメントを得たからだ。

議連会長の川内博史衆議院議員は、利根川水系河川整備計画策定の場に
ダム事業に批判的な委員を入れるように推薦したと述べ、
(その結果、大熊孝委員と関良基委員が入ったのだ)
その際、局長に対し、「推薦したが、入らなかった有識者はどうするのか」と聞くと
別途、話を聞くと約束をしたのだと言う。

「その約束は守ってもらう」と川内議員は述べた。

その理由として、河川法16条の2 3項では
「『河川管理者は、河川整備計画の案を作成しようとする場合において
必要があると認めるときは、
河川に関し学識経験を有する者の意見を
聴かなければならない。』
となっているが有識者会議を開けとは書いていない
と言う。

翻って考えれば、頑なに傍聴者意見を拒む理由はない。
傍聴者の意見も参考にすればよりよい河川整備計画の策定に役立つのではないかと
考える有識者の意見を拒む理由もない。

その逆で、頑なに拒むのは、河川官僚が意見(人選)をコントロールして、
河川官僚の意のままに計画を策定したいという意図の現れだろうと思わざるをえない。

ところで、話が前後するが、
この日、同議連は、国土交通省水管理・国土保全局河川計画課と治水課から
利根川水系河川整備計画の策定状況についてヒアリングを受けた。

論議の中心となったのは
○国土交通省が現在進めようとしている河川整備計画の策定内容と
 (本流と4支流の5ブロックのうち、本流の「目標流量」だけ
  という異常なまでの狭い範囲だけを議論のテーブルに載せている)
○ 藤村官房長裁定(利根川水系河川整備計画)の解釈
のとらえ方だった。

これについては、傍聴をしていた嶋津暉之氏から
「河川法の通達(河川法の一部を改正する法律等の運用について)では
 河川整備計画の策定は『水系ごとを基本とすること』と書いてあるから
本流の目標流量だけを定めるのはおかしい」との指摘が出された。

川内議員が「それでは議連としてこの通達通りに水系全体で河川整備計画を作るよう
大臣に対して要請してはどうか」と提案し、
議連としてそのように要請を行う結論に達した。

議連終了後、本流の目標流量だけに限って意見聴取をしてきた
国交省のやり方に疑問を呈してきた嶋津暉之氏に感想を聞くと、
「ホッとしました」と安堵の笑顔を見せていた。

永田町は総じて閑散として、地元で選挙モードに入っている。そんな中、
行政の監視機能を発揮する国会議員達が少なくとも10人近くはいた。

もう一つの用事を済ませて、外へ出ると、
金曜日夕方の官邸前デモに備えて警官が警備体制を整えていた。

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