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2012年10月15日 (月)

86.利根川・江戸川有識者会議(8) 誤氾濫図の再々提出

そしてやっと第6回利根川・江戸川有識者会議(2012年10月4日)の話だが、
恐ろしく時間がないので、その日のツイートと
リツリートで思い出した過去の動画を羅列し、あとで時間があったら補足する。

いわんとするところはつまり、 

「氾濫していないところが氾濫した想定をもとに
洪水予測が行われている」と指摘されているのに

現地に確認にいかない人たちが河川管理者として、

必要性に疑念を持たれているダム事業を進めている問題。

40年以上前の博士論文での指摘、 

日本学術会議での1年半前の指摘

にも関わらずまたまた懲りずに、訂正もすることなく

10月4日利根川・江戸川有識者会議
間違った氾濫図を出してきたよという話です。↓

第6回利根川・江戸川有識者会議(2012年10月4日)の中の↓

8.資料-4 4.昭和22年9月洪水の氾濫量の推定について(参考)※[PDF:3000KB]
 ※日本学術会議土木工学・建築学委員会河川流出モデル・基本高水評価検討等分科会第9回補足資料(抜粋)として出してきた資料


10月4日、帰り道の私のツイート概要↓

●今日の利根川江戸川河川整備計画有識者会議に以前、捏造だよと指摘された資料がまた出た。昭和22年の洪水氾濫図をもとに国交省が作り直した資料には、もとの図では氾濫していない所まで氾濫している。しかも、そこは丘の上。この資料を撤回しろと指摘され、(続

●国交省関東地方整備局河川部長泊宏さんは「当時の正解な資料がなく、ある資料で作った」と。その当時の資料にもあやまりが指摘されているのに、ひど過ぎる。(続

●そんな不確実性の高い昭和22年のデータは落すべきじゃないですかと、宮村忠座長にぶら下がり取材で尋ねたが、そうは思わないそうだ。(続

●八ッ場ダムの必要性を主張できる唯一の実際の大洪水データから作った「捏造氾濫図」を捨てられない国交省を擁護しているとしか思えない。それが捏造だと指摘され、捏造ではないと否定すらできず、ある資料で作りました、としか言わない国交省なのに。(続

●どんだけのウソの上に築かれた国だろうか。

●これで思い出したんですが、私、昨年、日本学術会議で大熊先生がこの指摘した後、現地取材して確認したんですよ。ここ丘じゃん、国交省の捏造じゃん!って。写真をブログに載せないと→自分メモ @kajiken76 「カスリン台風、捏造氾濫問題」まとめを書きました。

●@kajiken76動画をリンク張ったほうが早くないですかね。

というツイートやRTがあったが、間に地方取材が入り間が空いた。
はじめて目にする人にとっては、動画ですら本質的な問題をつかむのは難しいので、
前提となる解説をつけたかったが、ボヤボヤしていうる内に次回の会議が明日に迫った。
暫定版として、以下に動画を示します。

2011年3月29日に日本学術会議で3つの問題指摘をした大熊孝委員の解説
http://www.youtube.com/watch?v=XQ99cTwZChc&feature=relmfu 
忙しい人のためのピンポイント情報
7:45~9:44 溢れていないところに溢れている話

◆↑この解説をお願いした者として、その現場を確認してきた緊急報告
http://www.youtube.com/watch?v=N6L8kUv5Z10&feature=relmfu
忙しい人のためのピンポイント情報
2:30~、5:17~など現地写真と国交省が日本学術会議に提出した地図の違い
9:50~大熊先生曰く「40年前に指摘した間違い、また40年後に同じような間違いをしている(略)40年前と同じことをやっている。ショックです

◆ ↑これらの報告を踏まえ
「洪水になっていない所が洪水になった資料を日本学術会議に出した。
反論できるところがあるなら反論して」と国会議員に反論の機会を与えられて
答えるが反論できていない 国土交通省水管理・国土保全局河川計画課 
忙しい人のためのピンポイント情報 4:45~ 弁解
http://www.youtube.com/watch?v=3rBzR672koI&feature=relmfu

これにちなんで、少しだけ
治水のあり方を変えなければならないわけを書いておく。
ダム事業を巡っては不毛な議論が続いている。

八ツ場ダム計画の場合は、
カスリーン台風がどれぐらい大きかったかというところからスタートしている。
ところが、これには大きな問題がある。
当時、観測所が流されてしまったので、実測値が誰にも分からない。

そこで、「氾濫戻し流量」と言って、溢れた量を推定する。
その「推定」を合わせて、「2.2万トン/秒だった」ということにして
その一部を上流で貯めるのだ、という理屈で八ツ場ダムの計画がある。

しかし、実は「氾濫戻し流量」は、歴史を紐解くと信じがたいことに
ダム計画の有無によって大きくなったり小さくなったりした

2.2万トン/秒より大きくて消えた例
沼田ダムという大きなダム計画があったときには
2.2万トン/秒ではなくて、2.69トン/秒だったという数値があった。
これは沼田ダム計画(水没世帯が多すぎて)が消えるとともに消えた(苦笑)。

2.2万トン/秒より小さくて存在が抹消された例
1)末松栄・元関東地方建設局長が九州大学で博士論文として発表した「利根川の解析」、2)群馬県作成の「カスリーン台風の研究」、
3)利根川増補計画の立案の中心人物だった富永正義・内務省技官が「河川」という雑誌で発表してきた「利根川に於ける重要課題(上)、(中)、(下)」(昭和41年4,6,7月号)
4)大熊孝・現新潟大学名誉教授による1974年の博士論文「利根川における治水の変遷と水害に関する実証的調査研究 (旧建設省の倉庫に「極秘」と判が押され保管された)
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-3f75.html 

などである。

これだけをもってしても「基本高水」なるものが随分いい加減なものだと分かる。
「氾濫戻し」の資料として使われている資料が、
40年前(博士論文)、1年半前(日本学術会議)、今回(利根川江戸川有識者会議)と
3度、間違っていると指摘されたことが問題なのではない。

最大の問題は、問題が指摘され、正誤は現場にいけば一目瞭然で分かるのに
いって確かめようともしない人たちが、「河川管理者」でいることである。

現場でどこが危ないのという本当の防災より、インチキな資料でしか立証できないダム事業の根拠をこねくり回すことが河川管理者の仕事だったことだ。

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