95.代替案のあるサンルダムよりサクラマスの遡上する川を!
10月26日、北海道自然保護協会ら6つの自然保護団体が
10月29日(月)18:00~20:00に開かれる
今後の治水対策のあり方に関する有識者会議
http://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo03_hh_000562.html
に対して、サンルダムに関する検討についての要望書を送った。
要点は以下の通り。
1. 北海道開発局住民アンケートではダム希望は7%にすぎない。
1998年に北海道開発局が、天塩川流域約5,000世帯に行なったアンケート結果では、洪水・土砂災害に対する安全性で危険と思う意見は2%だった。
2. 地域振興のためにダム建設をすすめるのは許されるか?
サンルダム建設をもっとも強く主張しているのは、ダム建設の現場である下川町だが、治水ではなく、地域振興のために要望している。
3. サンルダム建設ではなく、名寄川の河道掘削案がベスト。
北海道開発局が作成した代替案では、サンルダム案(1案)と河道掘削案(2案)の主な違いは河道掘削量で、2案は1案より約180億円多いが、ダム案にはデメリットがある。世界的に魚道でサケ類の保全に成功した例はない。サクラマス、ヤマメの漁獲量と遊漁などの損害、魚道建造費とその維持管理費を含めると、少し長い目で見ると180億円の差は逆転する。
4. 漁協との約束、前川北大名誉教授の意見を尊重すべき
2012年8月23日に行なわれた、有識者の意見聴取などで出た漁協や有識者からの意見を尊重すべきだなど。要請書はこちら。「121026sanru.doc」をダウンロード
私が天塩川の支流サンル川に行ったのは2007年だ。
丁度今の時期だ。朝のパリっとした空気は今でも覚えている。
(写真はクリックで拡大)
「サンル」とはアイヌ語でサンルペシペの省略形で、
「浜に出る越路」の意味。浜とはオホーツク海のことだ。
その言葉に導かれ、予定地の湖尻へ向かうとすぐに原野が現れた。
枝川がたくさんあり、産卵期には川という川にサクラマスが遡上して
卵を産む。サンル川の川底は産卵にピッタリだからだ。
流域5,000世帯の2%しか望まないダム建設のために
それを奪うのは余りにも、非生産的、傲慢ではないか。
未来に残したいのは代替案のあるダムではなくてかけがえのない川ではないか。
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