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2012年9月 2日 (日)

61.八ツ場ダム本体着工に向けた要件の現状

8月21日、久しぶりに大臣会見に行った。
(この報道でどんな成果がでているかリトマス紙を垂らしたことをこちらで書いたのは、その次の8月24日会見だった。訂正してお詫び)

大臣のスタンスを確かめることが目的。八ツ場ダムについての見解だ。

多くの報道では八ツ場ダムはすでに「中止宣言」が撤回されたことになっている。

しかし、実際には「国交省」と「民主党政策調査会」の考え方が割れたため、
藤村官房長官の裁定で以下の要件がついて、本体着工には待ったがかかっている。

1. ダム建設予定地だった地域に対する生活再建の法案をとりまとめる。
2. 利根川水系河川整備計画を策定する。
3.本体着工についてはその上で判断する。

国土交通大臣は、民主党政権下で
前原→馬淵→大畠→前田→羽田と5人目となっている。

昨年12月には、この裁定にもかかわらず、前田・前国土交通大臣が暴走して
ご当地である群馬県長野原町で自民党議員たちと仲良く万歳三唱をしてしまった。
このパフォーマンスに乗せられた多くの報道は、
八ツ場ダムは本体着工にまっしぐらだと思っている。

しかし、実際にはそうではなく、大小のハードルがある。
マスコミの理解が追いつかないのは仕方がないとして大臣はどうなのか。

1は、八ツ場ダムに限らず、ダム事業(予算配分)が中止されたとしても
必要な「生活再建事業」が滞りなく進められるためのもの。

2は、1997年(1999年施行)の改正河川法で
策定されていなければならなかったダム事業の上位計画だ。

どちらも社会情勢の変化を考えれば
自民党政権下でも必要でありながら
国土交通省がサボってきたものだ。

羽田大臣への質問の結果、

1の生活再建法案を審議入りさせ通す意欲は
お世辞にも高いものとは言えないということが分かった。

2の利根川水系河川整備計画の策定時に開催される有識者会議については
前回、2006年に同計画の策定をやりかけたときと同様、
社整審なみの公開性で開催されるであろうことは確認できた。

また、最近とみに問題視されるようになった利益相反問題では
ダム事業受注業者である「ダム水源地環境整備センター」の理事が
前回、計画策定をやりかけたときには含まれていたが、今回は、
「問題があるということであればしっかりと検討した上でと考えております」という
回答が得られたことは悪くなかった。

以下、該当箇所を抜き書きをしておく。

2012年8月21日(火)10:37~10:56
国土交通省会見室 羽田雄一郎大臣
http://www.mlit.go.jp/report/interview/daijin120821.html

(問)6月4日の就任会見以来、八ッ場ダムに関しては藤村官房長官の裁定に従われるという御見解だと思いますが、その裁定にありました生活再建法案は提出はされていますがまだ審議入りしていないということの受け止めと、もう一つの要件である利根川水系の整備計画については、審議会並の傍聴を認めるという方向でよろしいでしょうか。

(答)基本的には河川整備計画を作るということが早急に求められていると考えておりますし、私も生活再建については、しっかりと取り組んでいかなければならないと、視察をさせていただいて、特に感じました。
そういった意味では、しっかりと河川整備計画についても進めていければと思っておりますし、結論についてもしっかりと出していく時期が来るのだと考えております。
今現在、河川整備計画をいつまでという段階ではありませんが、官房長官裁定を踏まえて、河川整備計画の策定を早急に進めていき、その中で、まずは全体像を速やかにお示しできるように努力していきたいと考えているところです。

(問)傍聴についてはいかがでしょうか。通常の社会資本整備審議会で普通に傍聴させて頂いておりますが、それと同等の傍聴のやり方ということですか。
(答)特に今までと変えるつもりはございません。

(問)社会資本整備審議会並みの傍聴、公開ということでよろしいですか。
(答)その方向だと思いますが。

(問)生活再建については、今行われている生活再建事業というものは、ダム事業の中での生活再建だと思うのですが、それであると、要するに2要件をクリアした後で政府としては本体着工するかどうか決めるということになっていますので、藤村官房長官裁定を見ますと、そこでの判断ということになりますと、その条件を早くクリアするということが重要で、それによってダム事業としての生活再建になるのか、それとも、ダム事業を止めるということでの生活再建法案の実行になっていくのかということになると思うのですが、整理をしますと、今のところはダム事業としての生活再建事業が進んでいるという状況ですが、その辺はどうお考えですか。
(答)ダム事業が進むかどうかに関わらず、もう既に移転等も進んでおりますし、しっかりと生活再建については、責任を持って行っていかなければならないと思います。

(問)利根川水系の河川整備計画を作成する際に、学識経験者等の意見を聞きますが、昨今利益相反ということが問題になっており、例えば従来の会議に、ダム水源地環境整備センターの理事をされている学者が含まれていたりするのですが、そういったことは今回チェックされる理解でよろしいでしょうか。
(答)その議論は私のところに上がってきておりませんので、事務方から聞いて頂ければと思います。

(問)大臣のお考えとしては如何でしょうか。
ダム事業等を受注している公益法人の方が出席される事について、一般論で結構です。
(答)色々な方から意見を聞くことが大切だと思います。
問題があるということであればしっかりと検討した上でと考えております。

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