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2012年8月 9日 (木)

50.司法に行政のチェック機能はあるか?

適性(誤)→敵性(正)の誤変換を直しました。失礼しました。(8月11日)青字部分をお詫びして訂正(8月14日)。

8月7日、東京都を相手取った八ツ場ダム住民訴訟の控訴審第2回口頭弁論を傍聴した。
原告がこれまでに求めた9人の「証人」のうち、
2人だけが大竹たかし裁判官らに認められて証言台に立った。

【利水に関する論証】
一人は水問題の専門家で嶋津暉之氏、
東京都の水需要予測と実績の乖離を具体的に示した。
第一に、2003年に行われた需要予測は大幅に(2割)外れたことが分かっている。
第二に、2006年、2007年、2008年に1億円以上をかけて密かに委託調査で
予測を行っていたことが明らかになったが、
それらの需要予想は横ばいから減少傾向を示し現実により近い。ところが、
第三に、2012年3月に新しく需要予測を発表したが、
2006~2008年に行った委託調査による予測結果をまったく反映せずに
なぜか2003年のオオハズレした予測をなぞるものとなっていると論証した。

【治水に関する論証】
一人は関良基・拓殖大学准教授(森林政策学)。
第一に、虚偽データがもととなって過大な流量想定
(ダムの必要性を根拠づける想定)が行われていることを追究された途端に、
国交省内でその根拠データが消えた事実が前提にある。
第二に、その「根拠」の検証を日本学術会議が大臣に河川局長(当時)経由で命じられたが、
日本学術会議が行った検証では、想定流量が過大になっているカラクリを論破できていないことを
関準教授は論証した。
第三に、国交省はまったく新しい方法で計算をして、
同じ結論(過大な流量想定=ダムの必要性を根拠づける想定)を出してきたが
それにも疑問が多いことを関準教授は論証した。

原告側はこれら二つに関して「敵性証人」つまり被告の主張を裏付ける証言と、二人の原告側の主張を裏付ける証人の追加を求めていた。

1点目<利水>は、水需要が大幅に2割も増加する根拠を持っているはずの
被告側の立場に立つ責任者に裁判所への出廷を願っていた。
反論があるなら反論して欲しいわけである。

2点目<治水>は、日本学術会議で論破できていないと原告側が論証したカラクリについて
反論があるなら、反論をして欲しいということである。

原告が求めた「敵性証人」は以下の通り5人。

関東地方整備局河川部長 山田邦博
関東地方整備局 河川部河川計画課長  荒川泰二
東京都建設局河川部長  飯塚政憲
東京都水道局長 増子敦
東京大学教授 小池俊雄
(敬称略)

今回証言した2人の他、原告側の主張をさらに裏付ける証人2人を入れ、
合計7人のさらなる証言を原告側は求めた。
公正な裁判が行われるために必要な手続であるという主張である。

ところが、大竹裁判官ら3人はこれらの「証言」が必要ないと判断した。

しかしちょっと待て。
司法にはそれなりに「裁判は公正である」と第三者が思える制度があったのだ。
そんな証言は必要ないと判断した裁判官をクビにして欲しいと
願い出るシステムがあるのである。「忌避」という。

原告は7日、この申立を行い、高裁が判断するという手続に入っている。

八ツ場ダムは利息を入れれば、地方税国税合わせて1兆円の支出となる。
その支出を必要性や根拠の危うさが疑われたまま認めることが
地方財政法に合致しているのかどうか。

たった7人の証人による証言を高裁が認めるかどうかは、
司法による行政のチェック機能の有無をはかる試金石でもある。

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