48.国民的議論ではなく世論誘導
現政府(政権)はメチャクチャだ。
● 「社会保障と税制の一体改革」と言いながら結局、
増税分を公共事業に注ぎ込むシナリオが自民党によって用意され
拒めないところに陥りかけている。
● 政権維持のために政策をバーターにかけているつもりで、
実は、官僚(省益維持)のための政策実現とバーターとなり、
そのために着実に自滅していることに気づいてもいない
気づいても止められない。
● 選挙が恐くて実現できなかった増税を民主党政権にやらせた上で
民主党政権を潰そうとしていることが明らかな自民党に協力を
得なければ政権が運営できないと考えている。
そんな満身創痍の政府(政権)が「エネルギー選択に向け国民的議論をしましょう」という。
「エネルギー・環境に関する選択肢」を
http://www.npu.go.jp/policy/policy09/pdf/20120629/20120629_1.pdf
「エネルギー・環境会議」
http://www.npu.go.jp/policy/policy09/archive01.html
で決定したのが今年6月29日。
エネルギー選択として3つのシナリオ(原発0%、15%、20~25%)を掲げて
以下の4つの方法でそれを国民的な議論にするというもの。
①エネルギー・環境の選択肢に関する情報提供データベースの整備
http://www.sentakushi.go.jp/database/
②エネルギー・環境の選択肢に関する意見聴取会
http://kokumingiron.jp/
③エネルギー・環境戦略に関するパブリックコメント(8月12日まで)
http://www.npu.go.jp/policy/policy09/pdf/20120702/20120702.pdf
④エネルギー・環境戦略の選択肢に関する討論型世論調査
https://www.kokumingiron.jp/dp/
②は電力会社社員の相次ぐ発言で「お里」が知れてしまった。
③は現状を変えなければと焦る国民の側が一生懸命盛り上げている。
そして④「討論型世論調査」(https://www.kokumingiron.jp/dp/)が
昨日(8月4日)、今日(8月5日)で行われる。
昨日行われたものを見てビックリ。
http://www.ustream.tv/recorded/24459833
これでは国民的議論ではなく世論誘導だ。
1.ここ(https://www.kokumingiron.jp/dp/)に目立つ名前は、植田和弘、枝廣淳子、大島堅一。しかし、8月4日回答者は、山口彰、吉岡斎、高橋洋、荻本和彦の4人。司会者が繰り返し指名した回答者は利益相反で批判された山口彰(http://2011shinsai.info/node/1501)。(敬称略)何故なのか?
2.質問者から「資料に再生可能エネルギーが失敗した国があると書かれている」と発言あり。回答者が「それはドイツのFITのことだと思う」と回答。だが、ドイツは試行錯誤&改善を繰り返し、日本のFITはそれを踏まえての試行錯誤が始まる。
3.国民的議論を実験段階の手法「討論型世論調査」(DP)でというのにその討議の前提となる資料がどこにも公開されていない。少なくともどのようなデータを前提として討議が行われたのか、第三者が検証できなければ意味はない。世論誘導だろうと疑念を持たれても反論ができないだろう。取材したところ、この資料は8月中旬にDPの結果と共に公開するのだという。遅すぎる。国民的議論と言いながらこれでは国民をバカにしているとしか言いようがない。
フクイチの爆発(放射線物質の拡散)によって
福島を中心として起きている問題(拡大・悪化中)を共有しないままに行う討論では、
意味がないばかりか、エネルギー選択をミスリードする。
視野狭窄にエネルギー問題だけ見てエネルギー政策が牛耳られていたから
フクイチが爆発したにもかかわらず、
また同じ政策決定手段を取るのでは余りにも愚か過ぎる。
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