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2012年8月12日 (日)

51.要注意 即時原発ゼロの選択肢がないパブコメ

2030年のエネルギーを選択するパブリックコメントは今日が締めきりだ。
http://www.npu.go.jp/policy/policy09/pdf/20120702/20120702.pdf
みんなドシドシ出しましょう。史上最多5万件を超えているらしい。

いろいろな解説が出ているけれど
これは、「2030年」というところがミソである。
2030年からのことは聞いているが、
極めて重要な2012年~2029年のことはあえて触れていない。
単純に「ゼロ%」と書いて送っても、それは2030年の話であり、
2012~2029年のことは政府<再稼働容認>にお任せということになりかねない。

参考までに私が今こちらから書き送った自分自身の意見を公表します。

意見の概要
政府が示したのは2030年のエネルギー選択肢ですが、
原発依存度について言えば、2012年で即時ゼロを求めます。

意見及びその理由
政府が示した選択肢以外の「原発依存度の即時ゼロ」を選択する理由を以下に示します。

理由1 ウラン採掘時から被曝が始まるからです。
理由2 原発や部品、燃料棒の製造などで被曝や捏造が繰り返し起きているからです。以下は氷山の一角です。
 例:グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパンで被曝事故
 http://www.cnic.jp/modules/news/article.php?storyid=674
 例:株式会社首藤バルブ製作所による材料試験成績書のねつ造
 http://www.nisa.meti.go.jp/oshirase/2012/03/240302-1.html
理由3 東京電力の福島第一原発事故時に重要な情報が政府・東電から開示されず、無用な被曝をさせられたにもかかわらず、誰も責任を取らず、いまだに原発推進策の責任体制が明らかでないからです。
理由4 現在も16万人が避難生活を強いられ、土壌、公共用水、生態系への影響を回復させる手立てがないからです。
理由5 原発ゴミの捨て場がないからです。
理由6 原発依存度の高い関西電力圏内でさえ、大飯原発を再稼働しなくても供給量が足りたというデータが明らかになったからです。
理由7 大飯原発の再稼働により、原発稼働ありきでなりふり構わず「ウソ」をつく、または電力需給の適正な見積ができない、いい加減な業界であることが明らかになったからです。
理由8 原発依存の選択肢と共に上記に示すようなデメリット情報が提供されていないからです。
理由9 デメリット情報を示さないために、一部の経済的繁栄のために少数の犠牲者を生むことになしに成り立たないエネルギー選択であることが国民の間で十分に共有されず、倫理問題としての国民的議論を惹起させる選択肢となっていないからです。

字数の関係で主だった理由だけを挙げましたが、
少なくとも以上の9つの理由で、原発は賢明な選択肢であると思えないからです。
以上
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【解説】
なぜこんなことになっているかと言えば、
2010年6月に決定したエネルギー基本計画では、
2010年に26%だった原発比率を2030年で45%にするとなっている。
これが福島第一原発事故を受けてあまりにも非現実的となり見直すことになったというわけだ。
しかし、今回のパブコメがややこしいのは二つの理由がある。

一つは、現状維持に近い20~25%、15%、0%のどれがいいですか?と
国民に聞いて、国民的議論にしたことにしようというのだが、
実際に聞いているのは2030年の話。
2012年~2029年の話も重要であるが、それについは聞いていない。

これに気づかず「今すぐ0%」のつもりで意見を出すと2030年までは原発ありになる。
政府はそれに気づいているのかわざとか、実に不誠実なパブコメだ。

もう一つは、こうした政策<エネルギー基本計画>は
従来、総合資源エネルギー調査会で決めてきた。
しかし今回のパブコメは「エネルギー・環境会議」(議長:古川元久国家戦略担当大臣)が行っている。船頭が2人いる状態になっていることである。
矛盾した結論にはなり得ないにしてもややこしい話である。

政府が提示した選択肢は
ここhttp://www.npu.go.jp/policy/policy09/pdf/20120629/20120629_1.pdf 
概要はここhttp://www.npu.go.jp/policy/policy09/pdf/20120713/gaiyo.pdf

意見はこのページから↓
ネット上でhttps://form.cao.go.jp/aec/opinion-0027.html
FAXでhttp://www.npu.go.jp/policy/policy09/pdf/20120702/20120702_1.pdf 

ぜひ、賢明な意見を出そう!

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