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2012年7月15日 (日)

41.関東一円の上下水道と湖沼

月刊「世界」8月号
「首都圏の水瓶が危ない!──
霞ヶ浦に溜まり始めたセシウムをどうするか」を書いた。
側面からさらに俯瞰して書いておきたい。

福島第一原発から百数十キロ圏内の霞ヶ浦(茨城県)に
その周辺に降った放射性物質がジワリジワリと流れ込み続けている。

霞ヶ浦」は現在のところ茨城県住民の飲み水であり、
年間5億円の漁獲高があった、生活と産業を支える水瓶だ。
NPO法人アサザ基金が始めた調査の結果に驚いて取材を始めたのだが、
取材を進めているうちに霞ヶ浦だけではなく
利根川流域の「浄水場」でも同じことが起きていることに気づいた。
川から水を引いて懸濁物を沈殿させて飲料水をつくる浄水場で
沈殿させた「浄水発生土」におびただしい量のセシウムが検出されてきた。

神奈川県川崎市の「下水汚泥」から高濃度のセシウムが検出され
その処理に困っているという話を、
去年の週刊金曜日8月26日号で書いたが
関東一円、上下水道と湖沼で同じことが起きていたのだ。

霞ヶ浦だけではない、
2012年4月2日、群馬県の「赤城大沼」のワカサギからも
430ベクレル/kgが検出されたことが公表されている。(*)
4月から新しい食品の基準値が100ベクレル/kgになった。
基準の4倍だ。これが、1年4ヶ月が経った今の姿だ。

神奈川県の西の端の「芦ノ湖」のオオクチバスからも
100ベクレル/kgが検出されている。(*)

東京電力福島第一原子力発電所
どれだけの人生や生活や生態系や食物や産業に影響をしているか。
それをあたかも忘れたように、見えないかのように
振る舞っている東電エリート達や政府エリート達の存在が・・・疎ましい。
脳みそは動いているのか?
目はついているのか?耳はきこえているのか?と言いたくなる。

霞ヶ浦が送ってくるメッセージは
大飯原発に対する「琵琶湖」や「淀川」が抱えるリスクの話に通じている。

食糧を生産する土や飲み水を得る川や湖で、
なぜロシアンルーレットのようなマネをするのか。

それは頭の悪い計算で、案外、六ヶ所村と結びついていると思うのである。

(*)水産庁データ
水産物の放射性物質の調査結果(一覧表)【平成24年4月以降公表分】(7 月12日現在)
http://www.jfa.maff.go.jp/j/sigen/housyaseibussitutyousakekka/other/120712_result_jp.xls

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