21.河川整備計画の理想の作り方(1)
日本で最も先進的な河川行政を試行したのは、
国土交通省の出先機関、近畿地方整備局で
淀川水系流域市民委員会の立ち上げに腐心した宮本博司さんだろう。
彼は「国土交通省は国民から信頼されていない」ことを肝に銘じ、
2000年、淀川水系の河川整備計画を作るための諮問委員会を作るために、
まず、その委員たちを国交省自らは選ばないということを決めた。
数人からなる第三者機関を作って、間接的に委員を選ばせた。
候補者リストを渡したが、それ以外でも誰を入れてもいいと依頼した。
その結果、従来の河川行政に対して厳しい考え方を持つ市民が入り、
公募枠も設けた。さらに公募に漏れたとしても、
「参加」意欲があって委員会に傍聴に来てくれた人なら誰でも、
委員会での議論の最後に発言できる機会も確保した。
そうしなければ失った信頼を取り戻すことはできないと感じていたからだ。
果たして淀川流域委員会には、
地域の川に詳しい人も学者もごっちゃに含まれていた。
なぜなら「チョロっと河川工学の勉強をしたとか、
チョロっと川の水質を勉強したといったところで、
無限大である川から見たらニアリーイコールゼロ。
だから分かっていない者同志が集まって知識なり思いを出し合って
問題をあぶり出していこう。皆が対等だ」との考えだ。
(興味ある方は こちらのYouTubeかActio 2012年3月号 へ)
★たね蒔きジャーナルの
20111019「反骨の人 脱ダムを唱える元国交省宮本博司さん
http://www.youtube.com/watch?v=PcZGdM4aRZg もオススメ。
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