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2012年6月

2012年6月24日 (日)

39.No Guts, No Glory!

飯田哲也さんの出馬表明を見ていると
「No Guts, No Glory!」という言葉が思い浮かぶ。
勇気なきところに栄光なし。

常識的に考えれば、飯田さんの立場では絶対に出馬しない。
自然エネルギー推進のオピニオンリーダーとして認知された、
無二の存在だからだ。その揺るぎない存在が
政治的に中立の立場でいてくれることが、
日本においては重要なのだ。しかし出てしまった。

構想力、実行力、ネットワーキング力、それに加えて、
今回山口県知事選に出馬表明したことでも分かるように「負けるリスク」も取る度胸。
(あるいは負けるとは思っていない楽観力)
(あるいは負けてもなんとかなると思っている根拠ある自信)
(あるいはたとえ捨て石になろうとも
 閉塞感を打破しなければならないと考える決断力と軽やかさ)
これは数の力だけで物事を進めてきた守旧派にとっては
異質・脅威・未知数であると共にチョロい。
今回も数で勝てると思っているはずだ。

出馬表明のニュースに一番に祝杯を挙げたのは原子力ムラかもしれない。
これをエネルギー政策の転換点ととらえることができずに
いまだに古めかしい「イデオロギー」というメガネでみるムラ社会では、
原子力ムラ以外のムラというムラが結束してつぶしにかかるだろう。
当選すれば、合理性とは無関係な屁理屈で議会が県政を立ち行かなくさせ
落選すれば、中央官庁や自治体の審議会等などで
(任命権者(大臣等)が公平な考えの持ち主であれば問題はない)
飯田さんを起用しなくなるなんてことも考えられる。

飯田さんのような人であればあるほど、飯田さん自身が失うものはもちろん、
社会が失うものが大きいと、永田町・霞ヶ関界隈をよく知るものほど思うものだ。

しかし、そんな常識にがんじがらめになることを
軽やかに否定しているわけだ、この人は、
自分が苦労して築き上げたものを
「今しかない」と見極めると投げ出せてしまう人なんだ、
と先日、出馬会見を見ながら思った。

飯田さんの周辺では、「出馬して欲しい」という声と共に
多分、それ以上に、相当の「出馬反対」があったはず。
それでも「出馬」を決めたのは「No Guts, No Glory!」
オレが切り開く!の気持ちがあったからからだろうと推察する。

他の出馬予定者は山本繁太郎・元国土交通審議官高邑勉・現役衆院議員
それに元山口県職員の三輪茂之氏だと言う。

山口県民は歴史にものを言わせてくれるのだろうか。

6月22日の官邸前デモのように↓、
(岩上安身IWJの画像報道ステーション:リンク切れしたら失礼)
自分がまず動かなければと、エネルギーを沸き立たせ、
投票行動として見せてくれるだろうか。

飯田さんと、デモに参加しよう!と一歩前に踏みだし、
官邸前に集まった人々によって、私の頭の中には
「No Guts, No Glory!」に
  やってみなければ分からない。
  やってみずに諦めることはできない。
という新たな訳語が浮かんできた。

2012年6月21日 (木)

38.原子力規制委員会設置法 利益相反議員は罷免できるか

国会審議はだいたい二日目ぐらいから本格化する。
この法案も例に漏れなかった。

その意味で、新たに出してきたこれほどまでに重要な、
今後の原子力行政を左右する法案を密室協議の上、決まった案を
衆議院で採決の朝に出してきて、土日を挟んで月火水で参議院で
上げてしまってその後で「国会会期延長」を決めたのは国会の恣意、怠慢、諦めとしか言いようがない。

加藤修一議員の質問に続き、水野賢一議員の質問によってさらに、
いかに3党協議がズサンで中身がカラッポなまま
原子力規制委員会丸投げされるかが(その他に丸投げされる可能性を私は危惧しているが)明らかになった。

10.水野賢一議員による論点(◎)

規制委員会の人選について。7条にあるが、ガイドラインを作ると答弁があった。誰が作るのか。いつ頃作るのか
近藤昭一(提出者答弁)
 「内閣官房が作る」
細野豪志(政府答弁)
 「法案成立後、早急に」

立法者の意思が重要。ガイドライン作るなんて条文にあるのか。
近藤昭一(提出者答弁)
 「明確な規定はない」

法案にないものをあとから政府が勝手に作られては困る。
 立法者の意思を示しておく必要がある。
 提案者の生方衆議院環境委員長が「原子力ムラにかつて属して、
 どっぷりと浸かった人達が委員長になることは考えられない」と。
 それ自体は結構だが。7条に書いてあること。
 これを見ると現在だけど、過去も準ずるという意味か。
近藤昭一(提出者答弁)
 「準ずる」

過去に規制委員が東電から顧問料をもらった場合、欠格事由に相当する。
 国会の承認とかをえずに即罷免できるという理解でいいか。
近藤昭一(提出者答弁)
 「両院の承認を得て罷免が可能」
今のは9条2項の同意を得て罷免。
 欠格事由に相当したんだから9条1項の国会の同意なくても罷免できるのでは。
近藤昭一(提出者答弁)
 「9条2項の同意を得て罷免が可能」

要整理。要は原子力ムラとの関係を絶たなければならない。
 東電に顧問料を100万円もらっていた人が今も原子力委員会にいる。
 東電出身者がいることは知っていたが、まさか委員でいながら
 同時並行的に東電から顧問料をもらっていた人がいるとは夢にも思わなかった。
 4月17日環境委員会で尾本(彰)さんを呼んで質問したら、
 3.11以後も今年の3月まで顧問料を受け取っていたことを認めている。
 細野大臣、ご存じでしたか

細野豪志(政府答弁)
 「知りませんでした。元委員は非常勤。
  他から報酬を得ることを否定できない。皆さん生活がありますから。
  東電顧問ということを出して国会に承認され就任している。
  お金をもらっていることを推定すべきだったがやり過ごしてしまった。
  時代は変わったと認識しなければならない」

辞任しろと言えないとのことだが、
 どれだけの金額をどれだけの期間もらっていたか、開示すべきではないか。
細野豪志(政府答弁)
 「大臣と委員会の関係は悩ましい。内閣府の中で検証するようすすめている。
  原子力委員会の中でどういう考え方をしていただけるか。」

満足していないが。
 尾本さん、自発的にいくらもたらっていたのか開示してくださいよ。
尾本彰(原子力委員会委員)
 「私契約に関わることなので、その件について触れるのは避けたい。」
非常識極まりない。理解に苦しむ。原子力委員会と東電顧問と並立していた。
 カネもらっていたんだがら、東京電力のために働いていたんですか。

尾本彰(原子力委員会委員)
「経緯を詳しく申し上げる。国会同意人事に際し、
 東電顧問であることを明示した。東電顧問と原子力委員就任は同時期ではない。
 もともと東京電力で働いていて、そのあと国際原子力機関にいき働き、
 日本で大学に職を得る条件で帰国し、かつ12月に大学に職を得て、
 その中で原子力委員になるという話が突然来まして、2010年の1月からです。
 原子力に関する知見、国際経験で原子力委員会に貢献していきたい。
 東電から要請を受けた発言を原子力委員会でしたことはない」

同時並行的に顧問で原子力委員の時期はある。
 カネはもらっていたが東電のために働いたわけではない?
尾本彰(原子力委員会)
 基本的には国際経験を生かしてアジア周辺諸国。ベトナムへの輸出、
 テキサスプロジェクトに適宜アドバイスをした。
 3.11以後は原子炉の収束。ここは細野大臣もご存じ。

そんなに働いたことがないなら東電はそのお金を賠償に回すとか電気料金を抑制するとか。電気料金は税金みたいなもの。意味不明な支出を公表させるべきだ。

枝野幸男(政府答弁)
 「東電値上げ申請につき、原価に含まれるものは出させている。
 尾本委員については嘱託社員を3月31日に退任している。
 嘱託社員契約をしている人は他にもいる。看護士とか。
 内容については電気料金審査専門委員会で検討、公開をさせる」

総括原価方式だから無駄カネが使われてきた。
 尾本氏の答弁と違い、東電のために働いたとしたら無駄ではないが。
 さきほど非常勤だからという話があったが、原子力規制委員会は常勤か。
生方幸夫(提出者答弁)
 「常勤です」

情報公開・3党協議について(質疑応酬やりとりをまとめ)
情報公開について。どこまでレベルを上げるのか。
生方幸夫(提出者答弁)
 「原子力規制委員長が決める。28条において。
  発足してからガイドラインが定められる。」
内容以前に驚くのは、3党協議に加わっていた人でさえ、
 3党協議で何を議論されていたのか(分からない)、
 3党協議に加わっていなかった人には分からない、
 ましてや我々3党協議に参加していない人には分からない。
 ましてや一般国民は3党協議で何を議論されていたかは分からない。
 何がどう議論されていたか、記録は残っているか。
 議事メモがあれば公表すべきではないですか。
近藤昭一(提出者答弁)
「3党協議は環境委員会理事の中で協議をするということだった。
 残念ながらすべての協議を公開するということでは開いていない。
 できるかぎり記者発表という方法は不十分かもしれないが、その都度公開してきた。
 (記録は)公開できません。」

▼↑2日遅れのメモです。19日午前の審議が終わり、休憩を挟んで午後も審議だった。まだまだ続くが私はここで一旦仕事に。

37.原子力規制委員会設置法案 国際基準はECRRかICRPか

現在、2012年6月19日(月)午前の審議まで見終わったところ。
敬称(参議院議員)略でメモります。

◎会期末での慌ただしい審議について批判
小坂憲次(自民党)、加藤修一(公明党)
◎ 原子力規制委員会の役割、独立性、人選について
加藤修一(公明党)、水野賢一(みんなの党)

こうしていくつかの共有点があるが、
加藤修一議員と水野賢一議員の論点は特筆すべきところが多いので概略以下の通り。

9.加藤修一議員による論点(◎)

「損なわれた信頼を回復するため」について
 法案趣旨説明には、「損なわれた信頼を回復するためとあるが
 そのためには真摯な議論が必要ではないか。
 連合審査も参考人質疑も予定されていない。

 何回か要求した広瀬研吉氏の参考人招致ができていない。
  二大政党が反対している。
  2006年の段階で国の原子力安全防災指針の見直しについて
  安全委員会が着手したときになぜ寝た子を起こすのかと批判し、
  国際機関が推奨する原発から3~5キロの予防防護区域の設定の導入できなかった。
  できていれば事故における被害軽減ができた
  原子力安全委員会の事務局長も安全保安院委員長もやった人物。
  損なわれた信頼を回復するためならこうした原因究明もすべき。

40年ルールについて
田中徳和(提出者答弁)
 「新しくできる原子力規制委員会で決めること(衆議院での答弁より後退)
 「どのような原因で原発事故に到ったのかは確定していない」

原子力規制委員会設置方法「確立された国際基準」の中身が問題
  原子力基本法の2条にも「確立された国際基準」とある

江田康幸(提出者答弁)
 「IAIA基準がその代表だと思っている。
 放射線防護の考え方についてはICRPが国際基準の一つであると考えている」

ICRPについては議論がある。
 原子力を推進している諸国はICRPの基準に則っているが、
 低線量被曝は過小評価、内部被曝の無視・軽視。
 これは国際的な議論になっている。
 1997年にECRR(欧州放射線リスク委員会)
 2003年勧告、2010年勧告を出し、ICRP(国際放射線防護委員会)基準を批判し、
 低線量被曝、内部被曝に関する提言を呼びかけている。
 欧州各国はECRR基準に沿って原子力政策が見直されているが?

細野豪志(政府答弁)
 「確立された国際基準」とは主にはIAIA
 ICRPは幅のあるさまざまな見解を取り入れた色々な学者のコンセンサスととらえている。ICRPの基準は厳しすぎるという考え方も、低線量の考え方緩すぎるという考え方もある。あえて国際的なコンセンサスは何かと言うと、やはりICRPの考え方は参考になる。
 さまざな考え方を取り入れるにしても放射線防護の考え方から
 できる限り被曝量を減らしていくということが取るべき方法だ。
 除染、食品も含め、できる限り線量を下げる。」

二つの組織で相当論争ある。
 ICRPに沿って改訂してきている国が散見されることからも排斥すべきでない。
 確定的影響はともかく確率的な影響はわからない。

細野豪志(政府答弁)
 「ICRPの考え方にLNT仮説がある。
 疫学的には100ミリシーベルト以上については
 ガンの発生率が0.5%上がるのではないかというデータ。
 100ミリシーベルト以下はない。他のガンの確率に隠れる形になる。
 ただ、以下についても防護の観点からあるであろうという仮定に基づいて
 比例させて下げていく。これが正しいかも含めて検証の必要性ある。
 疫学データを取り、被害がでない体制を取ることが重要。」

江田康幸(提出者答弁)
 「重要なご指摘。ただし基準がどこまでかは適切な評価をする必要がある。
 規制委員会がこれを実施することになる。
 「確立された国際基準」の適正な判断を踏まえてやっていただきたい。」

事故調のアウトプットの成果は?
 見直しの検討チームを超党派で作ることが大事ではないか。
 見える行動として示す、なんらかの組織を作る必要。

吉野正芳(提出者答弁)
 「3年以内の見直しとしたがどのような組織では考えていない。
 超党派でという提案、その方向で見直し機関を作りたい。見える形で」

原子力防災会議の役割
 環境大臣が入ってくるのは理解ができない。防災大臣が入るべきではないか。

細野豪志(政府答弁)
 「1)環境省は放射線物質を扱えるようになる。
 2)防災と原子力災害は役割が違う
 ただし、原子力規制委員会と原子力防災会議が密接に連携ができるかは懸念。」

まさの感想  ▼「確立された国際基準」はこのままではまだ立法者の意思がハッキリしないということが分かった状態で、このままでは芳しくない。▼国際基準と言っても、IAIAなど施設(ハード)についてと放射線防護(ソフト)についてごっちゃに議論していて結局は明確になっていない(19日審議の時点では)。▼放射線防護についても国民の多くはECRR(欧州放射線リスク委員会)の勧告と、ICRP(国際放射線防護委員会)の基準だってよく分かっていないはずで、国会は国民の代表として、立法者の意思としてもっと明確にすべき。曖昧なままで原子力規制委員会に丸投げするのでは、東電福島第一原発事故を起こした過去の原子力行政の失敗から何も学んでいないことになる。「学者だけに任せない」「みんなで学び合いながら考え、関わっていく」ということが大事だと学んだのではなかったのか?

36.原子力規制委員会設置法審議で「安全保障」は審議されたか

原子力規制委員会設置法案の審議について、
2012年6月15日衆議院、18日参議院審議の各環境委員会を
時間節約のために倍速モード(Media Playerの機能に感謝)で聞きながらメモった。

33.「穴」の塞ぎ方34.塞がれつつある穴35.法案以前の呆れて塞がらない口
で、「この法案審議はまだ続くが、メモの作成はここまでにする」と書いた。

しかし、35で書いた「原子力防災会議」という
おそらく(私の推測)ノーリターンルールで原子力規制委員会に入りそびれる
原子力推進官庁からの寄せ集めチームになる懸念のある「抜け穴組織」以外に、

原子力基本法に「安全保障」という目的がコッソリ入っていたことに
木野龍逸さんからのツイートで気づかされた。

しかしよく見ると、「安全保障」の文字は原子力基本法だけではなく、
原子力規制委員会設置法にも、原子力規制委員会の任務にも、その見直し規定にも
果ては「炉規法」と略されて呼ばれることが多い「原子炉規制法」にも
(正式名称は「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」)
ちりばめられていることが分かった。

その箇所を書き出すと以下の通りだ。

8.安全保障は審議されたか?

原子力規制委員会設置法案
(目的)第一条
 
この法律は、平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故を契機に明らかとなった原子力の研究、開発及び利用(以下「原子力利用」という。)に関する政策に係る縦割り行政の弊害を除去し、並びに一の行政組織が原子力利用の推進及び規制の両方の機能を担うことにより生ずる問題を解消するため、原子力利用における事故の発生を常に想定し、その防止に最善かつ最大の努力をしなければならないという認識に立って、確立された国際的な基準を踏まえて原子力利用における安全の確保を図るため必要な施策を策定し、又は実施する事務(原子力に係る製錬、加工、貯蔵、再処理及び廃棄の事業並びに原子炉に関する規制に関することを含む。)を一元的につかさどるとともに、その委員長及び委員が専門的知見に基づき中立公正な立場で独立して職権を行使する原子力規制委員会を設置し、もって国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資することを目的とする。

(任務)第三条 
原子力規制委員会は、国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資するため、原子力利用における安全の確保を図ること(原子力に係る製錬、加工、貯蔵、再処理及び廃棄の事業並びに原子炉に関する規制に関することを含む。)を任務とする。

附則5条、12条、15条
□(原子力利用における安全の確保に係る事務を所掌する行政組織に関する検討)第五条 
原子力利用における安全の確保に係る事務を所掌する行政組織については、この法律の施行後三年以内に、この法律の施行状況、国会に設けられた東京電力福島原子力発電所事故調査委員会が提出する報告書の内容、原子力利用における安全の確保に関する最新の国際的な基準等を踏まえ、放射性物質の防護を含む原子力利用における安全の確保に係る事務が我が国の安全保障に関わるものであること等を考慮し、より国際的な基準に合致するものとなるよう、内閣府に独立行政委員会を設置することを含め検討が加えられ、その結果に基づき必要な措置が講ぜられるものとする。

□(原子力基本法の一部改正)第十二条
原子力基本法(昭和三十年法律第百八十六号)の一部を次のように改正する。
  第一条中「利用」の下に「(以下「原子力利用」という。)」を加える。
  第二条中「原子力の研究、開発及び利用」を「原子力利用」に改め、同条に次の一項を加える。
 2 前項の安全の確保については、確立された国際的な基準を踏まえ、国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資することを目的として、行うものとする。

□(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部改正)第十五条 
核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を次のように改正する。
  第一条中「限られ、かつ、これらの利用が計画的に行われること」を「限られること」に、「運転等に関する」を「運転等に関し、大規模な自然災害及びテロリズムその他の犯罪行為の発生も想定した」に、「行うこと」を「行い、もつて国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資すること」に改める。

審議内容を途中まで発信してしまった者の責任として、
上記の点がどう国会の中で審議されたのか、それともされずに終わってしまったのか
続きを見ておかなければならなくなった。

そんなわけで、続きである6月19日参議院環境委員会の
中継アーカイブを倍速モードで見ながら、メモを共有しておきます。

ちなみに原子力規制委員会のノーリターンルールと
「菅直人リスク」という言い回しに象徴される緊急時の指揮系統については
衆参両院の各議員がしつこく質問し、各紙各TVもそれなりに取り上げているので、
当ブログでのメモではほとんどすべて省略しています。
その点は是非、ご留意を。

ただし、1点だけ。原子力規制委員会に関してさえ、
原子力を推進してきた省庁の一つ文部科学省についての
ノーリターンルールは明確ではない。
公益法人への天下りについても明確ではない。
これは19日の審議で水野賢一参議院議員が明らかにした。

2012年6月19日 (火)

35.原子力規制委員会設置法案以前の呆れて塞がらない口

原子力規制委員会設置法案は、
多くの穴や問題が、全与野党によって指摘されているが、
共通して指摘されている法案以前の問題は、大飯原発の再稼働だ。

6.大飯原発の駆け込み再稼働

服部良一(社民党)衆議院議員を始め、民主党以外は全党が(意外だったが)、
この法案の成立前に大飯原発の再稼働を決めたことに反発し、
審議の中で、口々に、反発・反対を明言した。

大飯原発再稼働については、おそらく過半の国民が反対であり、
(ノダ首相自ら「暫定的な安全基準」で「国民の生活を守る」と
 正常な思考ができる人なのか、基本的なことを疑わせる
 非科学的な説明をしたのだから当然なノダ)
委員会審議に参加した民主党以外の全党の反発は、
国民の意識を反映したものに過ぎない。

民主党だけが国民の声が聞こえなくなってしまったのか。
3.11以後ほど、国民の声が高く上がっているときはないのに
その国民のやる気や表現をハエを叩くようなやり方で潰したことを
なんとも思っていないかのような閣僚達の涼しい顔が悲しい。

このタイミングで法案審議をする狡猾さに、国民の政治不信は
自民党時代よりも深くなったように思う。目覚めた人が自民党時代よりも多いだけに。

7.原子力防災会議は誰の発議か?

修正によって削除されなければ、後々最も禍根を残すのが
第三条の三に盛り込まれた原子力防災会議だ。
政府案にも自公案にもなく、突然、こつ然と挿入された

内閣に置くとされ、
なぜか、発議者でないはずの細野大臣が「平時の連絡調整機関」と説明したが、
当然ながら、激しく各与野党から疑問が呈された。(それが救いだ)

・ 一元化に反する
・ なぜ議長が総理大臣で、副議長が原子力規制委員会委員長か?
・ 緊急時と平時の体制が違い、
オフサイトとオンサイトの体制が違うことにより
間に落ちてしまうこと(責任体制)をどうするのか

私は、一見してこれまで通り、原子力利権(現職ポスト、予算、天下り先)を
省庁間で分け合うために、政府サイドから挿入されたものではないかと疑う。

この会議だけでなく、文科省や厚生労働省に未だ分散されている仕事も含め、
シンプルな規制組織となるようにすべて一元化すべきだと思う。

文科省が、原子力安全委員会が、保安院が、原子力委員会が、原災本部が、
官邸が、東電が・・・と事故で右往左往し、国会事故調でも責任をなすりあった。

たからこその組織改正なのに、
「内閣」という、得たいの知れない「ザ・霞ヶ関」に
原子力防災会議を置くなんて、ドサクサで何を考えたのか。

法案では以下のようになっている。
緊急時は、指揮系統を複雑にさせ、
平時は、事務局たる人材と税金をムダ遣いする象徴のような組織だ。

(設置)
 第三条の三 内閣に、原子力防災会議(以下「会議」という。)を置く。
(所掌事務)
 第三条の四 会議は、次に掲げる事務をつかさどる。
  一 原子力災害対策指針(原子力災害対策特別措置法(平成十一年法律第百五十六号)第六条の二第一項に規定する原子力災害対策指針をいう。)に基づく施策の実施の推進その他の原子力事故(原子炉の運転等(原子力損害の賠償に関する法律(昭和三十六年法律第百四十七号)第二条第一項に規定する原子炉の運転等をいう。)に起因する事故をいう。次号において同じ。)が発生した場合に備えた政府の総合的な取組を確保するための施策の実施の推進
  二 原子力事故が発生した場合において多数の関係者による長期にわたる総合的な取組が必要となる施策の実施の推進
  (組織)
 第三条の五 会議は、議長、副議長及び議員をもつて組織する。
 2 議長は、内閣総理大臣をもつて充てる。
 3 副議長は、内閣官房長官、環境大臣、内閣官房長官及び環境大臣以外の国務大臣のうちから内閣総理大臣が指名する者並びに原子力規制委員会委員長をもつて充てる。
 4 議員は、次に掲げる者をもつて充てる。
  一 議長及び副議長以外の全ての国務大臣並びに内閣危機管理監
  二 内閣官房副長官、環境副大臣若しくは関係府省の副大臣、環境大臣政務官若しくは関係府省の大臣政務官又は国務大臣以外の関係行政機関の長のうちから、内閣総理大臣が任命する者
  (事務局)
 第三条の六 会議に、その事務を処理させるため、事務局を置く。
 2 事務局に、事務局長その他の職員を置く。
 3 事務局長は、環境大臣をもつて充てる。
 4 事務局長は、議長の命を受け、命を受けた内閣官房副長官補及び内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第四条第三項に規定する事務を分担管理する大臣たる内閣総理大臣の協力を得て、局務を掌理する。
  (政令への委任)
 第三条の七 この法律に定めるもののほか、会議に関し必要な事項は、政令で定める。

この法案審議はまだ続くが、メモの作成はここまでにする。
以上述べたように衆議院で成立した法案のままでは問題が多すぎる。
参議院での修正が行われるべきだ。続きはこちらで↓
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php

34.原子力規制委員会設置法案 塞がれつつある穴

続きです。

議員立法となった原子力規制委員会設置法案は、
おそまつな提出(6月15日)のされ方から短い期間でありながら、
全与野党によって総じて有意義な審議(指摘、提案、答弁)がなされている。

2012年6月15日衆議院、18日参議院審議より順不同メモを作っておく。

3.谷岡郁子参議院議員(民主党)による再修正要求
●附則第5条 見直し規定三年以内とあるが、
  国会事故調の報告が出てくるのだから
  それを反映して見直しは半年以内とすべき。
●第6条9項 シビアアクシデント対策は
  事業者の自主的の努力義務となっている。
  これではしなくていいことになっているという問題がある。
●罰則は見直すべき。違法ダウンロードが罰金上限200万円の時代に、
 炉を止める判断に違反をしたら300万円、
 情報隠しや隠蔽は30万50万と書いてある。
 本気で変えるつもりならゼロが二つ三つ違うようにすべきだ。
●16条から22条の審議会や委員会は不要。
 規制庁にするなら委員会が必要だが、
 委員会を上に持ってきて専門家集団であるなら
 事務局自身が専門性をもっていなければいけない。
 原子力規制委員会ができてから柔軟に対応するようにすべき。
 今からこんな委員会の設置をこの法案で決めるべきではない。

▼法案には次のようにある。

(設置) 第十六条 別に法律で定めるところにより
 環境省に置かれる審議会等で原子力規制庁に置かれるものは、次のとおりとする。 
(原子力安全調査委員会) 第十七条
 原子力安全調査委員会については、原子力安全調査委員会設置法
 の定めるところによる。
(放射線審議会) 第十八条
 放射線審議会については、放射線障害防止の技術的基準に関する法律
 の定めるところによる。・・・・

▽ 確かにこれでは規制の一元化に反するし、 
 原子力委員会→原子力規制庁→原子力安全調査委員会/放射線審議会・・・
 と頭がいくつもあるバケモノ組織で、無責任体制極まりない。
 その他のどの修正要求ももっともだ(まさの感想)。

4.国会事故調との関係
柿澤未途(みんなの党)衆議院議員
「国会事故調がこれから提言を出す直前。
 その点だけをとっても正当性が欠けている。
 国会事故調を全会一致で設置した国会の自己否定。」

水野賢一(みんなの党)参議院議員
「国会事故調報告、間もなく出てくるのをなんで待たないのか?
 参考にする価値がないのか?あと10日ぐらいのものが待てないのか?」

斎藤やすのり(新党きづな)衆議院議員、他複数議員が同様に指摘。

▼もっともだ(まさの感想)。

5.40年運転制限について
斎藤やすのり(新党きづな)衆議院議員
  「なぜ40年か。ドイツは32年」
田中和徳(自由民主党)衆議院議員(提出者答弁)
  「誤解のないように(自民党が40年ルール削除を要求したのは)
  40年よりも短く廃炉にすべきケースもあるから」
吉井英勝(日本共産党)衆議院議員
  「(中性子劣化を考えれば)もっと早く廃炉の必要性があるものがある」

▼40年廃炉ルールは法案では正確にはこう書いてある。

(運転の期間等)第四十三条の三の三十一 
 発電用原子炉設置者がその設置した発電用原子炉を運転することができる期間は、
 当該発電用原子炉の設置の工事について
 最初に第四十三条の三の十一第一項の検査に合格した日から起算して四十年とする。
 2 前項の期間は、その満了に際し、原子力規制委員会の認可を受けて、
 一回に限り延長することができる。

▽・・・・文字通り読めば、「四十年とする」となっており、
 もとの政府案を提出した側の細野環境大臣の答弁は、
 より短くすることについて電力会社の立場を代弁する理由を述べ消極的だった。
 しかし成案である今回の法律案の提出者である自民党を含め
 各党は、もっと短い期間で廃炉となるケースがあることを確認した。

▽立法の精神としては、「四十年とする」を「四十年以内とする」に
 修正をする方がより国会審議を反映した法案となるのではないか。

▽2項にある「原子力規制委員会の認可を受けて、一回に限り延長する」
 ケースとはどのようなケースなのか、漠然とした条文によって、
 好き勝手に解釈される余地を残さないよう、
 ポジティブリスト的に具体的に聞いて穴を塞ぐべきではないか。

そんな感想を持った。

33.原子力規制委員会設置法案の「穴」の塞ぎ方

民自公が密室協議で成立させた「原子力規制委員会設置法案」には
参議院で修正すべき、または国会で答弁を取っておくべき大きな穴が開いている。

衆議院では、密室協議に参加した三党以外は
6月15日(金)の朝、法案を渡され、9時から審議をして委員会、本会議で可決させた。

参議院では、6月18日(月)から別の重要な法律案(産廃特措法改正)を
一本処理した後で、審議が始まり、今日が審議二日目だ。

国会事故調の報告(組織のあり方も含めての見直し)が
あと少しで出る前に駆け込むようなタイミングで、
国民も、被害も、自治体もマスコミも、誰も法案を読んでいない中で衆議院を通った。

衆議院で通過した法案はやっとここに出ている↓

■原子力規制委員会設置法案
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_gian.htm
■要綱
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_gian.htm

順不同で重大な穴と穴の塞ぎ方を指摘、提案しておきます。

1. バックフィット制度はどこにどう書かれているか?
この法案では、バックフィット制度(新しい知見に基づく改造や、それができるまでの原子炉の停止)の具体的な中身が書いていない。環境大臣の国会答弁では、あたかもバックフィット制度が書き込まれていると誤解をさせる言い方をしているが、法案に書き込まれているわけではない。単にこう書かれている。

(発電用原子炉施設の維持)
 第四十三条の三の十四 発電用原子炉設置者は、発電用原子炉施設を原子力規制委員会規則で定める技術上の基準に適合するように維持しなければならない。

国会事故調査の報告を待たず「一刻も早く」と言いながら、バックフィット制度が機能するのは、1)この法案が通り、2)原子力規制委員会が設置され、3)委員会が規則を作って施行される。3歩先の話だ。

しかも、「原子力規制委員会規則で定める技術上の基準」がバックフィット制度として機能するためには、目を皿のようにして読んでみても、「目的」規定から読み込むより他はない(そこも含めて国会が確認すべきだが)。しかし、ここにも問題がある。

2.「確立された国際的な基準」とは何か?

目的にはこう書かれている。

(目的)第一条 この法律は、平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故を契機に明らかとなった原子力の研究、開発及び利用(以下「原子力利用」という。)に関する政策に係る縦割り行政の弊害を除去し、並びに一の行政組織が原子力利用の推進及び規制の両方の機能を担うことにより生ずる問題を解消するため、原子力利用における事故の発生を常に想定し、その防止に最善かつ最大の努力をしなければならないという認識に立って、確立された国際的な基準を踏まえて原子力利用における安全の確保を図るため必要な施策を策定し、又は実施する事務(原子力に係る製錬、加工、貯蔵、再処理及び廃棄の事業並びに原子炉に関する規制に関することを含む。)を一元的につかさどるとともに、その委員長及び委員が専門的知見に基づき中立公正な立場で独立して職権を行使する原子力規制委員会を設置し、もって国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資することを目的とする。

「確立された国際的な基準」とは何か?を国会で明確にしておく必要がある。そうでなければこれは巨大な穴となる。

 何が「確立された国際基準」なのか、それぞれの事項について海外で導入済みの技術について一つひとつ聞いておく必要がある。
 これについては参考人質疑を行って、ここでこそ、専門家の意見を聞いて、国会として最低限要請すべき「国際的な基準」を明確にしておかなければならない。
 なぜならば「確立された国際的な基準」には解釈の幅が有りすぎて、いざ原子力規制委員会が規則を作るときになって、「確立されていない」と原子力ムラ勢力が主張することにより、施策に当然盛り込まれるべきものが盛り込まれない可能性がある。

解釈の穴は国会審議でこそ塞がなければならないが、民自公による原子力規制委員会設置法案が出てきてからの質疑を早回しで聞いた(本日のはまだ聞いていない)が、まだ指摘がない。

32.野田首相の算数力、国語力

民主党政権のバラマキ体質は明らかなのだが、

(↓クリックすると大きくなります)

003

一般会計税収、歳出総額及び公債発行額の推移
出典:財務省「わが国税制・財政の現状全般に関する資料(平成24年4月末現在)」

権力を掌握して嬉しくてばらまくのか
霞ヶ関が政権をコントロールするためにお土産を持たせるのか
政権交代後に、歳出が増大した傾向は、細川内閣(平成5年~)でも見られた。

今回の民主党政権は、
小渕、森内閣(平成10年~)よりも激しい大盤振る舞いをしている。

3.11は言い訳にならない。

これで増税「待ったなし」と平気で国会で答弁した野田首相は
こういうデータを国民が見ていないとでも思っているのか?

財務大臣経験者ともあろう人が
データの読み方を知らないんじゃないかとは思いたくないが、
算数力や国語力を疑いたくなる。

やるべき歳出カットができない政権に増税法案を通す資格はない。

2012年6月 9日 (土)

31.理想と対極にある河川整備計画の作り方

利根川のパブコメが始まったが、あまりにも矮小化された内容なので、
感受性の針が「呆然」と振り切れてフリーズした。

必死で自分の脳みその解凍作業を始めたのが、以下だ。
河川整備計画の理想の作り方(1)(2)(3)(4)(5)(6)

そして今朝、ある方から「越水堤防」について
さらなるコメントをいただいたことで、
その「呆然」フリーズが解凍した。 (チン!)

河川整備基本方針とは、

・どこに家を建ててはいけないのかという都市計画と
・家を建てられないほどに水害リスクが高いところの土地利用をどうするのか
・破壊されてきた環境と修復可能な環境を見極めて再生の目標を立てる
・100年先も持続可能な水利用(質と量と目的)を共有する
・100年後の低コストで災害回避が可能なまちづくりビジョン

これらを流域全体で決めること。100年の方針。
(であるべきだが、現行法は必ずしもそこまでは意味しない)。

河川整備計画とは、その具体的な計画

・ 水害リスクがあるのに家がすでに建っているところを
 緊急に手当するための選択肢と手当の順序を決めること
 (堤防、移転補助、かさ上げ補助、保険・・・)
・水利用計画=平時の水利用のための水利権の整理/緊急時の融通の取り決め
・自然再生(破壊の直視と多様な解決策の選択)

であるべき。(現行法は必ずしもそこまでは意味しないが)

間違っても、「目標流量を決めること」が治水ではない。

ところが利根川水系の場合は、いきなり、目標流量を決めることになっている。
目標流量を決めるだけで、洪水による被害を防げるわけがない。

「治水」に矮小化して考えるにせよ、最低限の情報提供として、
 どこの堤防が危ないとか、
 想定内の洪水でもここは堤防のギリギリまで水が来てしまうとか、
 想定外の洪水が来たら、一番に溢れそうなのはここだとか、
 万が一堤防が切れてしまったら、ここが危ないとか
こうした情報を提供することが「治水」への第一歩ではないか。
ところが、国土交通省関東地方整備局の意見募集の仕方は以下のようなものだ。

利根川水系河川整備計画
http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000200.html
利根川・江戸川において今後20~30年間で目指す安全の水準についての考え方.
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000061902.pdf
そして、6月23日までにご意見をください、と言う。

これでは治水にならず、「安全神話」を作るだけだ。
どんなリスクを抱えているのか、その情報なしに
「目指す安全の水準」だけ意見を下さいと言われても、
そりゃ、「高い水準がいい」と、普通の賢明な頭を持つ人ならば答える。

ところが、この↓1頁目で書かれた「高い水準」とは、
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000061902.pdf 
この↑2頁目の二つ目の○に書かれているように、
八ツ場ダムを作るための前提となる「高い水準」で、いわば、
「八ツ場ダム選択」であることが分からない形で、
八ツ場ダム選択を誘導するパブコメになっている。

しかし、これは不思議なことに、吾妻川という広大な利根川水系の中の一つの支流の話でしかない。

意見提出はこちらから↓6月23日18:00必着になっているが、
http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000200.html
ほんとうに生命財産を守ろうと思っている河川官僚なら、
こんなやり方はしなかったのではないかと思って、残念でならない。

2012年6月 7日 (木)

30.じっくり議論したい越水堤防

前のコマで紹介した越水堤防の研究の解説YouTubeを宮本博司さんに見ていただくと
すぐにお返事をくださった。多角的に考えが交わるとさらに理解が深まるので、宮本さんに引用の了解をいただいた。そのままコピペします。

∞ ∞ ∞ ∞ ∞

政野様      宮本博司

You Tube、ざっと見ました。

一つ気になったのは、
越水堤防は逃げるまでの時間稼ぎとの位置づけで、
耐越水対策をしても、結局は破堤するようなニュアンスで説明されていることです。
対策の仕方により、越水しても破堤しない堤防は可能です。

現に、遊水地の越流堤は破壊を前提にしていません。また、
今本先生が提案されている2重鋼矢板打ち込みであれば、まず破壊しません。

仮に、時間稼ぎだとしても、
我が国の洪水のピーク時間は比較的短時間ですので、
2時間あるいは4時間堤防が持ちこたえれば、結果的に破堤が生じない
ということになります。

また、堤防に異物をいれることに対する全面否定については、
技術者として理解しかねます。

異物が入るとどのような危険性が生じるのか、
そしてその危険性はどのような対策を行なっても回避できないものなのかを
説明しなければならないと思います。

いずれにしましても、国土交通省の行政職員、土木研究所の研究者の中には、
耐越水堤防をなぜ本気でやらないのかと思っている人が多くいます。
(今は、タブーになっているので、表立っては発言しませんが)

洪水を堤防内に押し込めるという治水方策を進めながら、
堤防は土砂を盛り上げただけで、越水すれば破堤しますという開き直りが
まかり通っていることは、バカバカしく、情けなく、
人の命を蔑ろにしている大罪です。

そして、耐越水堤防をタブーにしている原因がダム建設であるということを
多くの人々に伝えなければと思っています。

一度、耐越水堤防に絞って、じっくりと議論してみたいですね。

∞ ∞ ∞ ∞ ∞

ですね~。引用以上。

29.越水堤防の解説YouTube

利根川流域市民委員会再結成のパネルディスカッションで
コーディネータをしたときに、
「越水堤防なら昭和50年代に国がなんぼでも報告書を出していた」
と、宮本博司さんがいうのを聞いた。

「越水堤防」とは、簡単に言えば、洪水が来て溢れても直ちに壊れない堤防のこと。
逆に言えば、普通の堤防について、国交省は
たとえ「余裕高」(想定する洪水の水位と、堤防のてっぺんと同等の水位の差)があっても、
「計画した水位を1㎝でも超えると堤防が壊れる」という考え方をとっている。

ダムは下流に行けば行くほど水位の低減効果は限定的であり、
たとえば八ツ場ダムでさえ、同じ群馬県内(八斗島)で30㎝程度(国交省が根拠なく言う公称)、
最下流の東京都江戸川区では「ほとんどないでしょう」と職員が言うほどである。

 もし余裕高(今や2mも4mもある)まで水位が上がっても大丈夫なら、
 効果が限定的なダム(0㎝~30㎝程度の水位低減)は
 それだけであっけなく不要となってしまう。

 むしろ、「中に何が入っているのか分からない土まんじゅう」のような堤防の
 水位に対する「高さ」ではなく、「質」を上げることが重要ではないか。

 その方が、たとえ想定を超えた大洪水が来て、計画した水位を超え、
 さらには堤防から溢れたとしても、より破堤しにくい。

 破堤して高い壊滅的な位置エネルギーをもった洪水に人や家が流されることを防げる。

最近、そんな考え方から、「越水堤防」に対する注目度は高かった。そこで調べた。

宮本さんが言っていた年代で探してみるとすぐに見つかった。
「越水堤防調査最終報告書」建設省土木研究所河川研究室:
土研資料第2074号,1984 須賀堯三・橋本宏・石川忠晴他」

そこで、執筆者の一人にさっそく連絡し
その時の成果を解説していただけないでしょうかとお願いし、以下を開催した。

2012年5月23日「学ぼう「越水堤防」の研究成果」
YouTubeはこちら http://t.co/yn4hlRlN

前後であまりに忙しくてろくに案内もできなかったが
すでに90人が見てくださった。やって良かった!
どのような研究だったのか、とても分かりやすい解説です。

研究の存在を教えてくれた宮本博司さんに見ていただくと
さっそくコメントが送られてきたので、
次のコマでご紹介をさせていただきます。

28.大臣が誰であれ

ボツ原稿の公開:4月26日の事件直後に書いたが、ボツになった。
少々アレンジして公開させていただく。

@@@

大臣が誰であれダムを中止させない隠れ蓑(カラクリ)を持つ国交省

 「トイレに行こうとしたら、中まで見張りの職員が3人もついてきた!」会議終了まで3時間もの間、傍聴を拒み、会議室の外で傍聴を求め続けた国民に、こんな感想を言わせた異様な会議がある。2009年12月に「できるだけダムにたよらない治水への政策転換」を目的に設置された国土交通大臣の諮問機関「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」(座長:中川博次京都大学名誉教授)だ(写真)。前原誠司国土交通大臣(当時)が「今までの考え方を変えてもらう」とダム推進論者を中心に人選し、完全非公開で開始した。

●「できるだけダムにたよらない治水」という諮問

9ヶ月後の2010年9月27日夜、有識者会議は事業者自らがダムを含む複数案をコスト重視で比較する「自己評価」方法を「中間とりまとめ」としてとりまとめた。この「中間とりまとめ」を準備よろしく翌日には国土交通省河川局(現、水管理・国土保全局)が「ダム事業の検証に係る検討に関する再評価実施要領細目」 としてまとめ、83のダム事業計画について実施すると発表した。

しかし、この細目には、諮問された「ダムにたよらない」の文字はどこにもない。有識者会議をスクリーン(もしくは隠れ蓑というべきか)にして、求められた概念は消えて、まったく別のスキームが描かれていた。

● 「臨時的かつ一斉に行うダム事業の再評価」に

「ダム事業の検証に係る検討に関する再評価実施要領細目」に書かれた「目的」がすべてを表している。

第1 目的 「本細目は、「国土交通省所管公共事業の再評価実施要領(以下「実施要領」という。)」に基づき、平成22年9月から臨時的にかつ一斉に行うダム事業の再評価を実施するための運用を定めることを目的とする。」

「できるだけダムにたよらない治水への政策転換」を諮問されたはずが、単なる「臨時的かつ一斉に行うダム事業の再評価」に化けた。

有識者会議も、諮問されたことを忘れたかのように、自らの「中間とりまとめ」だけをかざし、「『共通の考え方』に沿って検討されたかどうかについて意見を述べる」(2012年4月26日、中川座長談)ことが自分たちの役割であると矮小化するようになった。

現在までに27ダム中21事業が、ダム事業者による自己評価で「事業継続」とされ、同会議はそのすべてを追認し、国土交通大臣もそれを追認した形を取っている。役割分担(責任分散)により責任の所在をウヤムヤにしている。

有識者会議設置当時に、「非公開ではダムありきの結論になる」(『八ツ場ダム 過去、現在、そして未来』(岩波書店)著者の嶋津暉之氏)など多方面から批判の声は上がったが、予測は的中した。

● 有識者会議の自主運営だから非公開

政府が閣議決定した中島政希衆議院議員提出の質問主意書への答弁によれば、市民団体等から公開が求められた回数は、2009年に2回、2010年に3回、2011年に2回、今年になってからも4回、計11回に上る。1999年に閣議決定された「審議会等の整理合理化に関する基本的計画」で政府会議は「原則公開」が求められているとの問いにも、「議事録を公開」しているとの答弁で傍聴を突っぱねてきた。

2011年3月からはマスコミにのみ公開したが、その後も一般傍聴は認めていない。

前田武志国土交通大臣は、筆者との独占インタビューで「有識者会議の自主運営だから」と傍聴を認めない理由を語った。

2012年4月26日の議題は、国の補助金で大半の事業費を賄っている大阪(安威川ダム)、長崎(石木ダム)、岐阜(内ヶ谷ダム)、沖縄(儀間川ダム)の4府県営のダムだった。傍聴を求めて会議室を訪れ拒まれ続けた希望者が、会議終了を待つ間にトイレにまで職員が3人もついてきたという低俗な嫌がらせにあったのはこの時だ。

2月22日に同議題で開催しようとしたが、30年間ダム事業に反対してきた石木ダム予定地の地権者らが「ここで建設が認められたら強制収用にかけられる」と傍聴を求め、有識者は傍聴を認めず、膠着状態となり、流会となった。

4月26日はその再開で、再度傍聴を求めて訪れたのは合計でほんの10人ほど。しかし、国交省側は100名を越える職員を動員する過剰反応をした。

石木ダム予定地の地権者は「人口が減るのに新しいダムは要らない」と不要性を訴える会見を5階の国交省記者クラブで行った。その後、「11階会議室に行こうとしたらエレベータに乗せてくれない。階段で河川官僚と競争しながら駆け上がった」という。(写真←ここから写真右上の「←Newer」をクリックその25まであり)

一方、記者の受付はいつもより30mほど会議室から離してエレベーター・ホールに設置。筆者は事前登録をしていたが、登録していない記者は追い返されていた(写真)。会議室につながる通路には隊列を組んで人間バリケードを作り、傍聴希望者が会議室に近づくことを拒んだ。また10人程の職員がビデオカメラでその様子を終始撮影するという異様な過剰反応ぶりだった。

開始された会議では、「人垣がある籠もったところでなければこの議論ができない。国土交通省なのか、私どもが、どこかで舵を切り間違えたのではないか」(鈴木雅一東京大学教授)と傍聴拒否を問題視する提起はされたものの、「真摯に議論しなければ」(田中淳東京大学教授)と同調したのはたった1人。何事もなく審議が始まった。

●「今までもダム検証方法に沿ったものばかりではなかった」
問題は審議の中身である。4月26日に問題視された視点の一つは、「石木ダムは座長のいう『共通の考え方』で検証されていない。共通の考え方は、土地所有者等の協力の見通しを明らかにするよう求めているが、長崎県は工程表で2016年完成としながら、実現性の見通しを書いていない」(鈴木教授)というものだ。

前会議で、「私たちは30年、反対してきたんです。ダムは絶対つくらせません!」(岩下和雄・石木ダム建設絶対反対同盟)と地権者が声を限りに叫んでいたわけで、見通しは暗く、2016年完成の実現性も皆無に近いから見逃しようのない瑕疵である。

ところがその主張に座長は、「今までもダム検証方法に沿ったものばかりではなかった」と、矮小化された役割ですら果たしていなかったことを自ら暴露してしまった。

この日、結局、議題となった4ダムのうち、沖縄県が中止するとした儀間川ダム以外は、継続方針が報告され、それを有識者会議が追認した。石木ダムについては、「地域の同意を得られるよう希望する」と条件つきとなった。

この結論を受けて最終結論を出すのが、問責決議を可決された前田武志国土交通大臣であるが、

ボツっている間に、新大臣に交代である。(と、ここから本日の加筆である)
昨日、これについて動きがあったらしい。

大臣が誰であれ、
ダムにこだわり続けるための隠れ蓑(カラクリ)を河川官僚は必要とし、
このカラクリを不安材料なく持ち続けるためにこそ、
ダムに批判的な委員を一人もいれない。
そして、会議も公開しない。議事録の公開も遅らせて鉄壁な環境を維持しようとする。

大臣が誰であれ、過去に何をやった人であれ、
この鉄壁なムラを破壊できる人であればいい。

できなければ過去4人の国土交通大臣同様、意味がない。

27.歯を食いしばる日々

川の取材と、たまにくる依頼原稿(1年越しでやっと取材が終わった)と、林業誌(季報)の取材編集と、原発関係の取材と、利根川流域市民委員会の再結成集会で引き受けたパネルディスカッションで自分なりに感じた宿題(疑問)をこなすための勉強会開催と・・・、こんな人生選択を誰がした→ワタシじゃないかと自問自答して「ひたすら歯を食いしばって頑張る」日々が、年に約4回ある。分かっているのに、やってしまう。計画を立てることができない。一期一会!というと聞こえがいいかもしれないが、直感と衝動で動いてしまう。これではダメだと先日やっと分かった。

これからはプロになるぞ!と反省しつつ、最後の(願わくば)ドタバタ人生を展開した。

日替わりで、林業家のもとへ車をぶっ飛ばした(2キロまでしか拡大図を見せてくれないレンタカーのカーナビと自分の中途半端な土地勘の狂いまくり、高速道路の選択や降り口を間違って2時間迷った。カーナビや土地勘に依存して地図を見ずにレンタカーを走らせることはもう二度としない!先方のご厚意で最低限の取材はさせていただいたが、我ながら衝撃的な失敗だった)かと思えば、霞ヶ浦のほとりで川底に溜まった放射能を測るのがどれくらい大変な作業かを含めてエイサホイサと採泥器を引き上げて実感してみたかと思えば、マジメな勉強会をやってみたかと思えば、ここはネットのアーカイブではなくナマで見ておかねばと国会事故調へ行ったり、とにかく、取材・取材・取材が続き、カキ・カキ・カキが続き・・・、一段落して、え?掲載次号になったの?とか、え?あれ、ボツになったの?とか、ショックショックが続き・・・溜まりに溜まった疲れをほぐしたいと思って、近所に突然できたストレッチ屋さんに行ったら、これが気持ちいいこと!

と感動していたら、「好転反応」というものだと思うが、ダルイわ熱は出るわ・・・。
今度は、脳みそにつまった情報づまり状態を解消=情報共有をしてスッキリしたい。

優先順序不同で行きます。

2012年6月 1日 (金)

26.河川整備計画の理想の作り方(6)

「ここが切れたら一番被害が大きくなります」と
下流の自治体に言ってあげることは、
遙かかなたの上流の群馬県や栃木県にダムを作りますから
お金を負担してください、と言うことよりも重要だと思うのだが・・・。

本当に大きな洪水が来て万が一堤防が切れたら
どこへ逃げるべきなのか、そういう防災計画を整えるための情報を
住民が入手しやすくなる環境を整えることが大事だと
3.11でも学んだはずが・・・。

私たちは、なぜ、歴史から学べないのだろう。
↓これは、3.11から何を学んだ結果の河川整備計画なのだろうか。

利根川水系河川整備計画
http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000200.html
利根川・江戸川において今後20~30年間で目指す安全の水準についての考え方.
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000061902.pdf

25.河川整備計画の理想の作り方(5)

一方、江戸以前から構築され「土まんじゅう」と化した堤防。
それが切れると何兆円も被害がでる、と国交省は
その被害想定額をなぜか、「ダム建設の費用対効果」に算入をしてきた。
ダムを作ると水位が下がってその分、堤防が切れないからという、
木に竹をついだような非科学的な机上の計算による。

でも、彼らは何故か言おうとしないことがある。
「ダム建設の費用対効果」計算に使っている堤防が
本当に切れそうなのかどうか、という重要な点である。

本当に切れそうなら、その堤防を手当してあげれば、
被害想定も下がり、ダムの費用対効果が下がる。

ところが、彼らはそれらの地点は「計算」に使っているだけで
本当に危ないかどうかは、無関心で、住民にはもちろん
自治体にすら、そういう「計算」に使っていることすら教えない。

24.河川整備計画の理想の作り方(4)

昨年末、八ツ場ダムの上位計画である河川整備計画の策定が
八ツ場ダム本体着工の要件であると突きつけられて、
利根川の河川管理者も先週、金曜日に動き始めた。

ところがその作業内容を見ると、
本当に洪水から流域住民の生命財産を守ろうとしているのだろうか、
と首を傾げたくなる情報の出し方をしている。

利根川水系河川整備計画
http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000200.html
利根川・江戸川において今後20~30年間で目指す安全の水準についての考え方.
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000061902.pdf

これで、6月23日までにご意見をください、と言う。
こんな仕事が楽しいかな。説明会すら開かない。
住民と共に学ぶ楽しさに背を向けて、河川管理者として楽しいかな。
リスク管理になるのかな。
もっと言えば、河川法で要請された、治水、利水、環境の保全を
こんなに矮小化したらほとんど行政の不作為だと批判されると考えないのかな。

批判されたいマゾなのか、嫌がらせをしたいサドなのか・・・(苦笑)。
不思議な人々である。

23.河川整備計画の理想の作り方(3)

慌てたのは国交省で、宮本博司さんは本省に呼び戻されてしまう。
そして、国土交通省河川局防災課長に任命され、
山手線の内側に行動範囲を狭められてしまった。

淀川で始まった「河川整備計画」(河川法16条の2)の作り方は
「淀川方式」と呼ばれ、全国にこれが広がることが待望された時だった。

あのとき、確かに、一つの理想型が追及されていた。
住民と共に作る「河川整備計画」(河川法第16条の2)のあり方だ。

ところが、広まったのは当時「吉野川方式」と言われたもので、
住民は住民、学識者は学識者、首長は首長とバラバラで
河川管理者が意見を聞き置く、従来型の「参加」方式だった。

時は流れ、東の大河、利根川の管理者は
西の大河、淀川を尻目に、その後も
「河川整備計画」(河川法第16条の2)の策定をサボリ続けた。

22.河川整備計画の理想の作り方(2)

そこには現在の嘉田由紀子・滋賀県知事も、
当時は学識者として加わっていた。

彼らのスタンスは「住民の生命財産を守るために
必要であるならばダムを作りましょう。しかし、
問題は本当に必要なのかどうかトコトン情報を出して
河川管理者に説明をしてもらいましょう」ということだった。

なぜなら、ダムは自然環境にとっては劇薬で、
水循環を半永久的に妨げる。作らないにこしたことがない。
だから、本当に必要なのかどうかを見極めましょうというわけだ。

議論を重ね、情報を紐解き、現場を歩き・・・、その結果、
必要性を合理的に説明できたダムは一つもなかった。

そこで、淀川ではもう新しいダムは原則作らないという答申を出した。

2003年1月 淀川水系流域委員会の提言だ。
河川行政の歴史はこのとき少し、変わった。

21.河川整備計画の理想の作り方(1)

日本で最も先進的な河川行政を試行したのは、
国土交通省の出先機関、近畿地方整備局で
淀川水系流域市民委員会の立ち上げに腐心した宮本博司さんだろう。

彼は「国土交通省は国民から信頼されていない」ことを肝に銘じ、
2000年、淀川水系の河川整備計画を作るための諮問委員会を作るために、
まず、その委員たちを国交省自らは選ばないということを決めた。

数人からなる第三者機関を作って、間接的に委員を選ばせた。
候補者リストを渡したが、それ以外でも誰を入れてもいいと依頼した。

その結果、従来の河川行政に対して厳しい考え方を持つ市民が入り、
公募枠も設けた。さらに公募に漏れたとしても、
「参加」意欲があって委員会に傍聴に来てくれた人なら誰でも、
委員会での議論の最後に発言できる機会も確保した。

そうしなければ失った信頼を取り戻すことはできないと感じていたからだ。

果たして淀川流域委員会には、
地域の川に詳しい人も学者もごっちゃに含まれていた。
なぜなら「チョロっと河川工学の勉強をしたとか、
チョロっと川の水質を勉強したといったところで、
無限大である川から見たらニアリーイコールゼロ。
だから分かっていない者同志が集まって知識なり思いを出し合って
問題をあぶり出していこう。皆が対等だ」との考えだ。
(興味ある方は こちらのYouTubeかActio 2012年3月号 へ)

★たね蒔きジャーナルの
20111019「反骨の人 脱ダムを唱える元国交省宮本博司さん

http://www.youtube.com/watch?v=PcZGdM4aRZg もオススメ。

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