14.立法事実は何か?(中)
■抽出された問題は何か?
東京電力福島第一原子力発電所事故以来、
政府および政府行為に組み込まれた「ムラ社会」の一角をなす
「専門家」に対する不信は、とりわけ深い。
以前にも増して、
「自分の運命がどのような手に委ねられているか知りたい」と
地権者が考えたとして、この考えは不当か?妥当か?
傍聴すべき人を支援したいとの考えは、不当か?妥当か?
これは、双方の感情論(傍聴したい、公開したくない)は別にして、
河川政策の観点から考えれば、公開するのが妥当である。何故か?
国土交通省水管理・国土保全局河川計画課を事務局とする
「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」の作った「中間とりまとめ」
P.13「検証に当たっての基本的な考え方」にあるように
検証の対象となる「治水対策案は、河川整備計画」である。
河川法16条の2では、河川整備を策定する際、
「関係住民の意見を反映させるために
必要な措置を講じなければならない」とされている。
実際に、たとえば、石木ダム事業者である長崎県が検討の場を
開催した時にも、公開で開催している。
長崎県から国交省への提出資料(2012年4月26日)P.16
1997年以来、河川行政においては、
このレベルは住民の意見を反映させるレベルである。
更に言えば、この上位計画である河川整備基本方針(河川法16条)の
策定レベルでも、審議は公開で行われている。
非公開会議はこうした河川政策とは整合性がない。
非公開にするとしたら、突然変異的、時代錯誤的な対応である。
ところが、こうした政策マインドを待たない、もしくは、
忌憚のない意見を非公開会議でしか言えない専門家集団を
罰する法律を作るのは現実的ではない。
しかし、これは問題である。
課題は、こうした傲慢で勘違いした有識者から
弱者を守るにはどうすればいいか?である。
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