16.「計画節電」の算数
大飯原発の再稼働問題。
「問題は何か」が明らかならば、解決策は見つかる場合は多い。
夏のピーク時に不足する電力を関西電力は16.3%、
政府の需給検証委員会は14.9%と試算していると報道されている。本当だろうか?
人の脳みその頼らずに、国家戦略室の需要検証委員会で公開されている
第四回(5月2日)の資料4-3 P.8を見て、少しだけ算数をしてみる。
http://www.npu.go.jp/policy/policy09/pdf/20120507/shiryo4-3.pdf
この政府資料によれば、
関西電力の夏のピーク需要日における原発(供給能力)依存度は
一昨年(フクシマ以前)で24.6%(838÷3271)
昨年は11.7%(337÷2871)、
今年はこれを0%にできるかどうかという話だ。
同じ資料の別の数字で言い換える。
昨年、関電が原発で供給していた337万kW分11.7%の節電を
今年、関西電力管内の企業や人ができるかどうかだ。
何をそんなに大騒ぎしているのか。
じっと見ると、なるほど、
通常は、「原発が夜間に発電する電力の捨て場」と言われる揚水発電の見積がオカシイ。
一昨年(フクシマ以前)で原子力「838」に対し揚水「447」だったのが、
昨年は原子力「337」と半分に減ったのに、揚水は「465」と増えている。
今年の夏は「原発」が夜間に揚水を汲み上げないので「239」と見積が小さい。
仮に、これが本当だったとしよう。
さらには、関西電力の言う16.3%足りないということが本当だったとしよう。
そして、それを「節電」だけで達成するという厳しい話をしたとしよう。
それでさえも、これはのべつまくなしに昨年より16.3%削る話ではない。
夏の一番暑い日の数時間の間、去年よりも電気を少なく使う生活や企業活動が
できますかという話だ。
関電の「16.3%」とコンマ3まで計算できる優秀さをもってすれば、
不足分について大口需要家の協力のもと、
今から余裕をもって「節電計画」を立てる優秀さも持ち合わせているはずだ。
賢く数時間だけピークをずらす「計画節電」をすれば、
原発再稼働は要らないことになる。
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