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2012年4月21日 (土)

6.閣議から考える、動体視力ゼロかウソつきか

2012年4月17日、衆議院国土交通委員会で、前田武志国土交通大臣は
7項目にわたる「国土交通大臣の署名入りの文書に関する指摘に
ついての調査結果」を読み上げた。4項目目に、

「3月30日、(略)朝と夕刻の2度にわたる閣議など、極めて多忙な日程であったため、
文書の名宛人や内容に目を通す暇もなく、政務秘書官に促されるままに署名した」とある。

「文書の名宛人や内容」に目を通していない?本当か?
ウソならまだマシで、本当なら大変なことだ。

大臣が自分の名を自筆で署名した真上に「国土交通大臣」と印字してある。
大臣ともあろう人物は、紙1枚を「瞬読」できるぐらいなければ、
今の閣議のあり方では仕事はできないからだ。
この日の「朝と夕刻の2度にわたる閣議」の案件を見てみよう。

平成24年3月30日(金)定例閣議案件
http://www.kantei.go.jp/jp/kakugi/2012/kakugi-2012033001.html
平成24年3月30日(金)臨時閣議案件
http://www.kantei.go.jp/jp/kakugi/2012/kakugi-2012033002.html

朝と夕で、おびただしい数の一般案件(内閣としての意思決定が必要な事項)、
国会答弁に等しい質問主意書への答弁(官僚が書いたトンデモ答弁)
法律案の提出、法律・政令の公布を閣議決定している。

これを見る限り、閣議は単なる「通過儀式」であり
カカシか、ハンコを押すロボットでも置いておけばいい。
いや、仕事をしているぞ、と言うなら、大量の文書に目を通す習性が、
多忙でも疲れていても眠くてもついていなければ、おかしい。

そして、その習性がついていれば、どんなに油断をしていようが、
大臣室(*)で「国土交通大臣」として署名をする際に、秘書の言いなりで
「文書の名宛人や内容」に目すら通さないことはありえないのではないか。

一事が万事、日頃から、政府文書をろくに読まずにハンコをついているか
岐阜県下呂市長選挙を巡る職権濫用を咎められるのが嫌でウソをついたか
そのどちらかであるとしか思えない。

この見極めを本人が行うのか、任命者である首相が行うのか、
見極めることもなく済ませられると思っているのか、
その統治能力にまたガッカリさせられるのかと思いつつ、
この内閣に対する期待値を下げて見ている。

(*)4月11日の国土交通委員会では伊東良孝議員に対し「議員事務所で署名した」
と述べたのに、17日には「大臣室だった」と訂正した。

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